【奈良】かき氷|うるわしの「削氷」を「奈良の雑貨とカフェ&BAR ことのまあかり」にて
奈良の歴史や風景をモチーフにしたオリジナルの雑貨が並ぶ「奈良の雑貨とカフェ&BAR ことのまあかり」。歴史好きや雑貨好きの方が多く訪れるお店ですが、夏のお目当てはやはり「削氷(けずりひ)」。古代の出来事や人物に発想を得て作られたキラキラした削氷2種類をいただいてきました。
Summary
昭和の空気感漂うレトロ喫茶を受け継ぐ、宝探しのようなカフェ
「奈良の雑貨とカフェ&BAR ことのまあかり」があるのは、近鉄奈良駅からまっすぐ南に延びる小西さくら通り商店街をちょっと脇道に入った建物の2階。駅から徒歩2分ほどの距離なのにちょっと隠れ家感がある不思議な雰囲気のお店です。
純喫茶やレトロ喫茶好きならばピンとくるかもしれませんが、2011年に閉店した「可否茶座 アカダマ」のあった場所にあります。
屋号を記した樹齢800年の春日杉の看板や、階段に飾られた奈良の仏像の大きなパネルなどがそのまま残されていて、奈良好きな人にはたまらない空間になっています。
店内には奈良をモチーフにした雑貨や歴史にちなんだ、ここに来ないと購入することのできないオリジナル雑貨がたくさん並びます。
削氷「氷高」、独身の美しい女帝をイメージした氷
さて、オーナーの生駒さんは奈良の歴史や文化が大好き。奈良の本を作ったり、イベントの企画運営などをしたり、オリジナル雑貨のデザインなどを手がけたりしています。なので、看板メニューのかき氷もすべて奈良の歴史にちなんだネーミング。
かき氷を「削氷」とよぶのも、清少納言が『枕草子』の中で書いた一説「あてなるもの。削り氷に甘蔓(あまづら)入れて、新しき金鋺(かなまり)に入れたる」から。電気もガスもない時代に、削り立ての氷を金の器に入れていただくなんて、本当に上品で優雅な愉しみ。琥珀糖削氷「氷高」は、清少納言が「あてなるもの(上品なもの)」として紹介した削氷のイメージで、金鋺に入って提供されます。
ネーミングの「氷高」は「大化改新」への道を開いた立役者の一人、中大兄皇子の孫にあたる氷高皇女(元正天皇)から。後世に語り継がれる美貌をもちつつも、独身を貫いた孤高の美しさを、真白なみぞれ氷とパステルカラーの琥珀糖で表現しています。みぞれは、何種類もの砂糖を独自に配合した自信作。中にはバニラアイスが入って、味の変化が楽しめます。
削氷「蘇我入鹿」、すももの甘酸っぱさが残るすっきりとした氷
主にカフェを担当されている伊藤さんもお気に入り「蘇我入鹿」は、すももの削氷。奈良県橿原市にある蘇我入鹿を祀る神社の近くで、毎年6月28日に行われる少し早い夏祭り「すももの荒神さん」にちなんでいるそう。初夏から晩夏まで楽しめる季節限定の氷です。
酸味の強いすももの酸っぱさをなるべく消さないように、砂糖をあまり足さずにとろりとしたコンフィチュールにし、ベースは自慢のみぞれで全体的にほんのりとした甘さを出します。みぞれシロップは氷に染み込み、コンフィチュールはとろりと氷の上にのる感じ。果実の酸味が夏の暑さに疲れたカラダにすっきりとさわやかです。
奈良ならではのオリジナル雑貨をおみやげに
せっかく「奈良の雑貨とカフェ&BAR ことのまあかり」に来たので、オリジナルの雑貨もひとつだけご紹介。こちらの本にはさむ栞は1枚290円です。
山に囲まれた奈良県。鹿が棲息する若草山や山上遊園地のある生駒山、パワースポットとして人気の三輪山など多くの山のある風景を描いた栞はこちらのオリジナルのもの。手帳にはさんで旅の思い出にするのもいいですね。
氷プラスアルファが楽しめる「奈良の雑貨とカフェ&BAR ことのまあかり」。近鉄奈良駅から徒歩2分の好立地なので、奈良観光の立ち寄りスポットとして足を運んでみては?
Photo:photo scape CORNER.大﨑 俊典
Text:京都ライター事務所 小西尋子
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