5席のみの完全予約制、杉江綾さんのデセールとパフェの専門店「Ensoleillé(アンソレイユ)」が京都にオープン

5席のみの完全予約制、杉江綾さんのデセールとパフェの専門店「Ensoleillé(アンソレイユ)」が京都にオープン

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20年以上にわたり星付きのレストランやホテル、人気パティスリーで活躍されてきた杉江綾さんのアシェットデセールとパフェ専門店「Ensoleillé(アンソレイユ)」が2020年末に京都・出町柳にオープン。彼女のつくるお菓子に魅せられたファンが、完全予約制の5席を目指して全国から訪れる、いま京都で予約の取りにくいお店のひとつです。

Summary


選び抜かれたモノたちに囲まれる美しい空間

お店があるのは、京阪電車の出町柳駅から歩いて5分ほど。鴨川を渡り、河原町今出川の交差点を南へ。地元民にはおなじみの出町輸入食品の角を横道に入ってすぐの場所です。

控えめな店構えで、知らずに歩いていると通りすぎてしまいそうですが、足をとめてそっと覗いてみると素敵な雰囲気が外からでも感じられます。

店内に入ると奥にキッチンがあり、カウンターの前の5席がお客さまの場所。手前部分は何もない空間が広がる贅沢な作りになっています。

フランス製アンティークのサイドボード。日によっては、ここに焼き菓子が並ぶことも。

ランプシェードや食器など、杉江さんお気に入りの作家さんが作った温かみのあるモノたちと店内の至る場所に飾られたドライフラワーが、特別な雰囲気を醸し出します。

旬の素材を主役にした物語のあるパフェ

「Ensoleillé(アンソレイユ)」では現在、月の半分はパフェ、残りの半分はデセール(皿盛りデザート)コースの日にされていて、パフェは1日4部、デセールは3部の完全予約制。月替わりの内容は、主役の素材を中心に組み立てられます。今回ご紹介いただいたのは、2021年2月から3月にかけて登場予定の柑橘のパフェ。

1杯のパフェに使われている柑橘は8種類。同じ柑橘でも、色、果肉の粒の大きさ、酸味も甘さもそれぞれに違った個性があります。

こちらの柑橘はすべて和歌山から仕入れたもの。“人の縁”を大切にされている杉江さんが、産地まで足を運んで、生産者さんと顔を合わせて話をしたり、一緒にワークショップを開催したりしながら、同じ和歌山でも甘夏は藏光農園から、春峰はあの原さんから…と細かく選んで取り寄せられています。

1個ずつの柑橘を「この子たち」と呼ぶ杉江さん。皮も余すことなく使います。まるで金木犀の花の蜜漬けのようなこちらは、柑橘の皮を細かく剥いて漬け込んだシロップ。パフェの隠し味に使われます。

8種類の柑橘のパフェ2200円  1ドリンク(600円〜)別途注文が必要
8種類の柑橘のパフェ2200円 1ドリンク(600円〜)別途注文が必要

完成した8種類の柑橘のパフェ。グラスの中には、仏手柑(ぶっしゅかん)のアイス、八朔(はっさく)のジュレ、仏手柑と春峰のソース、夏みかんのクリーム、柑橘ピールのシロップ漬けなど、さまざまに姿を変えた柑橘たちがきゅっと詰まっています。

パフェを構成するひとつひとつにとても手がかかっていて、たとえば上に飾られた緑色のチップは、仏手柑の葉っぱのメレンゲ。ドライフルーツに見えるのはシロップに漬け込んでからパリッと乾燥させた春峰のクリスティアン。いままで知らなかった味との出会い、柑橘たちの種類の違うみずみずしい酸味に心がつかまれます。パフェの域を超えた、芸術的な味わいです。

至福の時間が続く、贅沢な皿盛りデザートのコース

3種の柑橘サラダ 塩ソルベ
3種の柑橘サラダ 塩ソルベ

アシェットデセールは、最後の焼き菓子も含めて、全部で7種類のデザートがコース仕立てで楽しめます。2月から3月にかけてのテーマは「柑橘とカカオ」。

<柑橘とカカオのコースの7種類のデザート>
一 レモンと夏みかんのタルトレット
一 アマゾンカカオのヴェリーヌ(グラスデザート)
一 八朔とセロリ~ベルガモットの香りを添えて~
一 柑橘ショコラのテリーヌとショコラショー(あたたかいチョコレートドリンク)
一 3種の柑橘サラダ 塩ソルベ
一 甘夏とプンタレッタ~みかん蜂蜜とともに~
一 小菓子

その一部を写真とともにご紹介します。まずは5皿目に登場する「3種の柑橘サラダ 塩ソルベ」。フレッシュな柑橘を、蜂蜜、レモンとミントなどのハーブやスパイスで作ったシロップでマリネし、塩ソルベと塩レモンを添えたさっぱりとした一皿。

デセールコース4800円 1ドリンク(600円〜)別途注文が必要 写真は、6皿目の甘夏とプンタレッタ〜みかん蜂蜜とともに〜
デセールコース4800円 1ドリンク(600円〜)別途注文が必要
写真は、6皿目の甘夏とプンタレッタ〜みかん蜂蜜とともに〜

メインのデセールはアマゾンカカオと柑橘のチュイルで華やかに。プンタレッラ(野菜)のアイスクリーム、甘夏のペースト、アマゾンカカオのクレームブリュレが土台になっていて、カカオニブやカカオのクランブルが食感のアクセントになっています。

お皿の水滴のような水玉はみかんの蜂蜜。ビターなアマゾンカカオに野性味のあるみかんの蜂蜜がとても好相性。

こちらがイタリアの野菜、プンタレッラ。杉江さんは、デザートの中に積極的に野菜を取り入れていて、フルーツ大根をレモンのジャムで和えたり、セロリを柑橘シロップに漬け込んだり…。「野菜のカラダを借りて、果実などの味を憑依させるのにはまっている」とのこと。枠にはまらない発想で、杉江さんならではのデザートを次々と生み出します。

コースの最後は小菓子。ちいさなお菓子が3種類でてきます。今回はベイクドチーズケーキとクッキーと柑橘のキャラメル。包みを開けたらすぐに食べないととろけてくる生キャラメルまで、すべてお手製です。

毎月必ず予約をして訪れるファン、東京や名古屋から杉江さんのデセールを食べるだけに京都に来るファンもいる「アンソレイユ」。Instagramの予約開始告知が届くと、すぐに予約が埋まっていく人気ぶりですが、チャレンジする価値ありです。

Photo:photo scape CORNER.大﨑 俊典
text:小西尋子


●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更、消費税率変更に伴う金額の改定などが発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。


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