京都で見つけた!秘密の小径の奥に広がる緑の庭園パティスリーカフェ
オフィスが立ち並ぶ烏丸御池の大通りから1本北へ上がった押小路通は、昔ながらの古民家の点在する片道一方通行。その押小路通沿いの建物と建物の隙間に、控えめな看板を掲げるのが「Patisserie Salon de the m.s.h(パティスリー サロン ド テ エムエスアッシュ)」です。特別感のあるエントランスの奥で待ち構える光と緑にあふれる庭園と宝石のようなケーキたちをご紹介します。
人ひとりがやっと通れるほどの細い小径の奥にある緑の庭園カフェ
地下鉄烏丸御池駅があり、片道三車線の道路に車が行き交う御池通を北に一筋上がると、景色は一気に人通りもまばらな静かな街並みに変わります。
京町家や古民家も残る押小路通りを烏丸通りから東に向かって歩くと、建物と建物の間に控えめな看板がかかっているのを発見。こちらが目指すお店「エムエスアッシュ」です。
人一人が通るのがやっとの小径の奥に、ちらりと確認できるお店の扉。穴場的なこの場所をスマートに案内できると、かなり京都通っぽいのでは?
扉を開けると、ショーケースのガラスの向こうにきらめきを放ちながら並ぶ季節のケーキたち。ここでケーキを選んでカフェで注文します。もちろんテイクアウトも。
入ってきたドアとは別のドアを開けて外へ。エントランスの狭さから想像できない、ぽかりと抜けた緑の空間が顔を出します。天気の良い日は、このオープンエアでお茶をするととても気持ちがいいです。
一度外へ出て、もう一つの扉からカフェへ。古都ならではの狭小地を生かした建築設計も、創意と遊び心にあふれています。
ショーケースに並ぶ宝石のようなケーキたち
ショーケースには、定番や季節の味など15種類前後が少しずつ。シェフの岸岡満さんは営業時間中もずっとボウルを片手にケーキを焼き続け、いつも作りたてに近い状態を提供してくれます。
育ちのよいケーキたち。左からタルトショコラ、ガトーフレーズ、モンブラン。素材たちの食感の組み合わせ、食べた後に残る余韻を大事にしている岸岡シェフのケーキは、あともう1つ食べたくなるやさしい味わい。
京都御所の緑を借景に、豊かな時間
緑の庭から差し込むやわらかな光の中で、食器の触れ合う音、談笑するお客さんたちの声がBGM。心地のよいティータイムが過ごせます。
ケーキの美しさに目を奪われがちですが、『エムエスアッシュ』は焼き菓子のクォリティーにも定評があり、手みやげにすると大層喜ばれます。
あまり知られていませんが、イートインで食べられますし、お取り寄せもできるのです。自由に組み合わせて注文できるので、すぐに出掛けるのが難しい方は、お取り寄せしておうちカフェを楽しんでみては?
季節ごとに訪れたくなる、とっておきの穴場カフェ。御池通を挟んで北側のエリアは数こそ多くないですが、見つけるとパッと気分が高揚するようなステキなお店が点在しています。2度目、3度目の京都なら、散歩コースに加えてみてはいかがでしょうか。
Photo:瀬田川勝弘
text:小西尋子
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