北野天満宮の花手水は美しいだけではなく、ストーリーも壮大!
京都の緊急事態宣言が解かれて、そろそろひと月。とはいえ、あまり大っぴらに出歩くのはまだ憚られますよね。そんな中、学問の神様で有名な京都の北野天満宮では、手水鉢に珍しいお花をあしらった花手水が、静かにおこなわれています。
Summary
およそ1週間ごとに入れ替わる美しい花手水
菅原道真公をお祀りし、「天神さん」と呼ばれる北野天満宮。謎に満ちた彫刻が残る三光門、神社建築の歴史を伝える社殿などみどころの多い境内の一隅に備えられた手水鉢(ちょうずばち)。参拝前に、合わせる手を清める水を貯めた鉢が、いま美しい花々で飾られています。
最近では、訪れる人の目を楽しませるために鉢に花を並べることを花手水(はなてみず)と呼んでいますが、もともとは草の葉についた露で手を清めたことを由来とするそう。
ともあれ、北野天満宮の花手水の美しいこと。この日の花手水は北野天満宮に伝わる宝物、北野天神縁起絵巻(きたのてんじんえんぎえまき)の有名な1シーンを生花で再現したものだそうです。
それは、菅原道真が太宰府に左遷され、非業の死を遂げた後に都で起こった宮中への突然の落雷。ダークトーンのふわふわしたスモークツリーの花は雨雲を、黄色い蘭は稲光を表しています。
天神縁起の内容を知ってから見ると、花手水から違った景色が見えてくるから不思議なものです。
厄年の人は、注目したい厄除割符
今年はコロナ禍で、地球上のすべての人が厄年なのでは?という気分になりますが、本当に厄年の人はとくに気になりますよね。そこで注目なのが厄除割符(やくよけわりふ)。
割符の右半分(本厄除、前厄除などと書かれている方)に自分の名前を記入して、割符を割り、名前を書いた方を奉納、左半分をお守りとして持ち帰ります。
少しずつ動きだした京都の街、3密を避けて北野天満宮の清々しく広々とした境内を散歩してみませんか?
■北野天満宮 花手水
所在地:京都府京都市上京区馬喰町 北野天満宮社務所
実施期間:2020年6月1日(月)〜30日(火)
TEL: 075-461-0005
受付時間:9〜17時
拝観料:境内自由
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更、消費税率変更に伴う金額の改定などが発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
Text : 小西尋子