開業130年超。名門「帝国ホテル 東京」で歴史と伝統を感じながら贅沢ステイ!
1890(明治23年)に日本の迎賓館として誕生した、日本初の本格的な西洋式ホテル「帝国ホテル」。ラグジュアリーな空間や、明治から令和へと受け継がれるおもてなしに憧れを抱く人も多いのでは?2020年に開業130年を迎えた、日本を代表する名門ホテルの魅力をお伝えします。
上質な非日常空間が広がるメインロビー
日比谷公園が目の前に広がる「帝国ホテル 東京」は、近代国家を目指す日本において、海外からのお客様を迎え入れる迎賓館の役割を担って開業しました。「日本資本主義の父」とも呼ばれる渋沢栄一が初代会長を務め、これまでにマリリン・モンローやキアヌ・リーブスなど、世界中のセレブリティが滞在してきたことでも知られています。
エントランスを抜けたメインロビーでは、大きな装花と煌びやかなシャンデリアがお出迎え。季節ごとに変わるという装花、4月の取材時はアルストロメリアやオンシジューム、モカラのイエローカラーでまとめられていました。春らしい色合いは華やかで見ているだけで元気になりそう。そして天井に輝くシャンデリアは、368枚の淡黄色ガラス板を使用した、彫刻家・多田美波さんの芸術作品「ゴールデンローズ」です。重厚で気品に溢れた姿はホテルの象徴ともいえます。
「The Rendez-Vous Loungeランデブーラウンジ」は、中二階まで吹き抜けになった開放的なラウンジです。クラシカルな雰囲気に色彩を放つ、壁一面の装飾に注目。約7600個ものガラスブロックで作られた、通称“光の壁”と呼ばれるアート作品「黎明(れいめい)」。高さ約8m、幅約25mの超大作でこちらも彫刻家・多田美波さんによるもの。独創的なグラデーションと造形美を間近で見るなら壁前席へ。こちらはフォトジェニックな写真が撮れると人気なんだとか。
1923年に完成した2代目本館(通称“ライト館”)を設計した、近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライトのデザインをモチーフにした幾何学模様の絨毯もおしゃれ!ラウンジ全景を眺めるなら中2階へ行ってみて。
メインロビー内の常設展示スペース「インペリアル タイムズ」では、帝国ホテルの初代会長を務めた渋沢栄一の功績を紹介する企画展示を2022年1月31日まで開催予定(観賞無料)。2021年の歴史ドラマ『青天を衝け』の主人公、そして2024年から新1万円札の肖像画となる渋沢栄一と帝国ホテルの関わりをここでチェック!
おもてなしの心が息づく「本館インペリアルフロア」
「帝国ホテル 東京」の客室は本館(570室)とタワー館(127室)があります。本館の7~12階はクラシックモダンをコンセプトにした客室が5タイプ、14~16階は特別階のインペリアルフロアになっています。ここではインペリアルフロアについて紹介します。
インペリアルフロアは英国人デザイナーのジュリアン・リードが「伝統と現代性の融合」をコンセプトにデザイン。スーペリアからプレミアデラックススイートまで6タイプの客室を用意していて、宿泊客はフィットネスセンター・プール・サウナの無料利用や、ドリンクや靴磨きのサービスを受けることができ、さらに着物を装ったフロア専任のゲストアテンダントがゲストのさまざまな要望に応えてくれます。
デラックスルームの広さは42㎡。ペイズリー柄の赤い絨毯に重厚で落ち着いた色合いのインテリアが歴史あるホテルを物語っています。快適な眠りへと誘うオリジナルのベッドとデュベ、エスプレッソマシーンにBluetooth対応のBOSEスピーカーなど、居心地にこだわった設備は申し分なし!本革張りのリクライニングチェアの座り心地も抜群です。
バスルームはシャワーエリアとバスタブ一体型。レインシャワーにバスチェア、温度・湯量を自由に設定できる自動給湯機能も完備しています。パウダールームには液晶テレビもあるのでお化粧しながらテレビ鑑賞もできちゃいます。
女子はバスメニティも気になるところ。インペリアルフロアではホリスティックなケアに基づくスキンケアブランド「AYURA」を採用しています。和漢植物の香りに癒されながら優雅なバスタイムを楽しんで。
東京ビューを楽しめる高層階の「タワー館」
28~31階に位置するタワー館の客室は、日比谷公園の緑や銀座の夜景を一望できる眺望の良さが自慢です。スタンダードからスイートまであります。
写真は広さ31㎡のスタンダードルーム。本館とは雰囲気が異なる、白を基調とした爽やかなデザイン。シンプルながらも、足が伸ばせるバスタブにプライベートバーなど、心地よく過ごせる設備はしっかり揃っています。
ステイケーションにもぴったりなデスクもあります。インターネット無料接続はもちろん、USBポート、さらにホテル内のあらゆる情報を配信する「帝国ホテル 東京」専用のタブレット端末も完備。バーは何時まで営業している?部屋でマッサージはできる?などデスクに居ながらホテルのさまざまな情報を確認できます。
ベッドサイドに置かれたタブレット端末を使って空調の風量や照明の点灯・消灯、カーテンの開閉などができます。ベッドでごろごろしながらタッチ操作できるのは便利ですね。
このタブレット端末、本館とタワー館の全客室に完備されています。
「帝国ホテル 東京」は“日本のホテル初”がたくさん
「帝国ホテル 東京」には “日本のホテル初”がたくさんあるって知っていますか?挙式から披露宴までを一貫して行うホテルウエディングやホテル内ランドリーサービスを導入したのはこのホテルが初めてです。
そして今では大定番となっているレストランのバイキング(ビュッフェ)スタイルもここから誕生しました。皆で料理を持ち寄って好きなだけ食べる、北欧の代表的な料理「スモーガスボード」からヒントを得て、1958(昭和33年)に日本初のブフェレストラン「インペリアルバイキング」がオープン。このスタイルは大人気となり、バイキング=食べ放題の認識も広まりました。現在、ビュッフェを楽しめるのは本館17階のブフェレストラン「インペリアルバイキング サール」です。
バイキング誕生から60年以上。ブフェレストラン「インペリアルバイキング サール」ではニューノーマルな生活様式に合わせた「オーダーバイキング」を導入しています。テーブルに備わるタブレット端末でオーダーする安全・安心な新しいスタイルです。
料金:平日ランチ8800円、ディナー1万2100円/土・日、祝日ランチ1万1000円、ディナー1万4300円)※税込・サービス料別
最初に提供されるオードブルスタンド。この日は小海老と春菊の白和え とびっ子添え、ニシンの燻製と玉葱のサワークリームソース、カリフラワーの冷静スープ生ハムとレーズンの3種。季節の食材を使った上品な味わいのオードブルを堪能しつつ、タブレット端末でオーダーした料理を待ちましょう。
メニューは月替わりも含めて40種類以上。なかでも伝統の味として、長年愛されているローストビーフは、ブッチャーシェフ(肉の仕入れから管理、仕分けを担うスペシャリスト)が厳選する上質な赤身肉をじっくりと焼き上げた、肉の旨味を存分に味わえる逸品です。濃厚なグレービーソースと西洋ワサビの爽やかな辛さもベストマッチ!ランチ、ディナーどちらの時間帯でもいただけます。
最近では長期滞在向けのサービスアパートメントや2030年にタワー館、2036年に新本館の建て替えも発表され話題となっています。受け継がれてきた歴史や伝統を守りつつ、時代に合わせて進化する「帝国ホテル 東京」。記念日や自分へのご褒美に、日常を離れてラグジュアリーステイを楽しんでみてはいかが。
■帝国ホテル 東京
住所:東京都千代田区内幸町1-1-1
TEL:03-3504-1111(代表)
チェックイン:15時
チェックアウト:12時
客室料金:本館インペリアルフロア・デラックス1室あたり14万5200円(税込)、タワー館スタンダード1室あたり7万2600円(税込)
※2021年5月現在の料金で、空室状況によって予約できない場合もあります
アクセス:東京メトロ日比谷線A13出口からすぐ、内幸町A5出口から徒歩3分
Text:木村秋子(editorial team Flone)
Photo:田尻陽子 / 帝国ホテル 東京
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