ハーブの香りに癒される!新潟・十日町市 香りで旅する週末ショートトリップへ
るるぶ&more.編集長のホリエです。今回は、新潟県十日町市で体験できるハーブの香りいっぱいの旅をご紹介します。十日町市といえば、アート好きの方なら、3年に一度開催されるアートの祭典「大地の芸術祭」を思い浮かべるかもしれません。そんなアートで有名な地域の新しい旅のスタイル、ハーブの香りに癒されるショートトリップにでかけてみませんか。
Summary
香りで旅する1泊2日
今回の旅のテーマは“香りで旅する!”です。ハーブやアロマが好きな方にぜひおすすめしたい1泊2日の旅。自然がいっぱいの環境に身をおいて、やさしいハーブの香りに身をゆだねていると、日常のストレスからも解放されて、身も心もふわっと軽くなってきます。首都圏からなら、電車で約2時間半。気軽な週末のショートトリップにもちょうどいいですよね。それでは香りの旅の始まりです!
【DAY1】一面に広がるハーブ畑。ホーリーバジルの収穫体験
上越新幹線・越後湯沢駅からJR上越線と北越急行ほくほく線に乗り継いで約45分でまつだい駅へ到着。そして、まつだい駅から車で約20分で、紫のお花が一面に広がるホーリーバジル畑へ到着です。畑が近づくにつれて、すっきりとした優しい香りが漂ってきました。癒し効果バツグンです!
ホーリーバジルとは、バジルの一種でシソ科メボウキ科に分類される薬草です。インド最古の伝統医学「アユールヴェーダ」でも万能のハーブとして用いられ、ヒンディー語ではトゥルーシーと呼ばれています。煮出してハーブティーとしていただいたり、タイ料理では豚肉や鶏肉と一緒に炒め、ガパオライスとしてもよく使われています。
埼玉県出身で新潟県十日町市の松之山地域に移住し、ホーリーバジルの栽培・販売を行っている「まつのやま茶倉」の嶋村彰さん。無農薬・無化学肥料、そしてすべて手摘みという嶋村さんのホーリーバジル畑で、収穫体験をさせていただきました。
嶋村さんから、ホーリーバジルの特徴や栽培方法、摘み方のレクチャーを受けながら、一本一本丁寧に摘んでいきます。嶋村さんのホーリーバジルに向けるまなざしがなんとも優しい。私もそよ風が吹く度に優しく香るホーリーバジルに囲まれていると、言葉には言い表せないほどの幸福感を味わうことができました。
ホーリーバジルを乾燥する作業を加工所で見せていただきました。葉と茎をよく洗い、水分を取った後、太陽の陽をたっぷり浴びて、乾燥させます。すべてが手作業。とても大切に扱われたホーリーバジルにぎゅっと香りが凝縮されます。
■まつのやま茶倉
住所:新潟県十日町市松之山黒倉1150
TEL:090-9740-7625(営業日や時間については要問合せ)
https://www.mother-cakra.com/
【DAY1】泊まれるレストラン「醸す森」にステイ
宿泊は松之山温泉「酒の宿 玉城屋」のカジュアルライン「醸す森」(かもすもり)へ。
緑豊かな森の中に立つ気軽なバル&ホステルです。“あなたを醸す”をコンセプトにしたこちらのお部屋はとてもシンプル。テレビもありません。のんびりと過ごしていると余計な設備は一切必要ないことに自然と気づきます。だって、朝は鳥のさえずり、昼は森の木の葉が風に揺れる音、そして夜には満天の星空を楽しむことができるのです。
エントランスを抜けると、大きな窓の向こうにどこまでも広がる森と木のぬくもりが特徴的なダイニング「醸す森バル」があり、地元野菜をたっぷり使ったカジュアルフレンチをいただくことができます。お料理に合わせるワインや日本酒の品揃えも豊富なので、ぜひお料理とのマリアージュを楽しむのがおすすめ。
日本酒は、酒質設計から手掛けた“kamosu mori”をはじめ、厳選した銘酒が揃います。新潟の地酒をフレンチに合わせるのもまた素敵です。
今回いただいたのは、まつのやま茶倉と醸す森の特別コラボディナーコースです。食材の地産地消にこだわったお料理を楽しむことができます。季節野菜のサラダには、ホーリーバジルがふんだんに使われているので、ふわっと漂うハーブの香りに食欲が進みます。
今日のメインは新潟県を代表するブランド鶏「越の鶏」のコンフィ。臭みがなくヘルシーなのが特徴の鶏肉です。パリパリの皮にナイフを入れるとじゅわっと肉汁があふれます。
デザートは「ホーリーバジルのブラマンジェ」。コースの最後までホーリーバジルを楽しめます。煮出したホーリーバジルのほどよい苦みと甘酸っぱいブルーベリーソースがベストマッチ。
■BAR&HOSTEL 醸す森[kamosu mori]
住所:新潟県十日町市松之山黒倉1879-4
TEL:025-596-2200
IN15:00/OUT10:00
【醸すの森バル】
営業時間:ランチ11:30~14:00(L.O.13:30)※土曜、日曜、祝日のみ
ディナー:16:00~18:00(ハッピーアワー)、18:00~21:00(L.O20:00/ドリンクL.O.20:30)
定休日:月曜・火曜
アクセス:北越急行ほくほく線まつだい駅から車で約20分
【DAY2】フレッシュな空気がここちよい早朝のおさんぽへ
ぐっすり眠って気持ちよく目覚めた朝は、いつもよりちょっと早起き。ひんやりとフレッシュな空気がとても気持ちいい!ホーリーバジル収穫体験でお世話になった嶋村さんが木や花の説明をしながら案内してくれました。
地元のお母さんが作る和の朝食
約1時間の早朝さんぽのあとは、朝食タイム。昨晩のフレンチディナーとはまた趣向の異なる、和の朝食をいただきます。地元のお母さんたちが作る朝食のおかずがずらっと並びます。醸す森の地下で作られている手作り味噌を使ったお味噌汁とさすが新潟!地元黒倉のコシヒカリの白米がとってもおいしい。
【DAY2】まさにオーガニックコスメ!ミツロウクリームづくり体験
醸す森での心落ち着くステイを楽しんだ後は、「やぶこざきキャンプ場」へ向かい、ミツロウクリーム作りと森散策を楽しみます。
やぶこざきキャンプ場は、できるだけ余計な整備はせず、ありのままの自然を楽しむことができる場所を意識しているそうで、森の散策や生きもの観察、冬はスノーシューなど里山の体験メニューが充実しています。ちなみに「やぶこざき」とは”ヤブをかき分ける“という意味だそう。
今回私が体験したのは、ミツロウクリーム作り。まさに自分でつくるオーガニックコスメです。作り方はとてもシンプルで、ミツバチの分泌物であるミツロウにホホバオイルを加え、火にかけてゆっくりと溶かしかき混ぜて、最後にお好みのエッセンシャルオイルで香り付けをします。
希少な二ホンミツバチのミツロウは花粉の色で黄色をしています。火にかけてゆっくりと溶かした後は、ぐるぐるとオイルと分離しないようにかき混ぜていきます。大自然に囲まれた空間で、無心になってかき混ぜているとなんとも言えないのんびりとした時間が流れていきます。
最後にエッセンシャルそっと注ぎます。今回私が選んだのはすっきり清涼感のあるハッカのオイル。ちょっと凝りが気になる箇所になじませるといいかも…。
クリームが固まるのを待つ間、スタッフの方にご案内いただき、やぶこざきキャンプ場を囲む森を探検しました!そこで出会ったのが「黒文字」(くろもじ)という木。黒文字って、確かお茶席で和菓子をいただくときに使う楊枝ですよね!? あれってこんな木だったんだ!と感動。
「黒文字」とはクスノキ科の落葉低木で、枝をお茶席などで高級な楊枝として使用します。この黒文字の枝、割るととってもいい香りがします。上品なウッド系の和の香りは、ずっと楽しんでいたいほどにお気に入りの香りとなりました。
お茶としても楽しめる黒文字。葉っぱや枝を煮だしていただきます。ひとくち口に含むとふわっと森の香りが漂うやさしいまろやかな和製のハーブティー。緑になったり、ピンク色になったり…枝、葉、茎、黒文字のどの部分を煮出すかでそれぞれ色や風味が異なるのも、実験気分で楽しいティータイムでした。
■やぶこざきキャンプ場
住所:新潟県十日町市蓬平829
TEL:090-2403-7914
営業時間:9:00~12:00
定休日:不定休
アクセス:北越急行ほくほく線まつだい駅から車で約10分
シンプルがおいしい!おにぎりランチ
旅のしめくくりはまつだい駅すぐそばの「越後まつだい里山食堂」でおにぎりランチを。一面ガラス張りで光が差し込む店内でいただく、シンプルなコシヒカリのおにぎりはまさに絶品。お野菜たっぷりのお味噌汁も身体にしみわたります。
■まつだい農舞台・里山食堂
住所:新潟県十日町市松代3743-1 まつだい「農舞台」内
電話:025-594-7181
営業時間:10:00~17:00(L.O.16:30)※ランチ11:00~14:00
定休日:水曜
今回の“香りで楽しむ”週末ショートトリップ。こんなに五感で楽しむことができる旅は初めてでした。心や身体がほっと落ち着いて癒されたのは、大自然や地元野菜を使ったお料理、そしてアロマの力。そして、シンプルであることの美しさをあらためて感じる旅となりました。
【今回体験した旅はコチラ!】
「一日一組限定 心の豊かさに触れる旅~十日町で体感するニューラグジュアリー<秋> ~」
十日町観光協会(https://www.tokamachishikankou.jp/tourinfo/45499/)
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