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青森アート旅2024! 美術館&アートセンター5館のみどころから最新情報まで

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世界遺産に登録されている白神山地をはじめ、奥入瀬渓流や弘前城などの観光地が有名な青森県。県ゆかりの芸術家の作品を展示した美術館をはじめ、ユニークな美術館もたくさんあります。今回ご紹介する5つの美術館&アートセンターでは、連携プロジェクト「AOMORI GOKAN アートフェス 2024」も開催中。今度のおでかけはゆっくりとアートを楽しんでみてはいかがでしょうか。

Summary

個性的なアートの世界を楽しめる/青森県立美術館

(C)青森県立美術館

約5400点のコレクションを持つ県内屈指の美術館で、青森県出身のアーティストの作品を数多く鑑賞できます。遺跡の発掘現場を思わせるトレンチ(壕)に白い箱が落ちてきたような独創的な建物は、隣接する「三内丸山遺跡」から着想を得ており、その空間もみどころのひとつです。

あおもり犬(奈良美智)
奈良美智《あおもり犬》©Yoshitomo Nara

弘前市出身の現代美術家・奈良美智(ならよしとも)氏の作品は170点あまりを収蔵しているのも注目ポイント。なかでも横幅約6.7mの巨大な立体作品『あおもり犬』は、美術館のシンボルとして人気を集めています。屋外空間に展示されており、近くで鑑賞することができます。

奈良美智 ≪Miss Forest / 森の子≫ 2016年
奈良美智 ≪Miss Forest / 森の子≫ 2016年/Photo ©Yuki Morishima(D-CORD) Artwork ©Yoshitomo Nara

美術館南側にはもう1点、奈良美智氏による高さ約6mの立体作品『Miss Forest / 森の子』 があります。こちらは八角堂とよばれる八角形のれんがでできた建造物の中に展示されていて、どこか神秘的な雰囲気が感じられます。

棟方志功《花矢の柵》1961年
棟方志功《花矢の柵》1961年

青森県出身の棟方志功氏の作品も多数収蔵しています。『花矢の柵』は、アイヌ民族が儀式の際に放つ花矢を女神が手にする様子を描いた作品。郷土の発展を願い、北から南へ文化を発信する意図で制作されました。

成田亨《ウルトラマン》1966年©Narita/TPC
成田亨《ウルトラマン》1966年©Narita/TPC

ウルトラマンシリーズや特撮もののヒーロー、怪獣などをデザインしたデザイナー・彫刻家の成田亨(なりたとおる)氏も青森県出身。初代ウルトラマンのデザインの原型となった、貴重な原画『ウルトラマン』も観ることができます。

レンブラント・ファン・レイン《説教するキリスト》1652年
レンブラント・ファン・レイン《説教するキリスト》1652年

青森ゆかりの作家のほか、レンブラント『説教するキリスト』をはじめ、クレー、カンディンスキー、マティスといった海外の著名な作家の作品も所蔵しています。なかでもシャガールによるバレエ『アレコ』の背景画を展示したホールは必見です。

地元食材を使ったメニューやが味わえるレストランや、豊富なグッズやオリジナルアイテムが揃うショップにも足を運んでみましょう。

●展覧会情報
『鴻池朋子展 メディシン・インフラ』  2024年7月13日(土)~9月29日(日)
『コレクション展2024-1』2024年11月5日(火)~2025年2月16日(日)
『ジブリパークとジブリ展』2024年11月13日(水)~2025年2月9日(日)ほか

■青森県立美術館(あおもりけんりつびじゅつかん)
住所:青森県青森市保田字近野185
TEL:017-783-3000
営業時間:9時30分〜17時(最終入館は16時30分)
定休日:第2・4月曜(祝日の場合は翌日、企画展開催、展示替え等により変動の場合あり)
料金:一般900円、高校・大学生500円、小・中学生100円
駐車場:400台

現代アートの宝庫!/十和田市現代美術館

撮影:小山田邦哉 
撮影:小山田邦哉 

国内外37組の作家による42点の作品を常設展示。大きな特徴は、作品それぞれがこの美術館のために制作されており、設計段階から館内の空間全体を使って表現した作品が多いことです。設計を手がけたのは、日本を代表する建築家・西沢立衛(にしざわりゅうえ)氏。作品は巨大な女性像であったり、外観を照らす照明であったりと楽しいものばかり。「官庁街通りという野外空間を舞台に、通り全体を美術館に」という計画をもとに、草間彌生(くさまやよい)作品などが美術館周辺のアート広場や官庁街通りにも設置されています。

チェ・ジョンファ《フラワー・ホース》2008年
チェ・ジョンファ《フラワー・ホース》2008年 /撮影:小山田邦哉

美術館入口にあるシンボル的な彫刻『フラワー・ホース』。高さ約5.5mの作品は、十和田市の希望に満ちた未来を、花々と馬の躍動感によって表現しています。

ロン・ミュエク《スタンディング・ウーマン》2007年
ロン・ミュエク《スタンディング・ウーマン》2007年/撮影:小山田邦哉 Courtesy Anthony d'Offay, London

高さ約4mもの女性の像『スタンディング・ウーマン』は、迫力の存在感。憂いの表情で見下ろす巨大な像に圧倒されます。髪やシワなど、細部まで細かく表現されているので、じっくり見てみましょう。

奈良美智《夜露死苦ガール2012》2012年
奈良美智《夜露死苦ガール2012》2012年/撮影:小山田邦哉

美術館の側面に描かれた『夜露死苦ガール』は、奈良美智氏の個展に合わせて設置された作品。ユーモラスな作品ですが、ちょっぴり哀しそうにも怒っているようにも見え、鑑賞する人によって違った印象を受けるもの魅力です。
常設展有料エリアでも写真撮影ができるので、フラッシュ、三脚、自撮り棒の使用といった禁止事項に注意して撮影を楽しみましょう。

撮影:冨田了平
撮影:冨田了平

2024年11月17日まで開催の「野良になる」展示風景 2024年(十和田市現代美術館、青森)。

●展覧会情報
『野良になる』2024年4月13日(土)〜11月17日(日)
『尾角典子 #拡散』2024年7月6日(土)〜9月8日(日)
『堀内悠希展』2024年9月21日(土)〜12月15日(日)
『谷中佑輔展』2024年12月7日(土)〜2025年3月23日(日)ほか

モダン建築は弘前の新ランドマーク/弘前れんが倉庫美術館

(C)Naoya Hatakeyama
©Naoya Hatakeyama

明治・大正期に建設された酒造工場「吉野町煉瓦倉庫」を改修した建物が特徴の美術館。残せるものは可能な限り残し「記憶の継承」と「風景の創生」をコンセプトに、歴史を未来へと繋いでいく芸術文化施設として誕生しました。国内外の先進的なアートを紹介するとともに、東北地域の歴史や文化と向き合う同時代の作品を中心に収集・展示しています。

ジャン=ミシェル・オトニエル《エデンの結び目》2020年
ジャン=ミシェル・オトニエル《エデンの結び目》2020年/Photo: ToLoLo studio

『エデンの結び目』は、フランスの作家ジャン=ミシェル・オトニエルによる大型ガラス彫刻。弘前を訪れた際、リンゴの美しさに感銘を受けて制作したといいます。レンガ造りの建物と見事に調和した作品です。

奈良美智《A to Z Memorial Dog》2007年 ©Yoshitomo Nara Photo: Sho Shibata
奈良美智《A to Z Memorial Dog》2007年 ©Yoshitomo Nara/Photo: Sho Shibata

奈良美智氏の作品『A to Z Memorial Dog』は、この場所で平成18年(2006)に開催された展覧会を支えたボランティアの方々へ感謝の気持ちとして制作され、弘前市に贈られた作品。
また隣接するカフェ・ショップ棟にはシードル工房も併設するほか、美術館オリジナルのグッズをはじめ、地元弘前ならではの商品を販売するショップも楽しめます。

●ガイドツアー・展覧会情報
『建築ガイドツアー』毎週第3土曜
『蜷川実花展 with EiM: 儚くも煌めく境界 Where Humanity Meets Nature』 2024年4月6日(土)~9月1日(日)
『弘前エクスチェンジ#06「白神覗見考」』2024年4月6日(土)~9月1日(日)
『どうやってこの世界に生まれてきたの?』2024年9月27日(金)~2025年3月9日(日)ほか

森の中で野外アートを鑑賞/青森公立大学 国際芸術センター青森

国内外のアーティストによる、国際性豊かな芸術の創作・発信の拠点。展覧会や講座などを開催しています。展示棟、創作棟、宿泊棟の3棟で構成されるセンターの設計は、世界的な建築家・安藤忠雄氏によるもの。周辺の起伏に富んだ地形を壊さないように配慮して建てられました。豊かな森の中に常設展示された野外彫刻などの作品も注目です。

安藤忠雄《四季のアーケード》2001年
安藤忠雄《四季のアーケード》2001年

展示棟へと伸びる100m以上ある小道に設置された『四季のアーケード』。格子状の屋根から降り注ぐ光がとってもきれいです。季節によって表情が一変するのも魅力的です。

青木野枝《雲谷-1》
青木野枝《雲谷-Ⅰ》

緑豊かな敷地内に野外作品が点在しているのも青森公立大学 国際芸術センター青森の特徴。野外彫刻として作られた作品、アーティスト・イン・レジデンスで制作されその後しばらく残っている作品などが混在しています。『雲谷-Ⅰ』は、作家が青森の地で感じた光や影、空気などが重なり合って誕生した作品。
森を散策しながらアートにふれることができるのは、この施設ならではのお楽しみです。

●ガイドツアー・展覧会情報
『市民・スタッフガイドによる「見えない建築ツアー」』毎月第4日曜
『currents / undercurrents -いま、めくるめく流れは出会って』 2024年7月13日(土)〜9月29日(日)ほか

出会いと学びのアートファーム/八戸市美術館

©Daici Ano
©Daici Ano

2021年にリニューアルオープンした美術館で、コンセプトは人とまちを育む「出会いと学びのアートファーム」。これまでの美術品展示が中心の美術館とは異なり、「ひと」が活動する空間を大きく確保することで、「もの」や「こと」を生み出す新しいスタイルの美術館です。約3000点ある収蔵作品は、地元八戸や青森県にゆかりのある作家によるものが中心となっています。

八戸市立湊中学校養護学級生徒《虹の上をとぶ船総集編Ⅱ 星空をペガサスと牛が飛んでいく》1976
八戸市立湊中学校養護学級生徒《虹の上をとぶ船総集編Ⅱ 星空をペガサスと牛が飛んでいく》1976

地元ゆかりの作家作品のほか、昭和30〜50年(1955~1984)代にかけて学校教育の現場で制作された教育版画のコレクションも。こちらの『虹の上をとぶ船総集編Ⅱ 星空をペガサスと牛が飛んでいく』は、八戸市の養護学級で制作された教育版画で、宮崎駿監督の映画『魔女の宅急便』に登場する絵のモデルとなった作品です。

ジャイアントルーム
©Daici Ano

「もの」や「こと」を生み出す活動を支えているのが、巨大な空間「ジャイアント・ルーム」です。可動棚や家具を用いて空間を作り出し、多彩なワークショップやイベントなどに利用されています。

●展覧会情報
『tupera tupera のかおてん.』2024年7月6日(土)〜9月1日(日)
『コレクションラボ008 彩る書』2024年7月13日(土)〜10月28日(月)
『風のなかを飛ぶ種子 青森の教育版画』2024年10月12日(土)~2025年1月13日(月)ほか

■八戸市美術館(はちのへしびじゅつかん)
住所:青森県八戸市番町10-4
TEL:0178-45-8338
営業時間:10〜19時
定休日:火曜(祝日の場合は翌日)
駐車場:障がい者用2台

5館を巡る旅プランは?

5つの美術館&アートセンターによる連携プロジェクトも開催されており、「巡る旅を計画したい!」 と思う人も少なくないはず。美術施設がある青森・十和田・弘前・八戸の各都市間は40分〜1時間30分程度。余裕をもって5施設を巡るなら、2泊3日プランがおすすめです。
<2泊3日プラン>
 1日目:「青森県立美術館」と「青森公立大学 国際芸術センター」へ<青森泊>
 2日目:青森から弘前へ移動、「弘前れんが倉庫美術館」へ<弘前泊>
 3日目:弘前から八戸へ移動、「八戸市美術館」へ。午後は「十和田市現代美術館」へ

青森でアートなドライブ旅を楽しんでみてはいかがですか?

【青森】AOMORI GOKAN アートフェス 2024 「つらなりのはらっぱ」で青森の魅力を再発見

【青森】AOMORI GOKAN アートフェス2024情報はこちらの記事をチェック!


Text:山田美恵

●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。

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