北鎌倉のシェアアトリエ「たからの庭」でお手軽陶芸体験!愛らしい“蚊遣り豚”作り
北鎌倉の浄智寺は、知る人ぞ知る名禅寺。緑豊かなその敷地の奥には、さまざまなワークショップが体験できるシェアアトリエ「たからの庭」がひっそりと佇んでいます。カフェイベントや茶室、ヨガなどさまざまなワークショップがあるなか、ぜひ体験したいのが陶芸。夏の風物詩に蚊遣り豚(かやりぶた)を手作りしてはいかがでしょうか。
浄智寺に隠れた古民家をシェアアトリエに再利用
JR北鎌倉駅から徒歩6分の距離にある浄智寺は、弘安4年(1281)に建てられた臨済宗円覚寺派の禅宗寺院です。苔むした山道と鐘楼のある山門で知られ、特にアジサイの時季にはたくさんの参拝客で賑わいます。そんな浄智寺の脇を進み、鎌倉石のアプローチを進むことさらに徒歩4分。北鎌倉の森のような空間に佇むシェアアトリエが「たからの庭」です。
料理教室やカフェが開かれる築80年の古民家に、茶道を体験できる本格茶室。レンガ造りの煙突があるかと思えば、風情豊かな手押しポンプの井戸まであります。広い敷地内の各施設で、さまざまなワークショップが行われ、ギャラリーも設置されています。
陶芸小屋の「たからの窯」は、敷地の奥に、岩崖に取り囲まれるようにひっそりと佇んでいました。扉を開けようとすると、その脇に設えられた干支の置物が目に留まります。イノシシ、ネズミ、ウシ…。苔を植えられる置物作りもまた、陶芸のワークショップの作品です。
「たからの庭」の陶芸窯の歴史は昭和10年(1935)年頃に遡ります。「鎌倉陶苑」として設立されると、女流陶芸家・久松昌子さんの作陶工房として、1960年代まで大いに賑わっていました。その後は住居に活用されていましたが、2009年の「たからの庭」リニューアルオープンに伴い、工房として復活。1時間からでも体験できる陶芸ワークショップが人気を集めています。
敷地内で拾った落ち葉を押し当てて模様とする「葉っぱのうつわ」作り(体験料3400円)などもありますが、今回は夏ならではのワークショップとして、蚊取り線香の器として使われる「蚊遣り豚」作り(体験料5300円)にチャレンジしました。愛らしい蚊遣り豚で線香を焚けば、蒸し暑い夏が少しでも快適になることでしょう。
愛らしい蚊遣り豚作りにチャレンジ!
蚊遣り豚作りは、粘土と新聞紙に巻かれた缶を渡されるところからスタートします。缶に粘土をしっかりと巻きつけることで、これが蚊遣り豚の胴体の型になるのです。
胴体となる型ができたら、次はそれを立て、片方の端をすぼめていきます。蚊遣り豚のアイコンともいえる口の部分。大きくして朗らかな顔立ちにしたいのか、小さくして愛嬌を出したいのか。理想の完成図をしっかりとイメージしたうえで、その形に向かっていくことが、蚊遣り豚作りの大事なポイントです。
胴体と口ができて様になった後は、手足を作ります。粘土の塊をちぎり、成形したら、水を滴らせて胴体に接着!前後の手足が広すぎたり、狭すぎたりしたら不安定に。手足の左右も、広すぎたら筒型の胴体が床に着いてしまいます。この足の接着が、一番難しい工程かもしれません。
手足がつくことで、すいぶんと蚊遣り豚らしくなりました。次は耳を成形して接着し、目の穴を開けていきます。耳にリボンをつけたり、目に凛々しい眉毛を描いたりしてもOK!思い思いの完成図に向かって、自分だけの作品を仕上げましょう。
最後には遊び心でしっぽをつけてみました。ここまで1時間30分程度。初めて作りましたが、あっという間に本格的な蚊遣り豚の完成です!
完成した作品は鎌倉市内の窯で焼き上げられ、最大2カ月後の納品となります。郵送だけでなく、工房での受け渡しも可能。ワークショップ後にすぐ持ち帰るわけではないので、そのまま鎌倉観光を再開できるのもうれしいポイントです。
蚊遣り豚作りでは、小さい円すい型のお香などにぴったりなかわいい子豚作り(体験料4500円)もありますよ。自分の飼っているペットの型など、個性豊かな蚊遣り豚を作る方もいるそう…!世界にひとつだけの個性的な蚊遣り豚を作れるのもうれしいですね。
蚊遣り豚作りは毎年5〜9月に開催しています。冬にはグラタン皿や土鍋、年末年始には干支の置物を作ります。季節ごとに楽しみがあるのが陶芸ワークショップの大きな魅力。手ぶらで初めてでも簡単にできることから、参加者の9割が初心者とのこと。新しい趣味にも、鎌倉の観光記念にも、おすすめの体験教室です。ぜひ陶芸ワークショップに参加してみてはいかがでしょうか。
(たからの窯は毎日開催 ※要予約 https://takarano-niwa.com/ )
Text & Photo : minimal
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