下今市駅から鬼怒川温泉駅へ。レトロSLで行く鉄旅のススメ

下今市駅から鬼怒川温泉駅へ。レトロSLで行く鉄旅のススメ

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下今市駅~鬼怒川温泉駅間で、2017年8月から運行が始まったC11-207の蒸気機関車「SL大樹(エスエルたいじゅ)」。下今市駅と鬼怒川温泉駅には全国的にも珍しい円形の転車台があって、迫力満点の方向転換を間近で見られるんです。汽笛を鳴らしながら、モクモク煙を吹きだすSLは、子どもだけじゃなくて大人もテンションが上がっちゃいます。

Summary

SLが目の前で回転する転車台に大興奮!

下今市駅では、専用通路を渡った先にある転車台広場へ。SL大樹がデザインされたかわいいゲートをくぐると、その先に転車台とレンガ造りの機関庫が見えてきます。SLは再び鬼怒川温泉へと向かうために、ここで向きを変えるのです。

こちらの転車台は、JR西日本の山陰本線長門市駅(山口県)で使用されていたもの。このプロジェクトに賛同してもらえ、貴重な鉄道産業文化遺産を譲っていただけることになったそうです。

少し待っていると、転車台のレールに向かって真っすぐ走ってくるSLが見えてきました!

SLが転車台にのると、時計回りに回転がスタート。時折、汽笛を鳴らしたり、煙を上げながら、ゆっくりゆっくり回るSLの大きさや迫力に圧倒されます。

このSLは、昭和16年(1941)に製造された蒸気機関車C11-207。昭和49年(1974)にいったん廃車になったのですが、平成12年(2000)からJR北海道で活躍していたものです。正面にライトが2つ付いたカニのような目が特徴です。

鬼怒川温泉駅の転車台はなんと駅の正面!下今市駅は転車台が構内なので、乗車券か入場券をもってないと見られないのですが、鬼怒川温泉駅ではタイミングが合えば、誰でも方向転換の様子を見ることができるんです。

鬼怒川温泉駅前の転車台は、JR西日本の芸備線三次駅(広島県)から譲ってもらったものです。

モクモクと煙を上げながら、温泉街に大きな汽笛が鳴り響きます。たまたま通りかかった観光客もみんな一緒になって、夢中で写真撮影!

SL大樹の運行を機に、鬼怒川温泉駅も和モダンなデザインに生まれ変わってます。

下今市駅ではプラスαのお楽しみがいっぱい

下今市駅の転車台広場へは専用通路を通って向かいます。長門市駅や三次駅から転車台を移転したり、下今市駅で工事している写真、蒸気機関車とともに走る客車やディーゼル機関車などの説明があります。

もっといろいろ知りたい!という人は、ぜひSL展示館へ。SLの仕組みを実物大の写真パネルで紹介したり、東武鬼怒川線をイメージしたジオラマを見ることができます。

次の出発までSLがひと休みする機関庫も、昔のデザインをイメージしたレトロなレンガ造りでかっこいい!

機関庫の側面はガラス張りになっていて、SLを点検したり、整備している様子や動輪部分などの複雑な造りなどをじっくり見ることができます。

不定期開催ですが、機関士や乗務員たちが着ている制服や帽子をかぶって、写真を撮ることができる無料の記念写真コーナーがあることも。SL大樹のヘッドマークのパネルを持たせてくれたり、おすすめの撮影ポイントを教えてくれたり、ポストカードのプレゼントがあったり、サービス満点です。

沿線住民の方や職員のアットホームなおもてなし

駅のホームでは、蒸気機関車の操縦スペースを覗かせてくれたり、一緒に写真を撮ってくれたり、みんな笑顔いっぱいで手を振ってくれます。

さらに、客車1両に1名のSL観光アテンダントが乗車して、乗客のお出迎えやお見送りをしてくれます。通常は制服姿なのですが、この日は夏らしく浴衣でおもてなし。

見渡す限りの田んぼ、清々しい川、緑深い山々など、のどかな車窓の風景が広がります。

地元では、「SL大樹にみんなで手を振ろう」というプロジェクトを実施中。線路沿いの家に住んでいる人たち、畑で作業中の皆さま、通過する駅の係員たち、道端で遊ぶ子どもたちなど、本当にあちこちで手を振ってくれていました。

車内ではSL観光アテンダントが、地元の見どころを紹介した手作りのパンフレットがもらえます。プロのカメラマンによる写真撮影サービスも(写真購入は特別フレーム付きで1100円)。

温泉や観光名所だけじゃなく、SLが加わり旅の楽しみがパワーアップした鬼怒川温泉。懐かしいSL、あたたかいおもてなしにふれて、身も心も癒されますよ。

東武鉄道に関する問合せ
TEL:03-5962-0102(東武鉄道お客さまセンター、8時30分~19時、無休/ただし年末年始を除く)
SL大樹の運行日:土・日曜、祝日を中心に運行
※運行日やスケジュールは、随時変更になります。事前にホームページで確認してください。
http://www.tobu.co.jp/sl/

text&photo:井島加恵(mii)

●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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