食・グルメ
2019.04.18
京都の完全予約制カフェ「ドルチェパンダ」の、激レアパフェ
京都市北区、堀川北大路の住宅街にある小さなお店「dolce panda（ドルチェ パンダ）お菓子とお茶のお店」が、全国のスイーツファンから注目されています。カウンター6席だけ、不定休で完全予約制。しかも日によってメニューが替わるという、特別感あふれるカフェ。その人気の秘密に迫ります。
一軒家の1階にある6席が、スイーツ好きたちの聖地
「dolce panda（ドルチェ パンダ）お菓子とお茶のお店」があるのは、民家が立ち並ぶ住宅街。店構えはごく普通の1軒家です。
チョークでゲストへのメッセージが手書きされたドアは、少し奥まった場所にあるので見逃し注意。
出迎えてくれるのは、パティシエの榊本さん。「ル・コルドン・ブルー」パリ校で学び、その後、カフェやホテルでパティシエとして活躍していましたが、出産とともに一線を退き、自分のこだわりが詰まった小さなカフェをオープンしました。
シンプルな店内でひときわ目をひくのが天井。一面の芍薬（しゃくやく）の花が、店を華やかに彩ります。
黒板のメニューは、パフェ、スープ、ケーキ、トーストとありますが、すべてTODAY’Sメニュー。
メニューのために材料を仕入れるのではなく、今手に入る最高の材料で作れるメニューを提供しようというスタイルです。だから営業日も不定。月に2回インスタグラムで公表し、完全予約制。目の前に座るお客さまだけに、心のこもったメニューが用意されます。
これが大人気！ドルチェパンダの「パンダパフェ」
「ドルチェパンダ」を一躍有名にしたのが、なんといってもこの「パンダパフェ」。
このお店には、数匹のパンダが暮らすパンダ一家がいて、それぞれが旅に出ています。そして、たまにお店に戻ってきてメニューに登場するというストーリー。で、春に帰ってきたのが、“お嫁パンダちゃん”。およそ2〜3ヵ月に一度は家族の誰かが帰ってきますが、こればかりはパンダの気分次第。
即完売する“お嫁パンダちゃん”を分解してみました！ビスキュイショコラ、チュエル、アイス、ピスタチオのフレジェ（フランスのショートケーキ）、ディプロマット（カスタードとホイップのクリーム）…とにかくパーツが多い！
顔の部分はホワイトチョコのホイップクリーム。小さな目と口はチュイルで作っています。崩れないように顔の形を作るのが難しいのだとか。とにかく職人技です。これは、完全予約制なのも納得。
ただ重ねるだけではなく、パティシエならではの、お菓子を味わえるパフェが作りたかった、と榊本さん。ひと皿にかけるこだわりが半端ではありません。
お客さんのなかには、その日のメニューを全品食べる方もいて、最高1人6000円以上の注文をされたそう。すごいですね！
店名に「お菓子とお茶のお店」と付くように、お茶も厳選している榊本さんは、紅茶コーディネーターの資格ももっています。お店の紅茶はオーガニック茶葉を扱う「紅茶専門店 祇園 mignon（ミニョン）」のもの。
ドルチェセット、トーストセットなどに付く紅茶は、キャンディ、ルフナ、アッサム、フレーバーティー（4種）、ダージリンなどから選べます。
日本茶も、京都府和束町で無農薬、無化学肥料で作られた和束茶を使用。気に入れば茶葉を買って帰れます。
どれも一期一会。全制覇したくなるメニューの一部をご紹介
こちらは2018年12月上旬に登場した、あすかルビーのロールケーキ。奈良県のブランドいちご、あすかルビーを、「中沢乳業」の無添加生クリームと甜菜糖で作るホイップクリーム、ふわふわのスポンジで巻いた贅沢なケーキです。
「フルーツとクリームとスポンジの量のバランスを考えて、苺のスライスも巻いています」と榊本さん。見た目だけでなく、味のバランスも考えたデコレーションです。
いちごの旬には、奈良のいちごを食べ比べできるイベントも！「古都華」「あすかルビー」「あきひめ」の3種類のいちごを5種類のショートケーキに仕立てています。
「イートンメス」はイギリスのお菓子で、サクサクのメレンゲにいちごとホイップクリームを合わせた軽い口当たり。「わんこティー」は、わんこそばのように、なくなったら次のお茶を注いでもらえるシステムです。
トーストメニューはハーフ&ハーフにすると、2種類のトッピングを選べます。イベント時は1/4サイズ×4種類のクアトロスタイルになることも。写真は、榊本さんの大好きなフルーツ、桃をアレンジしたトースト。遊び心にあふれています。
完全予約制、6席のみ、不定期営業と、なかなかハードルの高いお店ですが、そのハードルを乗り越えてでも行きたい、食べたいと思わせてくれるものが確かにあります。これからも進化が止まらなさそうな「ドルチェパンダ」、目が離せません！
Photo：瀬田川勝弘
text：小西尋子
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
この記事を書いた人
