京都らしさ満喫! “目の前、つくりたての上生菓子”がいただける茶寮オープン

京都らしさ満喫! “目の前、つくりたての上生菓子”がいただける茶寮オープン

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由緒をたどると江戸時代後期にまで遡る『千本玉壽軒』。伝承の技や味は守りつつ、現代のニーズも取り入れて柔軟に変化しつづける老舗京菓子店が、2020年10月に初めてオープンした茶寮が、京菓子の技術を目の前で披露し、提供するお店『茶寮SENTAMA』。なんといっても、つくりたての和菓子のしっとり感が最高です。さっそく体験しに行ってきました。

Summary


京都さんぽも楽しい、西陣エリアでできたての上生菓子を

2020年10月にオープンした『茶寮SENTAMA』。創業慶応元年(1865年)創業の菓子匠「本家玉壽軒」から暖簾分けし、この地で創業した『千本玉壽軒』の茶寮です。ご近所さんから親しみを込めて呼ばれてきた「せんたまさん」の愛称が、新店の名前になりました。

店のある西陣エリアでは、少し路地に入り込めばいまも伝統工芸、西陣織の織機の音が聞こえてきます。観光名所というわけではありませんが、「岩上神社」のあたりの街並は風情があるので、行き帰りに散策してみても面白いかも。さて、茶寮へは靴を脱いでお二階へあがります。

店内はシンプルですが、カウンターに立つ職人さんが、どの席に座っているお客さんも見渡せる造りになっています。

畳の心地よさと椅子の便利さを折衷したお座敷。

この日、店に立つのは三代目当主の元島さん。文具好きに有名な京文具の店「裏具」とコラボした干菓子をつくったり、フォトジェニックなカフェとしてSNSでも話題の「knot cafe」にオリジナルメニューを提供したりと、和菓子の世界に新しい風を吹き込んでいるユニークな感性の持ち主です。

自身では初となるイートインできるお店『茶寮SENTAMA』では、茶道の世界ではおなじみでも、日々のおやつとしては親しみの薄い上生菓子を、「作る過程から見せることで、もっと身近に感じてもらいたい」と、生菓子をその場で作って提供。

街路樹が色づきはじめたこの時季の生菓子は、「錦秋」。まず手に取るのは、濃淡の橙色に染めた白あんです。備中の白小豆と手亡(てぼう)豆をあわせて、ほどよいやわらかさに炊き上げてあります。

リズミカルに、馬毛の、微塵目のうらごしに押し当て、まるで錦絵のように色鮮やかなそぼろをつくります。

繊細なそぼろを、芯になるつぶあんにそっとなじませるように形づくっていくと、生菓子「錦秋」のできあがり。四季折々の京都を表現したお菓子がいただけるのは上生菓子の魅力です。

「見ていると、自分でもやってみたくなりますね~」と声をかけると、「そのうちに1日体験も始めたいと考えているんです」と元島さん。お客様からの作ってみたいとの声も多いそうで、職人指導のもと和菓子作り体験できる日がくるのも、そう先のことではなさそう。

合わせてお抹茶を注文。菓子の勉強とともに茶道も20年以上続けられているそうで、お点前を見せていただけます。

抹茶(祇園辻利)600円、煎茶(一保堂茶舗)600円、ほうじ茶(一保堂茶舗)500円 ※お菓子とセットで100円値引きに
抹茶(祇園辻利)600円、煎茶(一保堂茶舗)600円、ほうじ茶(一保堂茶舗)500円 ※お菓子とセットで100円値引きに

抹茶は祇園辻利の御薄茶「長久の白」を使用。ぷっくりと盛り上がった泡の、このきめ細かさ。さすがのお点前で、細かい泡がなかなか消えません。お菓子と合わせるドリンクは抹茶のほかに、「一保堂茶舗」のほうじ茶と煎茶もあります。ほうじ茶か煎茶を選ぶと2杯までおかわりができますよ。

菓銘 錦秋(きんとん 粒あん)600円
菓銘 錦秋(きんとん 粒あん)600円

生菓子のおまけに添えられた干菓子は、銀閣寺のお茶席で出されているものと同じ味。口に含んだ途端、芳醇なきなこの風味が広がり、とても贅沢な味わいです。

手焼きの最中種にはさんで仕上げる、かわいい最中

最中3種盛り 700円
最中3種盛り 700円

SNSで見て、気になっていたのが「最中3種盛」。木のスプーンの上に粒あん+白玉、こしあん、さつまいもあんの3種類のあんこが用意されています。

「先々代から手焼きの最中種を使っているのですが、だんだん手焼きしはるところが少なくなって、ようやく見つけたところに焼いてもらっています」とご主人。薄いのにみっちりとした感触、噛むと香ばしさが口のなかに広がります。

あんを最中種の上にぽんっと置いて、上から蓋をしてそっと押さえると食べやすい手作り最中のできあがり。しっとりと艶やかな小豆は、丹波大納言を使用。昔の最中を再現したつぶあんの中には、もっちりした白玉入り。和菓子店の底力を感じさせる非常になめらかなこしあん、芋の自然の甘さが上品なさつまいもあん。それぞれに個性があって、食べ応えがあります。

これは絶品、予約必須のお取り寄せ菓子

丹の幸 1カット400円
丹の幸 1カット400円

目の前でつくられる生菓子の美味しさを知ったら、みんなにシェアしたくなってきますよね。そんなときにオススメなのが、新商品の「丹の幸」。関西ではお祝いごとに使うため“上用饅頭”とも呼ばれる薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)の皮の部分を生地にして、パウンドケーキのような形で焼き上げた創作和菓子です。

丹の幸 1本(箱入り)2000円
丹の幸 1本(箱入り)2000円

茶寮のメニューとしても提供されていますが、要予約でお持ち帰りやお取り寄せもできます。丹波大納言や丹波の黒豆、栗を入れた贅沢な逸品。手間がかかり、多くは作っていないので予約注文が必須です。家に持ち帰ったら、8~10mm程度にスライスして、トースターやオーブンで表面に焦げ目をつけてみて。生地がほんのり温まり、最高のお茶請けになりますよ。

ただでさえ美味しい老舗の生菓子を、職人の手さばきまで見せてもらいつつ、できたてを食べられる『茶寮SENTAMA』。京都好き、和菓子好きの人には足を運んでみてもらいたいスポットです。

Photo:瀬田川勝弘
text:小西尋子


●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更、消費税率変更に伴う金額の改定などが発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。


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