映画評論家のお墨付き!おうちにいながらホテル気分を味わえるムービー5選
コミックを読んだり、録りだめしたドラマを鑑賞したり…おうち時間をいかがお過ごしですか?今回は、自宅にいながら優雅でリッチなホテルを訪れたような気分を味わえる映画をピックアップ!映画評論家の八雲ふみねさんにホテルを題材にした5作品を厳選していただきました。八雲さんのおすすめコメントも必見ですよ!
Summary
圧巻の映像美 ミステリー&コメディ『グランド・ブダペスト・ホテル』
最初にご紹介するのは、女性に高い人気を誇るウェス・アンダーソン監督の『グランド・ブダペスト・ホテル』。
美しい山々を背に優雅にたたずむ、ヨーロッパ最高峰と謳われたホテルで巻き起こるミステリー・コメディです。
ホテルの宿泊客のお目当ては“伝説のコンシェルジュ”と呼ばれるグスタブ・H。彼の究極のおもてなしは高齢マダムの夜のお相手までこなす仕事ぶり。
ある日、彼の長年のお得意様、マダムDが殺される事件が発生し、遺言で高価な絵画がグスタブに贈られたことから容疑者として追われることに。
マダムDの遺産をめぐる騒動に巻き込まれたグスタブ・Hは、ホテルの威信を守るため、愛弟子のベルボーイと共にヨーロッパを駆けめぐります。はたして、殺人事件の真相は解明できるのか!?
ホテルの外観は、ピンクの壁面にブルーの屋根。真っ赤な内装のエレベーターに、紫の制服に身を包むホテルマン。洋菓子店のショーウィンドウにディスプレイされたお菓子の箱まで女子力を刺激するデザインで、ウェス・アンダーソン監督の類いまれなる才能が随所に感じられます。
こんな可愛いホテルが実在したら、きっと誰もが泊まってみたい!と思うはず。
<作品DATA>グランド・ブダペスト・ホテル
感動のヒューマンドラマ『マリーゴールドホテルで会いましょう』
『恋におちたシェイクスピア』の監督が贈る、人生を豊かに変えるヒントがいっぱいの感動作。
「インドの高級リゾートホテルで魅惑の日々を」という謳い文句に惹かれ、イギリスからやって来たやっかいな事情を抱える男女7人。そんな彼らを待っていたのは、将来豪華になる“予定"のボロホテルと、異文化の洗礼だった。
初めは戸惑うばかりの彼らだったが、新たな自分とささやかな幸福に遭遇し、この地を愛していく。しかし、突然ホテル閉鎖の知らせが…。再び人生の岐路に立つ彼らの選択とは。
しかし旅好きな女性の中には、海外の一風変わったホテルを訪れることに、興味を覚える人もいらっしゃるかもしれませんね。馴染みのない文化や慣習に触れるのも、旅の醍醐味。未知の環境に身を置くことで、これまで気付かなかった自分自身に出会えることも。
舞台となっているのは、インドのラジャスターン州ウダイプル郊外にあるホテル。異国情緒あふれるロケーションは、映画を観ながら旅している気分も味わえること間違いなしです。
<作品DATA>マリーゴールドホテルで会いましょう
秒刻みのクライムアクション『オーシャンズ11』
20世紀を代表する偉大なシンガーであり、アカデミー賞を受賞した名優フランク・シナトラ主演の『オーシャンと十一人の仲間』(1960年)のリメイク。厳重なセキュリティシステムで守られるラスベガス3大カジノの巨大金庫から、現金を盗み出すというストーリーです。
盗み出す額はなんと1億6000万ドル!保釈中のカリスマ窃盗犯ダニー・オーシャンは旧友に話を持ちかけ、この計画の遂行に不可欠な各分野のスペシャリストのスカウトを始める。やがて、11人の選りすぐりの犯罪ドリーム・チームが誕生。こうして11人のプロによる、秒刻みの強奪作戦が始まった!
本作では舞台となったホテル・ベラージオの全面協力の元、観光客におなじみの噴水ショーはもちろん、様々な場所で撮影が行われました。映画を観てからホテルに訪れたなら、人気スポットもディープに楽しめること請け合いです。
<作品DATA>オーシャンズ11
グランド・ホテル方式作品の決定版『THE有頂天ホテル』
都内の高級ホテル“ホテル・アバンティ”。新年のカウントダウンパーティーまであと2時間あまり。その成否はホテルの威信に関わり、これを無事終えることが副支配人・新堂平吉に課せられた責務。
ところが、そんな新堂をあざ笑うかのように、従業員と“訳あり”宿泊者たちを襲う数々のハプニング。はたして彼らは無事に新年を迎えることができるのか?
ホテル・アバンティで起こる人間模様を、登場人物の数だけあるエピソードを巧みに絡ませながら、怒涛のごとく展開していきます。縦横無尽に伏線が張り巡らされていて、1シーン足りとも飽きさせないのは、さすが三谷幸喜監督!
<作品DATA>THE有頂天ホテル
DVD 発売中 スペシャル・エディション(2枚組)¥6,000+税
発売元:フジテレビ/東宝、販売元:東宝
※各種ビデオ・オンデマンドでも配信中
異業種バディの本格ミステリー『マスカレード・ホテル』
都内で起こった3件の殺人事件。すべての事件現場に残された不可解な数字の羅列から、事件は予告連続殺人として捜査を開始。警視庁捜査一課のエリート刑事・新田浩介が4番目の犯行場所(ホテル・コルテシア東京)を突きとめ、新田はホテルのフロントクラークとして犯人を追うことに。
そして、彼の教育係に任命されたコルテシア東京の優秀なフロントクラーク・山岸尚美。お互いの立場の違いから幾度となく衝突する二人だったが、潜入捜査を進める中で、共にプロとしての価値観を理解しあうようになっていき、二人の間には次第に不思議な信頼関係が芽生えていく。そんな中、事件は急展開を迎える。果たして、仮面(マスカレード)を被った犯人の正体とは…。
この映画の舞台となる“ホテル・コルテシア東京”の特徴は、エントランスやフロント、階段など、すべてシンメトリー(左右対称)になっていること。こうしたシンメトリーな建築物は、一般的に荘厳さが増すと言われていますが、その効果を最大限に生かした劇中セットは、本物のホテルと見間違うほどラグジュアリー。
中でも、豪華なシャンデリアが印象的なエントランスの美しさは格別ですよ。
<作品DATA>マスカレード・ホテル 豪華版
ブルーレイ&DVD発売中
ブルーレイ:¥7,800+税/DVD: ¥7,000+税
発売元:フジテレビジョン、販売元:東宝
※各種ビデオ・オンデマンドでも配信中
ドキドキ・ハラハラ・ワクワクする映画評論家お墨付きの作品で、おうち時間を思いっきり楽しみましょう!
【監修者プロフィール】八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。
機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、各種コンテンツや映画・ドラマ関連イベントにてパーソナリティ、司会を務めること多数。
ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」にて、いま観るべき映画を好評発信中。
Text:村田智子(vivace)
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