使い続ける文化遺産を体感! 重要文化財の中にある「東京ステーションホテル」にステイ

使い続ける文化遺産を体感! 重要文化財の中にある「東京ステーションホテル」にステイ

東京都 泊まる ホテル フォトジェニック 重要文化財 るるぶ&more.編集部
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東京駅の駅舎内に誕生した「東京ステーションホテル」。100年以上もの間、駅とともに時代を歩んできました。2003年、駅舎は国の重要文化財に。そんな歴史的建造物に泊まるという唯一無二の体験をしてみましょう。

Summary


大正時代の姿がよみがえった駅舎

1914(大正3)年、東京駅が開業。その一年後、国内外の賓客を迎えるために、丸の内駅舎舎内に「東京ステーションホテル」が誕生しました。

日本近代建築の父と呼ばれる辰野金吾が設計した3階建ての赤レンガ造りの壮麗な建物は、東京大空襲によりドームと3階部分を消失、戦後60年以上2階建てとなっていました。2003年、駅舎は国の重要文化財に指定され、2007年から5年にわたる保存・復原工事により創建当時の姿に再建されました。

100年前にタイムスリップしたかのような外観ですが、よく見ると2階と3階に新旧の化粧レンガの境目を確認できます。大正時代のレンガは焼きムラがあるため、それに馴染むように微妙に色合いの異なる3色のレンガが使われているそうです。

化粧レンガの隙間を埋める目地は、創建時と同じ断面が半円形の「覆輪目地(ふくりんめじ)」が施されています。現在、一般的には平目目地が採用されているため、施工にあたりまずは覆輪目地の技術を習得することから始まったといいます。

駅舎の復原とともに「東京ステーションホテル」も全面改装され、2012年に新たなスタートを切りました。イギリスのリッチモンド・インターナショナル社が手がけた館内デザインのコンセプトは、外観の壮麗さに調和する空間。ヨーロピアンクラシックでまとめられています。

ゲストを迎えてくれるロビーの床には、「旅人の喜び」が花言葉のクレマチスをかたどった真鍮が。「お客様がホテル内で快適にお過ごしいただけるように」との願いが込められているそうです。

エレガントで心地のよい客室

パレスビュープレミアムデラックスツイン
パレスビュープレミアムデラックスツイン
「パレスビュー」の客室からの眺め。丸の内のダイナミックな街並みとともに遠目に皇居外苑の美しい緑が望める
「パレスビュー」の客室からの眺め。丸の内のダイナミックな街並みとともに遠目に皇居外苑の美しい緑が望める

全150室ある客室は、駅前広場と皇居外苑の緑を望める「パレスビュー」、丸の内側の景観を一望できる「パレスサイド」、南北の駅舎ドームに面した「ドームサイド」など、11つのカテゴリーがあります。家具、カーペット、カーテンなど、インテリアのほとんどがオリジナルで、ブルー×シルバーや赤×ゴールドという大人っぽい色合いも魅力です。室内は東京の中心という立地を忘れてしまうほどの静けさで、気品あふれる空間の非日常度がいっそう増します。

洗面スペースとバスルームはセパレートタイプでゆったり。大理石の洗面台には、充実したアメニティが用意されています。なかでも女子が気になるのは、シャンプーやシャワージェルなどのバスアメニティですよね。「東京ステーションホテル」は、アジアのホテルとしては初めてフランスの「HISTOIRES de PARFUMS(イストワール ドゥ パルファン)」とコラボレーション。歴史やストーリーを香りで表現した“肌で読む本”をコンセプトにコレクションを展開するブランドがオートクチュールで作った「Est. 1915」を楽しめます。

広々としたバスルームは洗い場があり、使い勝手が抜群。バスタブは足を伸ばせる大きさなので、ゆっくりお湯に浸かってバスタイムを楽しみたいですね。レインシャワーもあり、心地のいい水圧で気分も身体もリラックスできますよ。

歴史を感じる館内散歩に出かけよう

全長335mの駅舎という構造を生かした客室廊下は、真っ直ぐ長くて印象的。人気のフォトスポットになっています。壁には東京駅や鉄道、ホテルに関する写真、絵画、図面が100点以上飾られ、まるで歴史ギャラリーのよう。それぞれの写真や絵画にはQRコードがついていて、専用アプリがインストールされたiPadで解説を読むことができます(専用の宿泊プランで利用可)。

ホテル最大の見どころは、南北のドームレリーフ。3階の宿泊ゲスト専用スペースには、ドームレリーフを見られる「アーカイブバルコニー」が3ヵ所あります。この距離の近さは「東京ステーションホテル」に泊まる特典ですね!

ドームレリーフは、古写真、文献や残存レリーフを元に、創建時の姿に復原。鷲のレリーフ、干支のレリーフ、秀吉の兜のキーストーンなど、辰野金吾のデザインは日本を強く意識したものでした。中心飾りの周囲には「クレマチス」も見られます。ロビーの床の真鍮は、このクレマチスを元にデザイン化しました。

工藤晴也作「時代抄」
工藤晴也作「時代抄」

2階には、創建時の南ドームレリーフの一部がアートワークになって飾られています。

チェックイン時に見どころの説明が書かれた「館内ツアーガイド」のパンフレットをもらえるので、そちらも持ってめぐってみてくださいね。

朝から夜まで楽しめる充実の飲食施設

夏の味覚を堪能できるコース 「Petit Menu Été」1万5000円より、料理のイメージ
夏の味覚を堪能できるコース 「Petit Menu Été」1万5000円より、料理のイメージ

ゆったりひとり時間を過ごす、お友達と楽しく語らうなど、ホテル内にはさまざまなシチュエーションで利用できる10のレストラン&バーがあります。

メインダイニング「ブラン ルージュ」では、全国各地の厳選した旬の食材をフランス料理の正統な技法で調理した“日本のフランス料理”を提供。窓際の一部の席からは、電車が行き交う様子を見ることができます。

「ティータイムスイーツセット」2700円。季節のフルーツをふんだんに使用したスイーツに好みの飲み物を合せて
「ティータイムスイーツセット」2700円。季節のフルーツをふんだんに使用したスイーツに好みの飲み物を合せて

ティータイムなら「ロビーラウンジ」へ。ヨーロピアンクラシックとモダンデザインがほどよくミックスされた落ち着いた店内で、ホテルメイドのスイーツをいただきましょう。朝食、ランチ、ディナーでの利用も可能ですよ。

歴史、建築、インテリアなど、さまざまな魅力で多くの人に愛される「東京ステーションホテル」。発着列車本数日本一の東京駅の中とは思えないほどゆったりとした時間が流れる空間で、特別なひとときを過ごしてみてはいかがですか?


■東京ステーションホテル
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
TEL:03-5220-1111
チェックイン時間:15時~
チェックアウト時間:~12時
料金: 1泊1室あたり4万3410円~(税・サービス料込)
アクセス:東京駅丸の内南口直結

■ブラン ルージュ
営業時間;ランチ11時30分~15時(14時L.O.)、ディナー17時30分~22時(21時L.O.)
※5月21日現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ディナーを17~20時(19時L.O.)にて短縮営業しております。緊急事態宣言の発出状況等により営業時間は随時変更となる可能性がございますので、最新情報をお問い合わせください。

■ロビーラウンジ
営業時間:平日、土曜、祝前日8~22時(21時30分L.O.)、日曜・祝日8~20時(19時30分L.O.)
※5月21日現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、8~20時(19時30分L.O.)にて短縮営業しております。緊急事態宣言の発出状況等により営業時間は随時変更となる可能性がございますので、最新情報をお問い合わせください。


Text:河部紀子(editorial team Flone)
Photo:斉藤純平
※写真の一部は東京ステーションホテル提供

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