瀬戸内の「海」と「農」の知恵に触れる旅【燧-Hiuchi-】

瀬戸内の「海」と「農」の知恵に触れる旅【燧-Hiuchi-】

香川県 泊まる 絶景 ゲストハウス 収穫体験 体験
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香川県のグルメといえば讃岐うどんが愛されていますが、実は三豊市エリアも「知る人ぞ知る」食の宝庫。今回提案する旅の拠点は、「世界の絶景12選」にも選ばれたことがある『紫雲出山(しうでやま)』にほど近い一棟貸しのゲストハウス「燧-Hiuchi-」。こちらを足掛かりに、豆腐づくりやオリーブ収穫を体験するなど新しい旅があります。三豊ならではの先人の知恵にも触れて、この地域の新たな魅力を再発見していきましょう。

Summary


近場の魅力再発見

かつては塩田で栄えた三豊エリアの新しい魅力は、塩やにがり、オリーブなどの「身近な食材」を深く追求する達人たちが集い、飲食店や農園などから“舌も喜ぶ食文化”の発信。オリーブ農園では、体験を通して、香川のオリーブオイルがおいしい理由や品種の違いなどを知ることができます。また、天空に浮かぶような父母ヶ浜(ちちぶがはま)の絶景は、写真を撮りたくなること間違いなしです。地元の人があらためて魅力を感じるところばかりです。

1日目

まずは三豊市で塩の奥深い世界を体験
cafe de flots(自家製塩のランチ)

旅のスタートは、自家製の塩で料理を提供している「cafe de flots(カフェ ド フロ)」のランチで、めくるめく塩の世界へ。地元出身のオーナーシェフ浪越弘行さんは、この町が大正時代から塩づくりで栄えていたことを知り、塩づくりの再生に乗り出しました。眼前に広がる父母ヶ浜の海水を薪窯で煮詰める方式です。
カウンターで目を引くのは、赤や緑、それに瀬戸内海のようなマリンブルーなどのカラフルな塩。「色づけには地域の食材を使っていて、たとえば青い塩には赤キャベツを用いているんですよ」と浪越さん。塩の結晶も大小さまざまで、アクセサリーにしたいほどデザインチックな形。多くの塩は、店頭やインターネットで購入できるそうです。
旬の地元食材をふんだんに取り入れた、色彩豊かな「本日のランチ」(1100円)。この日は、うま味のある粗塩で仕上げた、ジューシーなチキンの照り焼きがメインでした。コノシロ(コハダ)の酢締めには、ボイセンベリーで色付けしたガーネットのような赤い塩のアクセントも。「地域の食材には、地域の塩が合うんです」と浪越さん。どこにどんな塩が使われているのか……想像しながら食べるのも一興です。
お店の脇には、DIYで建てられた趣ある塩工房。父母ヶ浜で汲んだ海水は、夏は2週間、冬は3週間もの間、火を絶やさずに塩窯で煮詰めます。満月の日には、引力の関係で海水の濃度が変化し、火加減によって結晶の形も変わるとか。これまで浪越さんが試作した塩は、60種類以上。お店を拠点とした「塩のアーティスト」としての活動は、今、新しい塩作りの形として注目を集めています。この地域をまた訪れたくなるところです。

体験ポイント

「Arare(アラレ)」や「Konayuki(コナユキ)」、「Mangetsu(マンゲツ)」など、入り口のカウンターに並んだ塩は、テイスティングができます。目をつぶって舐めると、海水を再現したような懐かしい風味や、キリッと塩辛さが立ったものなど、その違いに五感が研ぎ澄まされていくようです。浪越さんをはじめとした店員さんたちも、ノリがよく親切。気さくに質問に答えてくれます。


【DATA】
住所:香川県三豊市仁尾町仁尾乙165-1
交通:さぬき豊中ICから車で約20分、または三豊鳥坂ICから車で約20分
営業時間:11:30~18:00 ※ディナーは3日前までに要予約
定休日:木曜

車で約15分  
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世界三大建築家を慕うゲストハウスで、摘んだハーブを調理
燧-Hiuchi-(ハーブ収穫・宿泊)

荘内半島の高台にある、隠れ家のようなゲストハウス「燧-Hiuchi-」。現代アートのように洗練された外観は、「近代建築の三大巨匠」として知られる世界的建築家ル・コルビュジエの「終の棲家」をイメージしたそう。感染症対策が徹底された一棟貸しで、無人の端末でセルフチェックインができます。
2階のリビングに足を踏み入れた瞬間、窓に広がる燧灘(ひうちなだ)のパノラマに、思わずため息がこぼれます。時計のない静かな空間で、窓際のハンモックに寝転ぶもよし、デニム地の心地よいソファで読書するもよし。体内時計が、大自然に一歩近づくのを感じてみて。窓はペアガラスで日当たりもよく、冬でもぬくぬく過ごせます。
時間があれば、敷地内のハーブ園でハーブ収穫も。フレッシュなミントや、パセリによく似たチャービル、香り高いラベンダーなど、宿泊客ならいつでも無料で採ることができます。部屋にはキッチンがついているので、近くのスーパーで材料を購入したり、釣った魚を調理したりするのも楽しみのひとつ。ミントは、熱湯を注ぐだけで鮮やかな緑色のミントティーにもなります。
庭のテーブルで、風や鳥の声を感じながらミントティーを一杯。ちなみに、燧灘という地名の由来のひとつには、沿岸地域から火打石にするような固い石が採れたという説があるそうです。周辺の景色はとても美しく、希望者には自転車の無料貸し出しもあります。地元ならではの風景の美しさを再認識できるひと時になります。
夜は「地域食アテンダント」のケータリングサービスを。「燧-Hiuchi-」は基本的に素泊まりですが、予約をすれば、地域に詳しい料理研究家が三豊エリアのローカルフードを振る舞い、そのストーリーを語ってくれます。料金は1人5000円からで、4名以上での受け付けになります。荘内半島に伝わる食の知恵を新しいスタイルで堪能してみると、この地域の違った発見があるかもしれません。
実はご近所には、国産ジーンズの元祖「ボブソン」などの創始者・尾崎家に縁の深い「尾崎大明神」があります。ジーンズ愛好家は「デニム神社」とも呼ぶ、知る人ぞ知る神社。その鈴緒はジーンズと同じくインディゴ染めで、お社の中には奉納されたジーンズも。「勝負事の前に願をかけると叶う」という噂もあり、ぜひ訪れたい穴場です。

体験ポイント

「燧-Hiuchi-」は、2階と1階に別れてベッドスペースがあります。家族で利用した場合でも、子どもは早めに1階で就寝、大人は2階でちょっぴり夜更かし……など、自由な時間と空間の使い方ができます。


【DATA】
住所:香川県三豊市詫間町大浜甲2144-4
交通:三豊鳥坂ICから車で約40分
チェックイン:16:00
チェックアウト:10:00
料金:施設料1万8000円+大人1人3000円から


※料金は2020年12月下旬時のオフシーズン料金。
詳細は問い合わせ0875-83-5651(受付時間:9:00~19:00)を。

車で15分  
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フォトジェニックな「天空の鏡」の黄昏時
父母ヶ浜(写真撮影)

夕方になったら、「日本の夕日百選」にも選ばれている父母ヶ浜へ。その美しさはまるで、南米ボリビアの「ウユニ塩湖」のよう。遠浅で奥行き約500mも続く、父母ヶ浜ならではの光景ともいえます。特に、日没の前後約30分に干潮が重なるタイミングは、とても幻想的です。カメラやスマートフォンで写真を撮れば、誰もが名カメラマンです。近年、SNSへの投稿から火がつき、「絶景の地」としてこれまでにない注目を集めています。地元で何度でも訪れたい自慢のビューポイントです。
夏に人気の海水浴場ですが、干潮になると無数の潮だまり(水たまり)が出現し、天空を映す鏡のようになります。風がなく水面が波立っていないことが条件ですが、このあたりには「瀬戸の夕凪」という言葉があり、夕方になると不思議と風が落ち着くことが多いそう。
浜には、ユニークなオブジェも。父母ヶ浜には、ゴミや漂着物がほとんどありません。それは地元のボランティア組織「ちちぶの会」が、25年以上前から毎月浜を清掃している努力の賜物でもあるのです。結成当初7人だった会員数は、現在約120人。フォトジェニックなこの浜の美しさは、三豊の人たちの郷土愛に支えられています。地元を知るいいきっかけの場所です。

体験ポイント

日没後の30分間は、夕焼けから星空へと空の色がドラマティックに変わる至福の時。浜で営業するコーヒースタンド「宗一郎珈琲」では、こだわりのコーヒーをマグカップで提供しています。それを片手に、静かな時間を味わうのもオススメです。


【DATA】
住所:香川県三豊市仁尾町仁尾乙203‐3
交通:さぬき豊中ICから車で約20分、または三豊鳥坂ICから車で約20分

車で約10分  
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2日目

にがり日本一の企業で豆腐づくりを体験
Caféにがり衞門(豆腐づくり体験)

豆腐づくりには欠かせない「にがり」。実は三豊市には、にがりの生産量日本一を誇る企業「仁尾興産株式会社」があります。大正8年に塩の製造会社として創業した仁尾興産は、塩づくりが塩田から機械化に移った昭和47年、塩づくりの過程でできる「にがり」の専門会社としてシフトし、現在まで日本の豆腐産業を支えてきました。「Caféにがり衞門」は、そんな仁尾興産の敷地内にオープンした、豆腐文化の新しい発信拠点なのです。
Caféにがり衞門の目玉は、自家製にがりで作る「手作り豆腐体験」(1人1650円)。カフェに併設された体験スペースで、豆腐に詳しい「豆腐マイスター」が豆腐のつくり方やにがりについて、楽しく教えてくれます。豆腐の凝固剤として知られるにがりですが、その塩化分には大豆のおいしさを引き立てる効果もあるとのこと。
少量の豆乳を深い鍋で煮詰めているのは、豆乳が沸騰すると分量が4倍、5倍にも膨れ上がるから。その間、優しい豆腐の香りが部屋中に漂い「ああ、豆腐になっていくんだな」としみじみ感じます。そして、温度が80℃前後に落ち着いたところで、にがりを投入すると――たった2、3秒で固まり始め、フワフワの豆腐に変身!
完成した豆腐は、オリジナルの塩や瀬戸内の素材で作られたフレーバーオイルをかけて、いただきます。余計なものを入れずに手づくりした豆腐は、大豆の甘みがしっかり感じられ、豆腐本来の濃厚なおいしさを再確認できます。薫風バジルやロースト車海老、牡蠣などを使ったオイルや、精製の度合いが違う塩との食べ比べが面白くて、つい時間を忘れてしまうほど。
ランチは、Café にがり衞門のもう一つの“顔”でもある「オリーブ車海老」を堪能! 仁尾興産では子会社を通じて、塩田の跡地を利用した車海老の養殖に関わっています。中でも、餌に小豆島のオリーブの搾りかすを混ぜた「オリーブ車海老」は、むちっとした弾力と甘みが特徴的。写真の「車海老と白方牡蠣のミックスフライ」はランチのみだと1320 円ですが、豆腐作り体験とセットにすると総額2200円で両方も楽しめ、とてもお得です。

体験ポイント

豆腐作りの体験スペースには、大正時代に入浜式塩田があったころのパネル写真や豆腐のつくり方など、貴重な資料がたくさん。豆腐マイスターは仁尾興産の社員さんなので、にがりについてもわかりやすく教えてくれます。体験が終わるころには、「お豆腐博士」になっていること請け合い!地元の伝統文化をあらためて知ることができます。


【DATA】
住所:香川県三豊市仁尾町仁尾辛1番地
交通:さぬき豊中ICから車で約20分、または三豊鳥坂ICから車で約20分
営業時間:11:00~15:00 、【豆腐作り体験】10:00~16:00(応相談)
定休日:年末年始、お盆期間

車で約15分  
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「香川のオリーブはなぜおいしい?」の秘密に迫る
荘内半島オリーブ農園(オリーブ収穫)

ランチの後は、車で15分の「荘内半島オリーブ農園」で、オリーブの収穫に挑戦! この土地はかつて、唐辛子や除虫菊の耕作放棄地でした。しかし平成26年に、現園主・真鍋貴臣さんのお父様がオリーブ農園として再生させたのです。平成31年からは貴臣さんが引き継ぎ、さらなる進化を遂げています。約6000坪の広大な園地では現在、スパイシーな「ミッション」とフルーティな「ルッカ」の2品種を主に栽培しています。
収穫のコツは、実を引っ張りながら指先でガクをくるっとひねること。この1粒1粒が、おいしいオイルやオリーブ漬けになると思うと、感慨もひとしおです。香川県では、ヨーロッパと同程度の厳しい基準「かがわオリーブオイル品質表示制度」を独自に設定。エキストラバージンオイルなどが、フレッシュで格別においしいのも頷けます。収穫体験は10月~11月(料金は問い合わせ)ですが、それ以外の期間でも農園の散策が楽しめます。ネバディロ・ブランコという品種には、まれにハート型の葉が出現するそうです。
収穫後は、農園内にある「オリカフェ」で一休み。目の前には、岡山県側を望む備讃瀬戸のオーシャンビューが広がっています。建築やインテリアが趣味という真鍋さんが配した、オシャレなソファやイスも気分を盛り上げてくれます。オリーブオイルのトッピングができる「バニラアイス」(400円)など、オリジナルメニューは要チェックです。
中でもクセになりそうなのが、オリーブの生葉を丁寧に煮だした「オリーブリーフティー」(400円)。ルイボスティーのような爽やかな香りが特徴です。このお茶が味わえるのは、無農薬栽培の新鮮な葉が用意できるオリーブ農園だからこそ。今後は、女子旅やデートスポット、ファミリーレジャーの拠点としても、ますます魅力を増していきそうです。

体験ポイント

物販コーナーでは、ミッションとルッカのエキストラバージンオリーブオイルが小瓶で購入できます(各1500円)。一見、樹や実もそっくりな2つの品種ですが、サラダにかけるなどして味を比べてみるとその違いは歴然!ぜひ五感でオリーブの世界に浸ってみて。地元の食材を味わうのも近場の旅だからこそです。


【DATA】
住所:香川県三豊市詫間町積992
交通:三豊鳥坂ICから車で約27分
営業時間:【農園】9:00~17:00、【カフェ(オリカフェ)】13:00~16:00
定休日:【農園】土・日曜、祝日 ※雨天荒天は臨時休業、【カフェ(オリカフェ)】月曜(月曜が祝日の場合は翌日)




※営業時間等が変更になる場合があります。おでかけ前に必ず現地・施設へご確認ください。


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瀬戸内の「海」と「農」の知恵に触れる旅

cafe de flots(自家製塩のランチ)

約15分

燧-Hiuchi-(ハーブ収穫・宿泊)

約15分

父母ヶ浜(写真撮影)

約10分

Caféにがり衞門(豆腐づくり体験)

約15分

荘内半島オリーブ農園(オリーブ収穫)

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