野性的かつ官能的な旬のジビエ。里山の長者屋敷で創作料理をいただきます【せとうち古民家ステイズHiroshima 長者屋(広島県 庄原市)】
古民家や棚田、山々によって形成された風光明媚な景色が広がる広島県庄原市。豊かな自然を守る一方で、近年はイノシシやシカなどの獣害に悩まされる農家が少なくありません。そんな害獣を押しやるために捕獲するのではなく、ジビエとして生かし、多彩な農産物と掛け合わせて庄原市ならではのユニークな創作料理に仕立てている宿があります。「せとうち古民家ステイズHiroshima 長者屋」では、旅を通じて新たなグルメと里山文化の魅力を再発見できますよ。ジビエが恋しくなる季節に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
Summary
風光明媚な里山の古民家ホテルで、
野趣あふれるジビエの創作料理を食べてほしい
せとうち古民家ステイズHiroshima 長者屋(宿泊・食)
築250年以上にもなる古民家をリノベーションした「せとうち古民家ステイズHiroshima 長者屋」の宿泊施設。伝統的な建築手法である「石場建て」の木造平屋で、昔話に出てくるような近代以前の民衆家屋の姿が魅力です。
土間をはじめ、土とわらで作られた外壁、囲炉裏の煙でいぶされ真っ黒になった土壁などがかつてと変わらぬ状態で残っています。築年数を経た家屋を、趣を残しつつ宿泊施設へと生まれ変わらせたのはお見事。
農家の家屋だった頃の面影を垣間見ることができる部屋は、内装を中心にリノベーションされ、スタイリッシュな和風モダンの空間に生まれ変わっています。一棟貸しの宿泊施設のため、ほかの宿泊客に気兼ねすることなくプライベートな時間を過ごせるのもうれしいポイントです。
かつては牛の飼料である茅が保管されていた物置部屋が、開放感あふれるバスルームに大変身。リノベーションを経て、現代的かつスタイリッシュな空間に。虫の音に耳を傾けながら、広々サイズのお風呂でゆったりとくつろぐことができます。
「せとうち古民家ステイズHiroshima 長者屋」の宿泊の楽しみのひとつが、「庄原ガストロノミー」という夕食サービス。料亭や割烹などで修業した腕利きのシェフが宿まで出張し、目の前で調理してくれます。前菜からメイン、汁物、デザートまで、およそ7品のコースがスタートすると、目にも麗しい創作料理が次々と運ばれてきます。
「例えばシカの場合、赤身が多く脂肪分が少なめなので、上手に焼かないと固くなってしまいます。段階的に火入れするなど、手間と時間をかけて調理しています」と、シェフの三河さん。一般的に扱いが難しいといわれるイノシシやシカも丁寧に下処理しておいしく調理して提供してくれます。ジビエ初心者は野性的な味わいに挑戦するチャンスです。
この地域では有害動物の駆除は1年を通して行われているため、いつでも新鮮なイノシシやシカの肉が手に入ります。いずれも驚くほど口当たりがよく、新鮮なおいしさに箸が進みます。
こちらは、イノシシのミンチに、大根やリンゴ、ナスなどの野菜と、揚げた稲穂を添えた一皿。茶色い粉末は、ゴボウとオリーブを合わせて作られていて、“土”を表現しています。「農業被害の低減」と「獣害の利活用」に対する思いが込められたメニューなのだとか。彩りやフォルムが美しすぎます!
鹿肉のローストに、ソーメンカボチャ、大根などを添えた一皿。鹿肉はほどよくジューシーに、軟らかく仕上げられています。臭みをはじめ、クセがほとんど感じられないのは、鮮度の良さとシェフの腕によるもの。添えられたソーメンカボチャが食感にアクセントをつけます。
ほかにはイノシシ肉、広島菜の古漬けに庄原の生乳から作られたチーズをたっぷりとかけたメニューも登場。コースのメニューには、庄原産の旬の食材が多用されています。シェフの三河さんいわく、「庄原市の“今”が詰まったコース」なのだそう。肉も野菜も、その時に手に入ったものが一番おいしくなる方法で調理され、提供されます。どんな食材に出合えるかは、実際に体験してからのお楽しみ。旬の野菜はジビエに負けないくらい味が濃く栄養満点なので、見て香って味わって庄原市の“今”を五感で感じてみてください。
■せとうち古民家ステイズHiroshima 長者屋
住所:広島県庄原市比和町三河内1528
交通:庄原ICから車で約40分
チェックイン:15~19時(19時以降は要相談)
チェックアウト:11時
料金(参考):1泊素泊まり5万2800円~(3名1室利用時)
※夕食「庄原ガストロノミー」は3万960円~(3名利用時・要予約)
隠れ家カフェで地域の旬素材のランチと、
スペシャルティコーヒーを
HOME SPRING(食)
庄原市にある「HOME SPRING」は、庄原産の旬野菜を使った優しい味わいの料理が人気のカフェレストラン。東京・三軒茶屋に拠点をもつコーヒーブランド「OBSCURA COFFEE ROASTERS」から取り寄せた最高品質のスペシャルティコーヒーも人気です。青果店を改装してオープンしたため、ときおり店頭や店内で新鮮な青果も販売されるのだとか。タイミングが合えばラッキー。
一番の人気を誇る「デミグラスハンバーグ」は、広島県で産出された肉と庄原産の野菜をバランスよく味わえるメニュー。思わずホッとする優しい味わいながら、赤ワインベースのソースによるコクも楽しめます。そのほかのメニューにも庄原産や広島産の食材が使用されていて、地元ならではの味を楽しませてくれます。
■HOME SPRING
住所:広島県庄原市西本町3-9-1
TEL:0824-72-0337
交通:庄原ICから車で約5分
営業時間:11~17時
定休日 :水・木曜
庄原産の新鮮野菜や特産品を手に入れるならココ!
旬食材を生かしたレストランも
道の駅たかの(体験)
庄原市高野町にある「道の駅たかの」には、「カフェレストランそらら」とご当地フードコーナー「たかのキッチン」があり、ブランド肉「比婆牛(ひばぎゅう)」や「瀬戸もみじ豚」を使ったプレートランチ、高野町産コシヒカリの塩むすび、庄原の旬野菜をトッピングしたうどんやそば、季節の果物を使ったジェラートなど多彩な味わいのメニューが揃っています。もちろん庄原市の特産品もたくさん!
「道の駅たかの」を訪れると、地域の名産品を一挙に知ることができます。高野町の年間平均気温は、青森県とほぼ同じ。冷涼な気候で大根やリンゴ、米をはじめとする農産物が盛んに作られているのがわかります。
「道の駅たかの」では、庄原で作られたビールやシードル、日本酒など、魅力的なアルコールがずらり。テーブルを華やかにし、食事をより楽しませてくれるのがおいしいお酒。ぜひ、今夜の食事のお供となる一品を見つけましょう。このほかにも、リンゴジャムやリンゴチップスなど、お土産にぴったりな加工品が用意されているので、ぜひチェックを!
■道の駅たかの
住所:広島県庄原市高野町下門田49
TEL:0824-86-3131
交通:高野ICから車ですぐ
営業時間:9~18時
定休日:第2・4水曜(祝日は営業)
まだある! おすすめスポット
\ 庄原市の里山の昔暮らしにふれて地域愛を膨らませよう /
国営備北丘陵公園(体験)
季節の花が咲きこぼれる花畑や、遊具のある遊び場など、多彩なコンテンツが詰まった「国営備北丘陵公園」。公園内にある「ひばの里」は、明治後期~昭和初期に備北地域で暮らしていた人々の生活を体験できるエリアです。「さとやま屋敷」では、当時の庄屋宅が再現されていて、古き時代の暮らしを知ることができます。地域の歴史や文化を学ぶと、庄原市のことがますます好きになっちゃいそう。
■国営備北丘陵公園
住所:広島県庄原市三日市町4-10
TEL:0824-72-7000
交通:JR芸備線七塚駅から徒歩で約20分
営業時間:9時30分~17時(季節により異なる)
定休日:月曜(季節により異なる)、年末年始
※体験などの詳細情報は施設の公式サイトをご確認ください
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
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