興味をそそる語り部の遠野昔話。ここはカッパが主役の民話の里【あえりあ遠野(岩手県 遠野市)】
数多くの伝承が残る民話の里・岩手県遠野市は、柳田国男の『遠野物語』に出てくるカッパや妖怪が息づく世界と日本の原風景に出合える地。「むがーす、あったずもな……」から始まる語り部たちの遠野昔話に興味津々。初めて訪れても、なぜか懐かしさを感じるから不思議です。ここに来ると、古き良き遠野の世界に引き込まれるからかもしれませんね。
Summary
カッパ探しのぶらり散策ツアーに参加!
和菓子作り体験や手作り雑貨の購入も
遠野 旅の産地直売所(体験)
JR遠野駅に到着したら、まずは散策ツアー「カッパ満喫コース」に参加。カッパは、数百話にのぼる遠野の昔話の中でも代表的な存在です。地元の皆さんにとってもカッパはなじみ深く、街のいたるところにモチーフとして登場します。「遠野 旅の産地直売所」が主催する「まちぶらツアー」は、遠野の民話・伝説・歴史を学び、さらに普通の観光では体験できない店や人に出合えるガイド付きのツアーコースです。遠野を訪れたら参加しないともったいないですね!
遠野駅前は隠れカッパだらけ。カッパの銅像、カッパの足跡など、友だちと競って発見しましょう。交番や郵便ポストにも、カッパモチーフが使われているから要チェック。
大正12年(1923)創業の老舗菓子舗「鶴乃屋菓子店」では、カッパの形の上生菓子練り切り作りが体験できます。見本のカッパはご覧の通り。気さくなご主人が楽しく話しながらあっという間に見本のカッパを仕上げていきます。ご主人の手元をお見逃しなく!
ご主人に手ほどきを受けて作ったカッパの和菓子。人生初挑戦にしては上出来かも? 食べると優しい甘さに思わず笑顔がこぼれました。
続いてのスポットは「マヨイガの郷」。地元のお母さんやおばあちゃんたちが作った小物がところ狭しと並ぶ雑貨店です。なかでも、クラフトテープで作るカッパや干支モチーフのキーホルダー、小物入れ、バッグなど、かわいらしいデザインや色使いにうっとり。お土産選びに迷ってしまいそう。
■遠野 旅の産地直売所
住所:岩手県遠野市中央通り2-11
TEL:0198-62-0601
交通:JR遠野駅から徒歩で約8分
営業時間:9時30分~16時
定休日:6~10月第1火曜、11~3月火曜、年末年始(4~5月は無休)
料金:まちぶら90分コース 大人2200円、子ども1200円、、60分コース大人1,800円、子ども900円
※状況により、体験メニュー・コースが変動する場合があります
遠野昔話の絵やオブジェに観て触れて、
民話の不思議な世界にトリップ
とおの物語の館(体験)
明治時代の酒蔵をリノベーションした「とおの物語の館」。遠野で語り継がれてきた昔話の世界を観たり、触れたりしながら体験・体感できる施設です。館内は、優しい明かりに包まれ、まるで物語の不思議な世界に足を踏み入れたかのよう。親しみやすい絵やオブジェとともに昔話を伝える展示がずらりと並び、語り部の話を聞くとさらに理解が深まり楽しさも倍増して、「遠野昔話」の世界にどっぷり浸かれますよ。
音、光、影を使った臨場感あふれる展示に大人も思わず興奮。手で触れると、物語にちなんだ音と影絵が飛び出す不思議な置物は人気の展示です。カッパやツル、タヌキなど影絵を見て「あの昔話だ!」と気づくと、友だちに教えたくなっちゃいますね。
昔話をアレンジして遊べる体験コーナーやシアタールーム、絵本コーナーなど、物語の楽しみ方はさまざま。子どもの頃から慣れ親しんできた昔話のおもしろさを再発見することができます。童心に帰りたい人はぜひ立ち寄って♪
■とおの物語の館(昔話の展示鑑賞)
住所:岩手県遠野市中央通り2-11
TEL:0198-62-7887
交通:JR遠野駅から徒歩で約8分
営業時間:9~17時
定休日:6~10月第1火曜、11~3月火曜、年末年始(4~5月は無休)
料金:入館料 一般510円、高校生以下210円
大人だからこそウキウキ♪
語り部の昔話と箪笥膳のおもてなし
あえりあ遠野(宿泊)
宿泊は、遠野駅からほど近い和風旅館「あえりあ遠野」へ。こちらの宿で人気なのは、遠野に伝わる民間伝承を今に語り継ぐ「語り部」による遠野の昔話。毎日18時から30分間、囲炉裏を囲んで、地元の「語り部の会」で何十年と昔話を伝え続けている語り部の昔話を生で聞くことができます。大人になってから昔話を聞けるなんて貴重な経験!
どの話も「むがーす、あったずもな(昔、あったそうな)」で始まり、「どんどはれ(おしまい)」で終わるのがお約束。素朴で温かい遠野訛りは、初めて聞く言葉なのに不思議と耳になじみ、物語に引き込まれてしまいます。さすが語りのプロ、恐れ入ります。
夕食は、遠野の郷土料理を味わう和食膳。川魚や季節の野菜など、地元の山の幸を使った創作和食がいただけます。南部藩の殿様が酒や料理を箪笥に入れて花見に出かけた様子をイメージして、料理は箪笥の膳に入れて運ばれます。格調高いおもてなしに思わず感嘆の声が上がりそう。
大浴場は、遠野産の「角閃石(かくせんせき)」で造られた石風呂。角閃石は、日本列島で遠野だけで産出される、大変貴重な天然石で、遠赤外線効果によって体が芯から温まるそう。新陳代謝を上げて、来た時より美肌になって帰らなきゃ損ですね。
■あえりあ遠野
住所:岩手県遠野市新町1-10
交通:JR遠野駅から徒歩で約6分
チェックイン:15時
チェックアウト:10時
料金:郷土料理 創作膳「和食膳」夕食プラン1泊2食付1万3700円~
まだある! おすすめスポット
\ 遠野の特産品ホップを使ったソーセージを肴にクラフトビールを /
遠野醸造 TAPROOM(食)
ブルワリーバー「遠野醸造TAPROOM(タップルーム)」では、遠野産ホップを使用したクラフトビールをはじめ、毎日6種類ほどのビールがメニューに並びます。4基の発酵タンクが並ぶ店内では、食事とともにビールを楽しむ人々で連日大賑わい。熟成ホップパウダーを使用した珍しいソーセージをつまみにビールと話が進みます。オリジナル缶ビール(数量限定)やビール専用の持ち帰り容器グラウラーも販売。ビール原材料ホップの国内有数の生産地・遠野で、ビールの新しい楽しみ方と出合いませんか?
■遠野醸造 TAPROOM
住所:岩手県遠野市中央通り10-15
TEL:0198-66-3990
交通:JR遠野駅から徒歩で約3分
営業時間:月・水~金曜17~22時、土曜12~22時、 日曜、祝日12~21時
定休日:火曜
\ 朝日にきらめく黄金色の雲海は見ごたえあり! /
高清水展望台(体験)
遠野市中心部から車で約20分、遠野盆地を一望できる「高清水展望台」では、夜明け前から早朝にかけて出現する雲海を観測できるスポット。日中は暖かく、朝晩は冷え込む5~6月、10~11月は雲海が出現しやすい時期で、遠野の街を覆うように雲が立ち込めます。気象条件によっては、朝日を浴びて黄金色に輝く雲海に出合えることも。神秘的な風景は圧巻。自然の光景に感動すること間違いなしですよ。
■高清水展望台
住所:岩手県遠野市松崎町光興寺
交通:釜石自動車道遠野ICから車で約20分
営業時間:散策自由
定休日:高清水展望台へ繋がる道路は冬季通行止め
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
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