【京都】ミステリアスな美女、小野小町ゆかりの地へ!

隨心院の本堂「能の間」の襖絵。小町の生涯を描いた現代の作品

【京都】ミステリアスな美女、小野小町ゆかりの地へ!

京都府 寺社 るるぶ&more.編集部
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小野小町は「六歌仙」の一人として知られ、百人一首にも歌が選ばれています。平安時代初期に実在したことは確かで、『古今集』には、最上級の歌人であり美人であったと記されていますが、本名や出生地、没年・没地も定かではなく、墓所とされるものは京都、丹後、秋田など各地に残ります。そんな謎の多さも魅力的な、美しき女流歌人、小野小町の京都に残るゆかりのスポットをご案内します!

Summary

小町屋敷跡にある古寺「隨心院」

隨心院は真言宗善通寺派の大本山。小野の地に堂々たる伽藍を構えている
隨心院は真言宗善通寺派の大本山。小野の地に堂々たる伽藍を構えている
小町が化粧に使ったという「化粧井戸」
小町が化粧に使ったという「化粧井戸」
本堂裏の竹林にある文塚。小町に寄せられた千通の恋文を埋めた所と伝わる
本堂裏の竹林にある文塚。小町に寄せられた千通の恋文を埋めた所と伝わる
本堂「能の間」の襖絵「極彩色梅匂小町絵図」。小町の生涯をCGを使って色鮮やかに描いたもので、京都のアートユニット「だるま商店」が2009年に奉納した
本堂「能の間」の襖絵「極彩色梅匂小町絵図」。小町の生涯をCGを使って色鮮やかに描いたもので、京都のアートユニット「だるま商店」が2009年に奉納した

遅咲きの梅で知られる小町屋敷跡にある古寺

小町の邸跡に立つとされる、正暦2年(991)創建の門跡寺院です。本堂には快慶作の金剛薩埵菩薩像(重文)などのほか、小町への恋文を下張りにしたという小町文張地蔵、卒塔婆小町坐像も安置しています。境内には小町の化粧井戸、文塚などが残り、梅園もあります

「百夜通い」伝説にまつわる「百夜通いの小町カヤ」

「百夜通い」伝説ゆかりのカヤは2ヵ所ある。この写真は小野葛籠尻(おのつづらじり)町のカヤ
「百夜通い」伝説ゆかりのカヤは2ヵ所ある。この写真は小野葛籠尻(おのつづらじり)町のカヤ

樹齢約900年、「百夜通い」伝説にまつわる古木

隨心院近くには「百夜通い」伝説ゆかりのカヤの古木が残っています。「百夜続けて来れば想いに応えよう」と小町に言われた深草少将はそのとおりに通い、小町邸前に証拠のカヤの実を置いていました。しかし大雪の99日目に力尽き、小町は少将の供養のためにカヤの実を蒔きました。今見るカヤはそれが育ったものだと言われています。

■百夜通いの小町カヤ(ももよがよいのこまちかや)
TEL:なし
住所:京都市山科区小野葛籠尻町
営業時間・定休日・料金:見学自由

小町に思いを寄せた深草少将の邸宅跡に立つ「欣浄寺」

本堂前の池は小町が姿を映したという「小町姿見の池」。石橋を渡った右側には少将ゆかりの井戸「涙の水」がある
本堂前の池は小町が姿を映したという「小町姿見の池」。石橋を渡った右側には少将ゆかりの井戸「涙の水」がある
本堂の脇壇に安置される深草少将張文像
本堂の脇壇に安置される深草少将張文像
深草少将と小野小町の供養塚が並び立つ
深草少将と小野小町の供養塚が並び立つ

小町に深く思いを寄せた深草少将の邸宅跡に立つ

伏見区深草の地にあるこの寺は、小町のもとに夜毎通った「百夜通い」伝説の深草少将の邸宅跡に立つといわれています。本堂には、小町への恋文を焼いた土と灰を固めて作られたという深草少将張文像を安置し、庭園には少将遺愛の井戸「涙の水」、少将と小町の供養塚などがあります。

■欣浄寺(ごんじょうじ)
TEL: 075-642-2147
住所:京都市伏見区西桝屋町1038
営業時間・定休日・料金:境内自由(本堂拝観は要予約、志納)

小町終焉の地「補陀洛寺(小町寺)」

緑に包まれて立つ本堂
緑に包まれて立つ本堂
小野小町老衰像。絶世の美女の面影はない
小野小町老衰像。絶世の美女の面影はない

小町終焉の地、洛北市原の古寺

天台宗の古寺で、小町終焉の地とされ、一般に小町寺の名で知られています。本堂には本尊の阿弥陀三尊像の脇に小野小町老衰像を安置し、境内には「小町姿見の井戸」、小町の髑髏から生えたことに始まるという「穴芽のススキ」があり、小町や深草少将の供養塔が立っています。

■補陀洛寺[小町寺](ぶだらくじ[こまちでら])
TEL:075-741-3662
住所:京都市左京区静市市原町1140
営業時間・定休日・料金:境内自由:(本堂拝観は要予約、志納)


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●この記事は『地図で楽しむ! 京都の歴史さんぽ』に掲載した記事をもとに作成しています。



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