泊まる
2024.09.24
山が朱色に染まる里山の古民家で、ボタン鍋や松茸などの旬の味覚を堪能しよう 【料理旅館きぐすりや（京都府 南丹市 美山町）】
昔ながらの古民家が立ち並び「重要伝統的建造物群保存地区」に指定される、京都府南丹市美山町の「かやぶきの里」。山々に囲まれたのどかな田園風景が続き、春には山桜、夏にはホタル、秋には紅葉、冬は茅葺屋根を覆う真っ白な雪を観賞できます。ほど近くにある古民家を再生した料理旅「きぐすりや」では、美山のめぐみである新鮮な野菜や米・豆腐などの地元食材と、清流の川魚やジビエなど山の幸を生かした料理を囲炉裏端でいただけます。とくに秋から冬にかけてはボタン（猪）鍋がおすすめとのこと。さまざまな表情を見せる大自然の里山で旬の味覚を体験してみませんか？
Summary
鯖街道沿いにある茅葺屋根の古民家宿。
のんびりモードで鍋料理に舌鼓
料理旅館きぐすりや（宿泊）
「料理旅館きぐすりや」は、大正8年（1919）から続く歴史ある老舗旅館です。古くから京都と若狭を繋ぐ「鯖街道」沿いにたたずみ、多くの旅人を送り出してきました。宿の側を流れる川の瀬音を聴きながらのんびりと過ごせる純和風旅館の本館と「農家民宿」として一棟貸しの別館古民家があり、それぞれ趣ある造りになっています。建物はリノベーションされていて、空調設備やバストイレ完備で一年中快適に古民家ステイを楽しむことができますよ♪
別館古民家は、旧村長の屋敷を改装した築130年以上の宿泊施設。楠木や桜の木を使用した立派な造りで、どっしりとした梁や柱からは格式高さが感じられます。囲炉裏や土間、床の間や縁側など、伝統的家屋の造りが残っていて、昔の暮らしぶりを再現した博物館のよう。裏の縁側は「鯖街道」とよばれた旧街道に面していて、昔の生活ぶりがうかがえます。
料理旅館ならではの四季折々のおいしさを盛り込んだ会席が自慢。春には近くの里山で採れる山菜、夏には清流を泳ぐ天然鮎、秋冬には脂ののったボタン（猪）鍋、そして年間を通じてヘルシーな鹿肉のジビエ会席などが食卓に並びます。「旬の味はこんなに濃かったんだ」と改めて気づかされるひととき。別館古民家の夕食では、昔懐かしい囲炉裏で、地場産野菜をたっぷり使った鍋料理がいただけます。「もろこ」という川魚の南蛮漬けや枝豆をすり混ぜた豆腐など、地産地消にこだわった手料理の小鉢もずらり。囲炉裏は調理だけでなく、仲間と一緒なら談笑、おひとり様なら自分と向き合える場所になりそう。
今回いただいたのは、京地どりの鍋。南丹市美山町の「美山京地鶏」は、シャモと名古屋コーチンなどを掛け合わせた品種。天然飼料を食べ、京都美山の大自然の中、びのびと育った鶏は、うま味と歯ごたえの良さが格別。体主役を引き立てる季節の野菜と一緒に、地産地消の新鮮なおいしさを楽しみましょう。〆には、鶏のうま味が溶け込んだ雑炊に地卵を入れて。最後のひと椀まで美山のめぐみを慈しみながらいただきます。
朝は、早起きして宿に隣接する農園へ。「オーガニックハーブ摘み取り体験」として、ローズマリーやカモミールの収穫体験を楽しむことができます。9月から10月にかけては、白く小さな花が可愛いローズマリーが収穫できます。どんな料理のアクセントに使うか想像するのも楽しい！
畑に入るとハーブの爽やかな香りが。ローズマリーは、お茶にしたり、ジビエ料理の臭み消しに使ったり、お風呂に入れたりと使い道が豊富。旅館の方が収穫の仕方を手取り足取り教えてくれるので、畑仕事に慣れていない人でも安心です。収穫したハーブは持ち帰ることができるので、料理好きの友だちへのお土産にしても喜ばれるかも。「きぐすりや」では、ほかにも川遊びや栗拾い、蛍狩りやスノーシューなど季節ごとにさまざまな自然体験がいっぱい。宿周辺の豊かな里山を活用したプログラムで、大自然の中で童心に帰ってはしゃげます。プログラムの内容や開催時間は、相談すれば可能な限り要望に沿ってくれるそう。収穫体験は畑の中でしゃがんで作業をするので、動きやすい服装を準備して。美山のスローライフでいい汗を流しましょう♪
■料理旅館きぐすりや
住所：京都府南丹市美山町鶴ケ岡今安8-1
交通：JR日吉駅から車で約35分
チェックイン：15時
チェックアウト：10時
料金：1泊2食付き1万8000円（大人1名）～
ログハウスも料理も一から手作り。
地元産ジビエのランチと収穫体験で、自給自足のありがたみを感じて
田歌舎（食）
ジビエ料理レストラン「田歌舎（たうたしゃ）」は、宿泊や自然体験もできるスローフードレストラン。食材となる鹿や猪はスタッフが狩猟し、野菜や米も施設の畑で作ったもの。一から手作りされたメニューの数々は、どれも普段の生活ではなかなか味わえません。「自分の力でできることは自分たちで」というポリシーから、レストランはセルフビルドで建てたのだとか。ゆっくりと時間をかけて育まれた食と空間に、こちらまでいい感じにスローダウンしそう。
人気のランチメニューは、トルコ料理のシシカバブを鹿肉でアレンジした「鹿カバブプレート」（2200円）。鹿肉に熱々のトマトソースをたっぷりかけた一品です。軟らかでうま味のある肉は臭みがなく、ソースと相性抜群です。
また、田歌舎では、自給自足の生活を知ってもらうきっかけ作りのために、自然と触れ合う体験プログラム「季節の暮らし体験」も用意されています。この日は代表の藤原誉さんに案内いただきました。「私たちスタッフが1年間自給自足できるだけの食材を育てています。実りの秋は野菜収穫体験や自家製の蕎麦を使った蕎麦打ち体験がおすすめです」
「ほかにもカモやヤギも飼育しており、動物のお世話も体験いただけます」と藤原さん。夏はラフティングやシャワークライミング、冬はスノーシューなどのアウトドアアクティビティが体験できますよ♪
■田歌舎
住所：京都府南丹市美山町田歌上五波1-1
TEL：0771-77-0509
交通： JR園部駅から車で約60分
レストラン営業時間：11時30分～14時30分（完全予約制）
レストラン定休日：月・火曜（臨時休業あり）
※季節の暮らし体験・アウトドアアクティビティは要予約
お土産はもちろん！ 今宵のお供に
地酒やおつまみもここでゲットしよう！
ふらっと美山（体験）
道の駅「美山ふれあい広場」内にある「ふらっと美山」は、地元の新鮮食材や特産品を扱う産地直売所。名産の鯖のへしこ、のしもちなどの特産品のほか、美山で収穫された旬の野菜や果物がずらりと並んでいます。季節の素材を購入できるのが道の駅の魅力。野菜や果物、新鮮な卵は朝の早い時間帯から販売されているので、お目当てがある人は早めに訪れて！
「美山ふれあい広場」の人気メニューは、美山牛乳を使ったスイーツやチーズ。酪農や養鶏が盛んな地域だから、プリンやチーズケーキ、シュークリームも評判で、お土産にもぴったりです。パック牛乳や珈琲牛乳などの日用食材もおすすめ。
「今すぐ味わいたい！」という方は、敷地内の「美山のめぐみ牛乳工房」で、人気の「美山牛乳ソフトクリーム」を。店舗と併設した工場で牛乳を85℃で15分間、丁寧に殺菌、加工された牛乳は、甘味が感じられます。その牛乳をそのまま使用しているので、「美山牛乳ソフトクリーム」はミルクの風味が際立って美味。ほかには黒豆やかぼちゃなど一風変わった味のジェラートも。いろいろ試したくなりますね！
こちらでは、食材のほかに、ちりめんや昆布、ソーセージなど加工食品や酒類も販売しています。なかでもおすすめなのが、「美山どぶろくたのし」1430円（写真右）。持ち運びに便利な500mlサイズもあるので、宿でのお楽しみにぜひ手に入れて。旅先で嗜む地酒は、自宅での晩酌とは違う格別の味わい。おつまみもここでゲットして、余すことなく地元の味を満喫しましょう。
■ふらっと美山
住所：京都府南丹市美山町安掛下23「美山ふれあい広場」内
TEL：0771-75-0190
交通：JR日吉駅から車で約25分
営業時間：9～18時（4～9月）、9～17時 （10～3月）
定休日：水曜（12～ 2月のみ）
まだある！ おすすめスポット
＼ 電動マウンテンバイクで美山の野道をぐるっとサイクリング ／
京都丹波高原国定公園ビジターセンター（体験）
「京都丹波高原国定公園ビジターセンター」は、京都丹波高原国定公園の自然と文化が融合した里地・里山文化の発信拠点です。センターが運営している「レンタサイクル E-Bike」は、電動マウンテンバイクを借りて自由にサイクリングができるサービス。電動アシストがあるので、坂道も楽々進めます。里山の清々しい空気を吸って、野道をすいすいサイクリング。大自然の中でいい汗を流しましょう。
■京都丹波高原国定公園ビジターセンター
住所：京都府南丹市美山町安掛下23「美山ふれあい広場」内
TEL：0771-75-9020
交通：JR日吉駅から車で約25分
営業時間：9～17時 ※レンタサイクル貸出は～16時、利用は最短4時間～
定休日：水曜 ※レンタサイクル貸出は4～11月のみ
料金：4時間までの利用 1台2000円＋保証金1台1000円、1日利用 1台3000円＋保証金1台1000円
※前日までに要予約。台数に空きがあれば当日利用可
＼ 美山の湧き水で作られたそばをかやぶきの里でいただく ／
お食事処きたむら（食）
美山地区の「かやぶきの里」は、入母屋造のかやぶき屋根の民家が立ち並ぶ集落。こちらで人気のそば店「お食事処きたむら」では、集落の畑で取れたそば粉を使用したそばがいただけます。なかでも一番人気の「美山のもりそば」は、美山の湧水と美山のそば粉で仕上げた細打ち。のどごしの良さが自慢です。箸が進んでいくらでも食べられそう。
■お食事処きたむら
住所：京都府南丹市美山町北揚石19－1
TEL：0771-77-0146
交通：JR日吉駅から車で約35分
営業時間：10～15時
定休日：水曜 ※変更の場合は「Instagram」で通知
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
Sponsored：農林水産省
この記事を書いた人
