静寂のお寺「円覚寺」でデジタルデトックス!心を整える坐禅&写経のすすめ
デジタルな世の中はとても便利である反面、本来の人間らしさや大切なものを知らず知らずのうちに見失ってしまいがち。取り込まれる情報量の多さに脳の疲れもピーク!そんな自分をリセットしたいときにおすすめなのが、お寺での坐禅&写経体験です。無心になって自分自身と向き合うことで、これまでに体験したことのないような新鮮な感覚を味わえることでしょう。
坐禅の基本姿勢とは…?
今回、坐禅と写経の体験をしたのは、北鎌倉駅のほど近くにある「円覚寺」。鎌倉五山第二位の格式あるお寺です。まずは和尚さんから、坐禅の基本について説明を受けます。
坐禅をする際は、左右の足をももの上にのせる「結跏趺坐(けっかふざ)」、または片足だけをのせる「半跏趺坐(はんかふざ)」という足の組み方で座ります。手は、右手の上に左手を重ね、親指同士が軽く触れる程度にくっつけて、きれいな円をつくります。
身を調え、呼吸を調え、心を調える
1メートルくらい前方を見るように視線を落とし、ゆっくりと呼吸します。呼吸に意識を集中して、心はできるだけ無の状態に。「調身・調息・調心」といって、まずは身体を調え、さらに呼吸(息)を調えることによって、心を調えていくのだそうです。意識がどんどん呼吸に集中していき、既に新鮮な感覚。
坐禅中に和尚さんが肩を叩く棒は「警策(けいさく)」といって、修行者の精進を励ますためのもの。集中できなかったり、睡魔に襲われたときなどは、自分から警策を求めることもできます。座ったまま合掌をすれば、「警策を打ってください」という合図になります。ちょっと痛いですが、気持ちが引き締まり、集中しやすくなります。
文殊菩薩の手の代わりともいわれる警策は、ありがたくいただくもの。そのため、警策の初めと終わりには、きちんと合掌・一礼をします。
写経は心身の疲れを癒す究極のリラクゼーション!
続いて、写経体験です。筆(または筆ペン)、硯、水差しなど必要な道具はすべて用意されています。円覚寺では、「延命十句観音経」という経文をお手本に写経を行います。
まずは、硯で墨をすります。静かな空間でただひたすら墨をする…。なんでもないことのようですが、ふだんの生活の中にはない作業をするだけでも、なんだかとってもありがたい気持ちになります。
お手本をなぞりながら一文字一文字、丁寧に書き進めていきます。指先に意識を集中していると、いつしか心の中はからっぽに。無心になることで日頃のストレスや悩み事から解放され、心がすっきり軽くなっていく心地よさこそ、写経の大きな魅力です。
体験費用は写経は1000円(納経料を含む)、坐禅は会によって異なります。また、いずれも実施日や時間は一定ではないため、詳細は円覚寺のホームページでご確認ください。
http://www.engakuji.or.jp/news.html
text:松井美樹
photo:小野さやか
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。