梅雨のおうち時間、何する?ひとりでも夢中になれる『大人のぬりえ』に挑戦!
長いステイホーム期間に続き、なかなかお出かけ日和にならない梅雨の時期。おうちで本や映画を楽しむことに飽きてしまった人も多いのでは?そこで、新しい趣味として気軽に始められる「大人のぬりえ」をご紹介します。心が整い、ストレス発散やリラックス効果も期待できるのだとか!今回はスケッチ講師の関本紀美子さんに、初心者向けの画材や本の選び方、塗り方のコツなどをたっぷり教えていただきました。
Summary
初めてぬりえに挑戦するときは、色の確認がしやすい色鉛筆がおすすめ。少しずつ塗り重ねていくので失敗も少なく、作業しやすいです。
画材はメーカーから出ている全色を揃える必要はありません。だいたい36〜48色あれば十分楽しめます!小さいセットを買って、植物画は緑系、メルヘンチックなイラストは中間色を多めに揃えるなど、よく使いそうな色を単品で追加していくといいですよ。
そのほか、消しゴム、鉛筆削りも準備しておくと便利。消しゴムは色鉛筆用、鉛筆削りは2穴で芯の太さを調節できるものだと使いやすいです。
技法によってはナイフ、紙やすり、筆を用意し、色鉛筆の芯を削って水やぼかし液で絵の具のように塗ったりすることもあります。
ぬりえ本選びは、自分が好きなジャンルのものを選ぶことが何より大事!ロマンチックなイラストや動物、お花、歴史物などなど…好きなものだと、やっぱりテンションが上がりますよね♩
あとは、色塗り見本がついているものや、ページ全体を塗る必要がなくモチーフひとつひとつを仕上げていけるものを選ぶと取り組みやすいです。
まずは基本的な塗り方からご紹介。
①鉛筆の線が途切れないように動かして塗る。
②短い線を同じ間隔で一定方向に描く(ハッチング)。
③ハッチングで塗った線と別の方向にハッチングを重ねる(クロスハッチング)。
④点画。鉛筆を立てて点や短い線で塗る。間隔を詰めると濃い色に。
色を濃くしたい場合は、同じ色を重ね塗りしていきます。
色を組み合わせて塗ると、色彩豊かな絵に仕上がります。
それでは早速チャレンジ!最初は明るい色や細い部分から塗っていきます。広い面積は鉛筆を長く持ち、力を抜きながら塗るのがコツです。
また、写真の屋根のように同系色を並べて塗れば、色の変化がつけられます。色数の多い画材のセットは同系色のバリエーションが多いので、最初のうちは使用した色のメモを取るのも忘れずに。
白いモチーフがあるときは、はっきり見えるよう周りを濃い色で塗りましょう。
丸いものは一方向だけでなく、丸みに沿って手を動かして塗ります。光があたっている部分を白く塗り残すと、より丸みを出すことができますよ!
この緑のエプロンように、ハッチングで一方向に塗ったあと、別の方向の線を塗り重ねれば(クロスハッチング)、色の深みを出すことができます。
一通り塗り終わったら、全体を見て色の濃さのバランスを整えます。このひと手間が、仕上がりの出来を左右するのです!
水分量の調節など少し練習が必要ですが、透明水彩絵の具でぬりえに挑戦するのもおすすめです。ぼかし効果と美しい発色に加え、透明色なのでぬりえの線を損なうことのないきれいな仕上がりになりますよ!
絵の具のほかに、水彩筆2〜3本、くぼみの深いパレットもしくは梅皿、筆を洗う水入れ、スポイトも準備しましょう。筆は穂先がまとまりやすい丸筆がおすすめ。
本のままでは塗りにくいので、絵は本から切り取って塗っていきます。
紙がびしょびしょに濡れないよう、細めの筆で少しずつ塗っていきましょう。
水彩絵の具は固形のままでは色がわかりにくいので、実際に水で溶いた絵の具を紙に塗って色見本を作ることが大事です!
そのほか、色の種類が豊富なマーカーやカラーボールペンで塗るのも楽しいでしょう。ぜひ、色々な画材に挑戦してみてください!
ここで、関本さんとるるぶ&more.編集部おすすめのぬりえ本をご紹介します。チャレンジする際の参考にしてみてくださいね♪
\関本さんおすすめ/〜初心者編〜
『“かわいい”の魔法にかかる 夢色ファンタジー塗り絵』(河出書房新社) たけいみき
<おすすめPoint>
とにかくかわいい絵柄が満載!モチーフが小さくてバラバラなので、ひとつひとつを仕上げていくことができます。色見本は1例のみですが、お絵描きをしたことのある女子ならイメージで塗り進めることができます。
『flower mandalas 心を整える、花々のマンダラぬりえ』(日本文芸社)シンシア・エマリー
<おすすめPoint>
お花のモチーフがありますが、全体としては図形的なパターンで構成されているので自分の好きなように何色で塗ってもOK!線が込み入っているため一見難しそうに見えますが、パターンの繰り返しなので、一部分を塗れば後の配色は悩まずに塗り進めることができます。
『あいうえお ぬり絵の旅』(誠文堂新光社) 河合ひとみ
<おすすめPoint>
イラストよりはもう少し絵画っぽいものに取り組みたい人におすすめ!背景を塗らなくていいので、花、果物、動物などモチーフに集中して塗ることができます。
『おとなのスケッチ塗り絵〜世界で一番美しい街・愛らしい村〜フランス編〜』(MdNコーポレーション)関本紀美子
<おすすめPoint>
お洒落なスケッチを描いているような気分で楽しみたい人におすすめします。柔らかいタッチの線画なので、はみ出さないようにしなきゃ!と気負わずに、音楽でも聴きながら気楽な気持ちで楽しむことができますよ♪ 色見本もありますが、自分の好きな色に塗ってオリジナルに仕上げてみてください。
〜ちょっぴり変わり種編〜
『名画で楽しむパズル塗り絵』(宝島社)パズルぬり絵制作委員会
<おすすめPoint>
あまり絵心や色のセンスがなく、物の立体感を出すのが苦手、でも指示書を読んで最後まできちんと仕上げていくのは得意!という人におすすめです。ページを開くと、何の絵かわからない番号が振られたピースがびっしり。指定された番号の色をひたすら塗っていくと、何日目かに名画が現れる…!大きな達成感が味わえます。
\編集部おすすめ/
『ディズニー なぞり描きで世界旅行塗り絵』 (JTBパブリッシング)
©Disney
<おすすめPoint>
世界中を旅するディズニーキャラクターをモチーフにしたこちらの本。『リメンバー・ミー』『アナと雪の女王』など、ディズニーのかわいい世界観を楽しむことができます!3ページでひとつの作品ができあがる構成で、できあがったら写真を撮ってSNSにアップしてみるのも楽しいです!
水彩スケッチを専門としているため、最初はぬりえに興味がなかったという関本さん。250色の色鉛筆を手にしたことをきっかけに、塗っているだけで楽しい!と感じたそう。
「楽しむことが一番。まずは好きなものから、好きなように塗ってみてください。技術がなくても気持ちを込めれば、自分の塗った絵が愛おしく感じられますよ」。
一度始めれば、きっと色を塗る感覚に魅了されるはずです。おうち時間の過ごし方として、ぜひ挑戦してみてくださいね。
- 【監修者プロフィール】
-
関本紀美子
-
スケッチ講師。ペンと透明水彩でスケッチ作品を制作。実物を見て現場で描くスタイル。
ホームページ:カラフルスケッチ関本紀美子
著書:「手帳スケッチ〜出会ったモノ・ヒト・コトを絵で残すコツ」(SBクリエイティブ)、「おとなのスケッチ塗り絵〜世界で一番美しい街・愛らしい村〜フランス編〜」(MdN コーポレーション)
Text :谷口翔子(vivace)
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更などが発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。