【宿泊レポ】全室スイート!「ホテル雅叙園東京」は日本の装飾美に彩られたミュージアムホテル

【宿泊レポ】全室スイート!「ホテル雅叙園東京」は日本の装飾美に彩られたミュージアムホテル

東京都 泊まる ホテル ワーケーション るるぶ&more.編集部
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目黒の地で1931(昭和6年)から続く「ホテル雅叙園東京」は、“日本美のミュージアムホテル”をコンセプトに、日本の美術工芸を随所に散りばめた唯一無二のホテルです。そんな雅な世界が広がる「ホテル雅叙園東京」の魅力に迫ります!

Summary

日本の装飾美が息づく雅な館内

JR目黒駅西口から徒歩3分、目黒川沿いに位置する「ホテル雅叙園東京」の歴史は、1928(昭和3年)に創業者・細川力蔵氏の自宅を改装した純日本式料亭「芝浦雅叙園」から始まります。1931(昭和6年)に現在の地へ移転し、「目黒雅叙園」としてオープン。数年後には日本初の総合結婚式場となり、これまで22万組以上が挙式をしています。そして2017年、全室スイートの客室を備え、「ホテル雅叙園東京」と名称を新たに生まれ変わりました。

創業者・細川力蔵氏の想い「訪れる人が夢見心地になる非日常の空間」を今に伝える絢爛豪華な館内は、江戸時代から受け継がれてきた日本の伝統美を感じることができます。こちらは1階エントランスからレストランや客室がある棟へ続く回廊で、立体的な彫刻を施した極彩色の木彫板が並んでいます。浮世絵をモチーフにした江戸時代の艶やかな女性の姿が美しい!天井に飾られた日本画家の横尾芳月(よこおほうげつ)氏らによる扇型の美人画とともに、華やかさを演出しています。

回廊の先に現れるのは「招きの大門」。門の上にはゲストに祝福をもたらす縁結びを象徴する銅製の飾りが見えます。非日常への入口を思わせる雰囲気にホテルステイへの期待が膨らみます。

雅叙園アートツアーで見学できる中国料理レストラン「旬遊紀」の特別個室「南風」
雅叙園アートツアーで見学できる中国料理レストラン「旬遊紀」の特別個室「南風」

そのほかにも、日本画や浮彫彫刻、漆に光沢ある蝶貝などの貝殻をはめ込んだ螺鈿(らでん)細工をはじめとする約2500点もの美術工芸が館内を彩ります。まさに唯一無二のミュージアムホテル!これらの美術品を鑑賞できる宿泊者限定アクティビティ「雅叙園アートツアー」も実施しています。本社造りの神殿「大巳殿(おおみでん)」や創業当時の正面玄関を再現した雅な「和室宴会場」など館内アートの見どころを訪れるので、ぜひ参加してみてください(毎日9時~10時30分、参加無料。申し込みは前日17時までにフロントで)。

80㎡以上の広々スイートはスチームサウナも完備!

「ジャパニーズ」のツインルーム
「ジャパニーズ」のツインルーム

客室は6~8階に全60室で、エグゼクティブ、ジャパニーズ、ジャパニーズモダンなど5タイプを用意しています。旧目黒雅叙園から受け継ぐ美空間と茶室をイメージした、すべて80㎡以上の広さを誇る最上級のくつろぎ空間。世界80カ国、520を超えるクオリティーの高い、小規模独立系のラグジュアリーホテルだけで構成された「スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド」に加盟する、日本の数少ないホテルでもあります。

2019年に全面リニューアルをした6階の客室フロアには、高級旅館を思わせる和の落ち着いた空間が広がっています。こちらはリビング、ベッドルーム、広縁からなる「ジャパニーズ」。畳にベッドを配した、快適さと機能性に優れた客室です。花びらのような天井照明や草花を施した壁装飾が印象的。

ベッドボードには、茶室で使われる二つ折りの屏風「風炉先屏風(ふろさきびょうぶ)」をモチーフとした西陣織を張り込んでいます。さり気ないデザインにも、おもてなしの心を感じられますね。その横にはコンセント、USBポート、そしてカーテンの開閉、照明の点灯・消灯ができるスイッチも。

ベッドルームの先には大きな窓を配した広縁があります。シャンパンや国産ワインを用意するミニバーや、「ネスプレッソ」コーヒーメーカーと3種のカプセルコーヒーも備わるのでお部屋で一杯を楽しみたい人はどうぞ。お風呂上がりの休憩にもぴったりなスペースです。

バスルームも驚きの広さ!黒を基調とした和モダンなデザインで、ゆったり脚を伸ばせるジェットバスに、スチームサウナまで完備しています。窓を開ければ半露天風呂のような気分でバスタイムが楽しめます。

バスアメニティは、フランスのスパブランド「Omnisens Paris(オムニサンス・パリ)」を採用しています。ブルターニュ地方の海洋深層水と白茶・緑茶など植物由来成分配合のシャンプーやコンディショナー、シャワージェルはもちろん、クレンジング、化粧水、保湿クリームといったスキンケアまでも用意。女子にはかなりうれしいポイント!

エグゼクティブラウンジで優雅な時間を

宿泊者専用のエグゼクティブラウンジ「桜花」は、眼下に目黒川を望む、桜の花びらをイメージした落ち着いた和の装い。朝食からティータイム、アフタヌーンティー、イブニングカクテルまで、時間帯に合わせたフードやドリンクがたくさんあり、どの時間帯でも利用したくなります。※当面の間、朝食は1階の「New American Grill"KANADE TERRACE"」となります

14~17時のアフタヌーンティータイムはスイーツを召し上がれ。取材した6月は、抹茶のわらび餅や煎茶の嶺岡豆腐、ほうじ茶のういろうといった、日本茶を使う爽やかな和スイーツも並んでいました。そのほかプチサンドやピンチョスなどの軽食、ドリンクも多彩に揃えています。これらのスイーツや軽食、ドリンクは無料でいただけるのでラウンジ利用はマストですね♪

こちらはホテルのペストリーシェフによる、館内の天井や欄間を飾る日本画を再現したチョコレート、天井画ショコラ「竹林」5個入り2400円。菖蒲はトロピカルペッパー、桜はほうじ茶、孔雀は山椒など、「ホテル雅叙園東京」ならではのデザインとフレーバーが楽しめます。1階のPATISSERI「栞杏1928」(パティスリー リアン 1928)で販売しているので、おみやげにいかが。

同じフロアにはビジュアルブックをはじめとした書籍を並べたライブラリーラウンジ「椿-TSUBAKI-」もあります。静寂のなか、本を読んだり、仕事をしたり、宿泊者は自由に利用できます。螺鈿細工の床柱や板絵などの装飾にも注目。

必見!東京都指定有形文化財「百段階段」

「百段階段」なのに99段なのは、完璧な数字より、これからの発展を願い、1を引いて99段にしたなど諸説あり
「百段階段」なのに99段なのは、完璧な数字より、これからの発展を願い、1を引いて99段にしたなど諸説あり

「ホテル雅叙園東京」に訪れたら、東京都指定有形文化財「百段階段」は見学したい!旧・目黒雅叙園に1935(昭和10年)に建てられたホテル内に現存する唯一の木造建築で、宴会場として使用していた7つの部屋を99段の階段廊下が繋いでいます。部屋ごとに異なる豪華で繊細な装飾を施した、宮大工や画家、職人による技の競演を体感できます。

「百段階段」は企画展開催時のみ一般公開されます。2021年7月3日から9月26日までは「和のあかり×百段階段2021 ニッポンのあかり、未来のひかり」を開催。詳細は「ホテル雅叙園東京」の公式サイトでチェックしてください。

「漁樵の間」は7部屋のなかでもっとも豪華
「漁樵の間」は7部屋のなかでもっとも豪華

階段を上った2番目にある「漁樵の間(ぎょしょうのま)」は、樹齢280~300年の巨木に極彩色の彫刻が彫り込まれた床柱、欄間には五節供を描いた彫刻、天井は四季草花図の彫刻と、和の空間を埋め尽くすさまざまな彫刻を堪能できます。日本画家の尾竹竹坡(おたけちくは)氏と彫刻家・盛鳳嶺(さかりほうれい)氏による最高傑作と言われ、純金箔や純金泥、純金砂子で仕上げられた、圧倒的な装飾美にただただ驚くばかり。

「草丘の間」。日本画家の礒部草丘による故郷の群馬の風景を描いている
「草丘の間」。日本画家の礒部草丘による故郷の群馬の風景を描いている

40畳の大広間「草丘の間(そうきゅうのま)」。当時は奥の間と控えの間に分かれていて、奥の間の欄間には四季草花絵、控えの間は松原の風景が描かれています。秋田杉の格天井を彩るのは花鳥画。晴天時には富士山が見えたこともあり、人気の宴会場だったそうです。

すべて日本画家・板倉星光による
すべて日本画家・板倉星光による

二間続きの「星光の間(せいこうのま)」。前室の欄間には柿やスイカなど、食べ物が描かれているのがなんとも珍しい。これらはすべて実のなるもので、豊穣を意味しています。柱は北山杉の天然絞り丸太という珍しい建材を使用しています。

日本画家による欄間の絵や天井画の素晴らしさもさることながら、手作業で仕上げていく、障子の組子も超絶技巧だそう!ぜひ間近で見てください。

美食が集まる1階のレストランフロアもチェック!

季節のアフタヌーンティー  4400円〜
季節のアフタヌーンティー 4400円〜

「ホテル雅叙園東京」は日本料理からイタリア料理まで7つのレストランがあります。そのうち5店舗は1階に集結していて、おすすめは「New American Grill “KANADE TERRACE”」(ニュー アメリカン グリル カナデ テラス)。オープンキッチンのかまどで焼き上げるグリル料理やステーキをはじめ、ランチはビュッフェ、ティータイムには季節のアフタヌーンティーなど、ランチからバータイムまでシーンによって楽しめます。

ランチビュッフェは平日3740円、土・日曜、祝日4180円
ランチビュッフェは平日3740円、土・日曜、祝日4180円

ランチタイムはビュッフェが人気。焼き立ての肉・魚介・野菜のグリルをはじめ、提携農家から届く新鮮野菜、季節のくだものを使ったスイーツなど、メニューは月ごとに30種類以上。ひとつひとつ小分けにして器に盛り付けた料理をセルフサービスで取る、ニューノーマルな生活様式に合わせたスタイルとなっています。

黒を基調とした格式ある内装はモダンかつスタイリッシュ!こちらは、絹本裏金箔張りの日本画が飾られた、和と洋が調和するアーティスティックなバーカウンター。食事の前や後、バータイムに大人の時間を過ごしてみてはいかが。

ボンボンショコラの「花宴 はなのえん」1箱8個入り3100円。和菓子と間違えてしまいそうキュートなビジュアル
ボンボンショコラの「花宴 はなのえん」1箱8個入り3100円。和菓子と間違えてしまいそうキュートなビジュアル

「New American Grill“KANADE TERRACE”」の隣には、和と洋が織りなすスイーツやデリカテッセンのショップ、PATISSERI「栞杏1928」があります。ベストリー料理長が手がけるショコラやマカロンをはじめ、独創的で目にも鮮やかなスイーツはおみやげにぴったり!

サウナとジェットバスを備えたスイートルームに、こだわりのスイーツやドリンクを用意するラウンジ。そして昭和初期の匠の技が創り上げた、歴史ある日本の装飾美に驚くばかり。「ホテル雅叙園東京」でしか体験できないラグジュアリーステイを楽しんでください。



■ホテル雅叙園東京(ホテルガジョエントウキョウ)

住所:東京都目黒区下目黒1-8-1
TEL:03-3491-4111
チェックイン:15時
チェックアウト:12時
料金:1室あたり3万6480円~
※2021年7月現在の料金で、空室状況によって予約できない場合もあります



Text:木村秋子(editorial team Flone)
Photo:田尻陽子
※写真の一部はホテル雅叙園東京提供

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