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谷根千散歩のひと休みに。銭湯跡地をリノベしたカフェ「MATCHA & ESPRESSO MIYANO-YU」で過ごすノスタルジックなひととき

谷根千散歩のひと休みに。銭湯跡地をリノベしたカフェ「MATCHA & ESPRESSO MIYANO-YU」で過ごすノスタルジックなひととき

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東京・根津の路地裏にたたずむ「MATCHA & ESPRESSO MIYANO-YU(まっちゃ あんど えすぷれっそ みやのゆ)」は、1951年開業で2008年に閉店した歴史ある銭湯「宮の湯」をリノベーションした、ユニークなカフェ。レトロなタイルなど銭湯の面影はそのままに、自家焙煎のコーヒーや有機抹茶を使ったドリンクを味わいながら、ノスタルジックで特別なひとときを過ごせる場所です。

summary

銭湯のぬくもりをそのままにした癒やしの空間

「MATCHA & ESPRESSO MIYANO-YU(まっちゃ あんど えすぷれっそ みやのゆ)」は、風情ある路地裏にひっそりとたたずむカフェ。東京メトロ千代田線根津駅1番出口から徒歩約5分の、根津神社にほど近くどこか懐かしい雰囲気が漂う路地の一角にあります。大通りから細い路地へ入り、人気のパン屋「根津のパン(ねづのぱん)」を通り過ぎた先に、目印となる銭湯の煙突が見えてきます。

「MATCHA & ESPRESSO MIYANO-YU」があるのは、「SENTO(せんと)ビル」。かつて1951年から2008年までの間、銭湯として地域に親しまれていた「宮の湯」をリノベーションして誕生した複合施設で、地元の人々はもちろん、観光客や感度の高い若者たちの間でもじわじわと人気を集めています。大きな煙突やレトロな下駄箱、タイル張りの床など、銭湯時代の趣を残しながら、現在はカフェやギャラリー、ショップが集まる新たな文化の発信地として注目されています。今回訪れる「MATCHA & ESPRESSO MIYANO-YU」は、1階にあります。

お店の入り口には、「宮の湯」時代の瓦が置かれている
お店の入口には、「宮の湯」時代の瓦が置かれている

入口の扉を開けると目に飛び込んできたのは、かつて「宮の湯」で使われていた木製の下駄箱。入った瞬間、思わず「ここは銭湯?」と錯覚してしまうほど、昔ながらの風情が残されています。この下駄箱は現在では展示スペースとしても活用され、小さなオブジェが飾られています。

カウンターにて飲み物をオーダーすると引き換え札として手渡されるのは、下駄箱の鍵。建物そのものの歴史だけでなく、こうした細かな部分にまで銭湯の記憶を大切に継承しているのが、このカフェの魅力の一つです。

木製の鍵が風情ある
風情ある木製の鍵
受付横ではオリジナルグッズも販売されている
受付横ではオリジナルグッズも販売されている

カフェスペースで楽しめるのは、ドリンクメニューが中心です。フードメニューは基本的にありませんが、ちょっとしたおやつやクッキーなどの軽いスナックが販売されており、ドリンクと一緒に気軽に味わうことができます。

カフェスペースに入る手前の小上がりは、「宮の湯」時代に従業員が小休憩に使っていたスペース。現在は座席として開放されており、当時の面影を残しつつも、居心地のよいゆったりとくつろげる場所となっています。

レトロなタイルに、蛇口。萌えポイントたくさん!

白壁の向かい側にはプロジェクターがあり映像を写せる
白壁の向かい側にはプロジェクターがあり映像を写せる

早速、カフェスペースへ。ここは「宮の湯」時代、洗い場だった場所です。中に入って驚くのは、その空間がほぼ当時の銭湯のまま残されていること。57年間営業していた「宮の湯」の趣が保たれています。

カフェになる前は展示スペースとして使われていたため壁は白く塗られていますが、「宮の湯」時代には、ヤシの木の絵が描かれていたとか。銭湯の壁画といえば富士山ですが、あえてヤシの木が描かれていたというのがなんともユニークです。ちなみに天井は、レインボーカラーに彩られた独特の内装だったそうです。

そしてなんといっても目を引くのが、カフェスペースに入って右手にあるカウンターのタイル。美しく保たれているのでリノベーション後に新しくデザインしたのかと思いきや、なんと「宮の湯」時代からのタイルが残されているのだとか。魚や鳥のモチーフがアクセントとなった珍しいデザインで、現在では作ることが難しいそうです。

ぐるりと見回すだけで、昭和の銭湯らしいディテールが随所に息づいているのが感じられます。高くそびえる天井からは柔らかな自然光が降り注ぎ、古さのなかにどこか新しさを感じさせる、洗練された空間が広がっています。

もともと湯船だった場所は畳を敷いて小上がりになっている
もともと湯船だった場所は畳を敷いて小上がりになっている
バーカウンターもある
バーカウンターもある

奥へ進むと、かつて脱衣場だったスペースにも座席が設けられています。写真の右側に見えるのは、「宮の湯」時代に脱衣所で実際に使われていた体重計。そのままの姿で残されていますが、さすがに今は動かなくなってしまったそうです。

蛇口は「宮の湯」時代のまま
蛇口は「宮の湯」時代のまま
鏡を引き抜いた跡もみられる
鏡を引き抜いた跡も見られる

当時のものは大部分が残っていますが、やはり経年による劣化や破損も一部見られます。しかし、それもまたこの場所の歴史を感じられるポイントの一つ。「ここで人々が交流していたんだな」と「宮の湯」時代に思いをはせて……。

随所に見られるタイルのセンスに脱帽
随所に見られるタイルのセンスに脱帽
細かい部分のタイルの柄や配色が絶妙
細かい部分のタイルの柄や配色が絶妙
隠しカニのタイル。こんなところにも南国テイストが光る
隠しカニのタイル。こんなところにも南国テイストが光る
「宮の湯」時代に使われていた温度・湿度計も
「宮の湯」時代に使われていた温度・湿度計も
脱衣所スペースに置かれている焙煎機
脱衣所スペースに置かれている焙煎機

カフェで出されるこだわりのコーヒーは、店内で焙煎されています。「MATCHA & ESPRESSO MIYANO-YU」のこだわりは、ミルクとの相性がよく、ストレートでもおいしく飲めるエスプレッソがメイン。谷根千(やねせん、谷中・根津・千駄木の略)を訪れる外国人にも大好評で、「東京で一番おいしい」といわれることもあるそう。これは、いただくのが楽しみです!

エスプレッソと抹茶が主役。丁寧な一杯が味わえる

ドリンクメニューがとても充実しているのも、「MATCHA & ESPRESSO MIYANO-YU」の魅力の一つ。自家焙煎のエスプレッソや静岡県産の有機栽培抹茶を使ったこだわりの1杯が揃っており、カフェ好きにはたまらないラインナップです。

うれしいのは、隣の「根津のパン」で購入したパンを店内に持ち込めること。昭和の銭湯の雰囲気をそのままにしたノスタルジックな空間で、味わい深いドリンクと焼きたてのパンを一緒に楽しめる、まさにこの場所ならではのぜいたくな過ごし方ができます。

「シェケラート」700円
「シェケラート」700円

人気メニューは、エスプレッソを氷と一緒にシェイカーで振って作る、イタリア発祥の冷たいコーヒードリンク「シェケラート」。しっかりとしたコクと香りのあるキリッと冷えたエスプレッソをシェイクすることで、ふんわりとした泡が立って口当たりはとてもなめらかに。甘さ控えめなので、コーヒーそのものの味をしっかり楽しみたいにおすすめです。

その場でシェイカーから注いでくれる
その場でシェイカーから注いでくれる
「抹茶ハニーレモンソーダ」880円
「抹茶ハニーレモンソーダ」880円

「MATCHA & ESPRESSO MIYANO-YU」のもう一つの人気メニューが、さわやかでユニークな「抹茶ハニーレモンソーダ」。抹茶にこだわり、静岡県産の有機栽培の希少な抹茶「おくみどり」を使用。抹茶のほどよい苦みと深みをベースに、ハチミツのやさしい甘さとレモンのさっぱりとした酸味が重なります。

見た目にも美しく、グリーンとレモンのコントラストが涼やか。鮮やかな色味も、銭湯のちょっとレトロな雰囲気とマッチします。

「MATCHA & ESPRESSO MIYANO-YU」では元銭湯というユニークな空間を生かした、ほかではなかなか撮れない「映え写真」が撮れるのも大きな魅力です。タイル張りの壁や木製の下駄箱、高い天井に差し込む自然光など、どこを切り取っても絵になる空間が広がっています。場所ごとに雰囲気が異なるので、訪れるたびに新しい構図を発見できるのも楽しいですよ。

銭湯の記憶を大切に残しながら、現代の感性で丁寧に作り上げられた空間が広がる「MATCHA & ESPRESSO MIYANO-YU」。お気に入りのドリンクを片手に、ノスタルジックな空間で過ごすひとときをぜひ味わいに来ては?

■MATCHA&ESPRESSO MIYANO-YU
(まっちゃ あんど えすぷれっそ みやのゆ)

住所:東京都文京区根津2-19-8 SENTOビル1C
TEL:03-6882-9205
営業時間:11時30分~18時30分(土・日曜は10時~) 
定休日:不定休


Text:松崎愛香
Photo:yoko

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。


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