
【2025最新】青森のアートスポットめぐり!|屋外アート・インスタ映えも
世界遺産に登録されている白神山地をはじめ、奥入瀬渓流や弘前城などの観光地が有名な青森県。県ゆかりの芸術家の作品を展示した美術館をはじめ、ユニークな美術館もたくさんあります。今度のおでかけはゆっくりとアートを楽しんでみてはいかがでしょうか。
Summary
個性的なアートの世界を楽しめる/青森県立美術館

約5400点のコレクションを持つ県内屈指の美術館で、青森県出身のアーティストの作品を数多く鑑賞できます。遺跡の発掘現場を思わせるトレンチ(壕)に白い箱が落ちてきたような独創的な建物は、隣接する「三内丸山遺跡」から着想を得ており、その空間もみどころのひとつです。
弘前市出身の現代美術家・奈良美智(ならよしとも)氏の作品は170点あまりを収蔵しているのも注目ポイント。なかでも高さ8.5m、横幅約6.7mの巨大な立体作品『あおもり犬』は、美術館のシンボルとして人気を集めています。屋外空間に展示されており、近くで鑑賞することができます。
美術館南側にはもう1点、奈良美智氏による高さ約6mの立体作品『Miss Forest / 森の子』 があります。こちらは八角堂とよばれる八角形のれんがでできた建造物の中に展示されていて、どこか神秘的な雰囲気が感じられます。
青森県出身の棟方志功氏の作品も多数収蔵しています。『花矢の柵』は、アイヌ民族が儀式の際に放つ花矢を女神が手にする様子を描いた作品。郷土の発展を願い、北から南へ文化を発信する意図で制作されました。
ウルトラマンシリーズや特撮もののヒーロー、怪獣などをデザインした彫刻家・デザイナーの成田亨(なりたとおる)氏も青森県出身。初代ウルトラマンのデザインの原型となった、貴重な原画『ウルトラマン』も観ることができます。
青森ゆかりの作家のほか、レンブラント『説教するキリスト』をはじめ、クレー、カンディンスキー、マティスといった海外の著名な作家の作品も所蔵しています。なかでもシャガールによるバレエ『アレコ』の背景画全4点を展示したアレコホールは必見です。
地元食材を使ったメニューやが味わえるレストランや、豊富なグッズやオリジナルアイテムが揃うショップにも足を運んでみましょう。
●展覧会情報
『佐野ぬい:まだ見ぬ「青」を求めて』 2025年7月19日(土)~10月13日(月曜・祝日)
『コレクション展2025-2』2025年7月19日(土)~ 11月3日(月曜・祝日)ほか
■青森県立美術館(あおもりけんりつびじゅつかん)
住所:青森県青森市保田字近野185
TEL:017-783-3000
営業時間:9時30分〜17時(最終入館は16時30分)
定休日:第2・4月曜(祝日の場合は翌日、企画展開催、展示替え等により変動の場合あり)
料金:一般700円、大学生400円、18歳以下および高校生無料
駐車場:400台
現代アートの宝庫!/十和田市現代美術館
国内外37組の作家による42点の作品を常設展示。大きな特徴は、作品それぞれがこの美術館のために制作されており、設計段階から館内の空間全体を使って表現した作品が多いことです。設計を手がけたのは、日本を代表する建築家・西沢立衛(にしざわりゅうえ)氏。作品は巨大な女性像であったり、外観を照らす照明であったりと楽しいものばかり。「官庁街通りという野外空間を舞台に、通り全体を美術館に」という計画をもとに、草間彌生(くさまやよい)作品などが美術館周辺のアート広場や官庁街通りにも設置されています。
美術館入口にあるシンボル的な彫刻『フラワー・ホース』。高さ約5.5mの作品は、十和田市の希望に満ちた未来を、花々と馬の躍動感によって表現しています。
高さ約4mもの女性の像『スタンディング・ウーマン』は、迫力の存在感。憂いの表情で見下ろす巨大な像に圧倒されます。髪やシワなど、細部まで細かく表現されているので、じっくり見てみましょう。
美術館の側面に描かれた『夜露死苦ガール』は、奈良美智氏の個展に合わせて設置された作品。ユーモラスな作品ですが、ちょっぴり哀しそうにも怒っているようにも見え、鑑賞する人によって違った印象を受けるもの魅力です。
光に包まれた六角形の彫刻作品。トンネルのような機能をもち、内側からも鑑賞できるのでフォトスポットとしても人気です。展示室にはやわらかな音楽が流れていて、気持ちが落ち着きます。
休憩スペースの床もアート作品! 十和田市の伝統工芸品から着想を得た花柄模様が床一面を彩っています。
常設展有料エリアでも写真撮影ができるので、フラッシュ、三脚、自撮り棒の使用といった禁止事項に注意して撮影を楽しみましょう。
●展覧会情報
『エルヴィン・ヴルム 人のかたち』2025年4月12日(土)〜11月16日(日)
『国松希根太 連鎖する息吹』2025年12月13日(土)〜2026年5月10日(日)ほか
モダン建築は弘前の新ランドマーク/弘前れんが倉庫美術館

明治・大正期に建設された煉瓦造りの酒造工場を改修した建物が特徴の美術館。残せるものは可能な限り残し「記憶の継承」と「風景の創生」をコンセプトに、歴史を未来へと繋いでいく芸術文化施設として誕生しました。国内外の先進的なアートを紹介するとともに、東北地域の歴史や文化と向き合う同時代の作品を中心に収集・展示しています。
『エデンの結び目』は、フランスの作家ジャン=ミシェル・オトニエルによる大型ガラス彫刻。弘前を訪れた際、リンゴの美しさに感銘を受けて制作したといいます。レンガ造りの建物と見事に調和した作品です。
奈良美智氏の作品『A to Z Memorial Dog』は、この場所で2000年代に3度にわたって開催された展覧会を支えたボランティアの方々へ感謝の気持ちとして制作され、弘前市に贈られた作品です。
また隣接するカフェ・ショップ棟にはシードル工房も併設するほか、美術館オリジナルのグッズをはじめ、地元弘前ならではの商品を販売するショップも楽しめます。
●展覧会情報
『建築ガイドツアー』毎週第3土曜
開館5周年記念展『ニュー・ユートピア――わたしたちがつくる新しい生態系』2025年4月4日(金)~11月16日(日)
『杉戸洋展(仮)』2025年12月5日(金)〜2026年5月17日(日)
森の中で野外アートを鑑賞/青森公立大学 国際芸術センター青森

国内外のアーティストによる、国際性豊かな芸術の創作・発信の拠点。展覧会やイベントなどを開催しています。展示棟、創作棟、宿泊棟の3棟で構成されるセンターの設計は、世界的な建築家・安藤忠雄氏によるもの。周辺の起伏に富んだ地形を壊さないように配慮して建てられました。豊かな森の中に常設展示された野外彫刻などの作品も注目です。
展示棟へと伸びる100m以上ある小道に設置された《四季のアーケード》。格子状の屋根から降り注ぐ光がとってもきれいです。季節によって表情が一変するのも魅力的です。
緑豊かな敷地内に野外作品が点在しているのも青森公立大学 国際芸術センター青森の特徴。野外彫刻として作られた作品、アーティスト・イン・レジデンスで制作されその後しばらく残っている作品などが混在しています。《作られた自然》は、自然と同化した古い塚のような姿であり、人間と自然の長い歴史とその末の調和のあり方を考えさせる作品。
森を散策しながらアートにふれることができるのは、この施設ならではのお楽しみです。
●展覧会情報
アーティスト・イン・レジデンスプログラム2025「CAMP」 2025年11月14日(金)〜11月29日(土)
※2025年度は展示棟の大規模改修により、国際芸術センター青森での展覧会は予定しておりません。上記展覧会は場所を変え、協同組合タッケン美術展示館(JR青森駅東口ビル4階)にて開催
出会いと学びのアートファーム/八戸市美術館
2021年にリニューアルオープンした美術館で、コンセプトは人とまちを育む「出会いと学びのアートファーム」。これまでの美術品展示が中心の美術館とは異なり、「ひと」が活動する空間を大きく確保することで、「もの」や「こと」を生み出す新しいスタイルの美術館です。約3000点ある収蔵作品は、地元八戸や青森県にゆかりのある作家によるものが中心となっています。
地元ゆかりの作家作品のほか、1957年~1977年にかけて学校教育の現場で制作された教育版画のコレクションも。こちらの《虹の上をとぶ船総集編Ⅱ 星空をペガサスと牛が飛んでいく》は、八戸市の養護学級で制作された教育版画で、宮崎駿監督の映画『魔女の宅急便』に登場する絵のモデルとなった作品です。
「もの」や「こと」を生み出す活動を支えているのが、巨大な空間「ジャイアントルーム」です。可動棚や家具を用いて空間を作り出し、多彩なワークショップやイベントなどに利用されています。
●展覧会情報
『ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―』2025年6月28日(土)~8月31日(日)
『コレクションラボ011 きっと、そこには』2025年9月13日(土)~12月8日(月)
『古代エジプト美術館展』2025年10月11日(土)~12月15日(月)
『コレクションラボ012 渡辺貞一展(仮)』2025年12月13日(土)~2026年3月23日(月)
『GOMA展 WONDER~不思議と驚きと奇跡~』2026年2月14日(土)~3月29日(日)
■八戸市美術館(はちのへしびじゅつかん)
住所:青森県八戸市番町10-4
TEL:0178-45-8338
営業時間:10〜19時
定休日:火曜(祝日の場合は翌日)
駐車場:障がい者用2台
5館を巡る旅プランは?
5つの美術館&アートセンターを「巡る旅を計画したい!」 と思う人も少なくないはず。美術施設がある青森・十和田・弘前・八戸の各都市間は40分〜1時間30分程度。余裕をもって5施設を巡るなら、2泊3日プランがおすすめです。
<2泊3日プラン>
1日目:「青森県立美術館」と「青森公立大学 国際芸術センター」へ<青森泊>
2日目:青森から弘前へ移動、「弘前れんが倉庫美術館」へ<弘前泊>
3日目:弘前から八戸へ移動、「八戸市美術館」へ。午後は「十和田市現代美術館」へ
青森でアートなドライブ旅を楽しんでみてはいかがですか?
最新情報満載!
『るるぶ青森 奥入瀬 弘前 八戸’26』もチェック
ねぶた祭り、青森美景、グルメ、温泉、アート、心を動かす5つの体験「青森五感トリップ」をテーマに青森の魅力を徹底紹介。1冊あれば青森のすべてが分かる!おでかけ情報充実の『るるぶ青森 奥入瀬 弘前 八戸'26』は好評発売中です。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●この記事は「るるぶ青森 奥入瀬 弘前 八戸’26」に掲載の記事を元に作成しています。