【京都】嵐山から少し足を延ばして。嵯峨野にある紅葉の穴場・二尊院で紅葉狩り

【京都】嵐山から少し足を延ばして。嵯峨野にある紅葉の穴場・二尊院で紅葉狩り

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山々が赤く染まり、紅葉のシーズンは特に混み合う嵐山から少し足を延ばして。古刹が集まる嵯峨野は、密を避けて紅葉狩りを楽しめる穴場のエリア。今回ご紹介するのは、「紅葉の馬場」と呼ばれる参道が有名な二尊院。例年の見頃は11月中旬~12月上旬なので、ぜひ足を運んでみてくださいね。

Summary

百人一首にも詠まれた、小倉山のふもとに佇む名刹

JR京都駅から12分の嵯峨嵐山駅を出発し、のどかな田園風景を眺めながら歩くこと17分。百人一首にも詠まれた、小倉山のふもとに佇む二尊院は、ゆったりと紅葉狩りを堪能できる穴場スポットです。承和年間(834~848)、嵯峨天皇の勅願によって慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん)によって創建された天台宗寺院で、重要文化財の本尊二尊をはじめ、多くの寺宝が京都市指定文化財に指定されています。また、鎌倉時代初期には法然上人がここに住み、法を説いたことでも知られています。

参拝者を迎える[紅葉の馬場]

それでは、ルートに沿って二尊院の見どころを巡ってみましょう。まず参拝者を出迎えてくれるのが、寺の正門である総門。こちらの門は慶長18年(1613)に伏見城にあった薬医門を時の豪商・角倉了以(すみのくらりょうい)が移築・寄進したもの。唐草模様や数珠入り三つ巴紋など、華やかな文様が施されています。

総門から延びる広くなだらかな参道が二尊院のハイライト。鮮やかな紅葉に覆われる様子からこの参道は「紅葉の馬場」と呼ばれ、紅葉の名所として親しまれています。約100mの間にモミジと桜の木が交互に植えられており、秋になると赤や黄の色鮮やかな紅葉がトンネルのように参道を覆います。行きはもちろんですが、帰りに石段の上から眺める紅葉も見事なので、ぜひチェックしてみてくださいね。

多くの寺宝がある境内へ

本堂へと続く「勅使門」は天皇の意志を伝えるために派遣される「勅使」が出入りするために使われていた出入口。唐破風形の屋根が印象的な格式高い門で、この門の周りも真っ赤な紅葉が美しく彩ります。

仏様が安置されている本堂は、京都市指定文化財。平成28年(2016)には、約350年ぶりとなる平成の大改修が完了し、壮麗な姿を取り戻しました。本堂の中に入ると、左右相称で金泥塗り、玉眼入りの二尊が境内をやさしく見守っています。

二尊院の名前の由来にもなった、ふたつの仏様。ひとつは「発遣(ほっけん)の釈迦如来」。もうひとつは「来迎の阿弥陀如来」です。「発遣の釈迦如来」とは極楽往生を目指す人を岸から送る仏様のこと、一方「来世の阿弥陀如来」とは彼岸へ迎える仏様を指しているのだそう。これは、中国の唐の時代に広まった思想で、やがて日本に伝わり、法然上人に受け継がれたといいます。この二つの仏様は本堂の中央に安置されており、右に釈迦如来像、左に阿弥陀如来像が立っています。

三回撞いて、しあわせを願う

せっかく二尊院を訪れたのならば、「しあわせの鐘」にも立ち寄りましょう。釣り鐘がつるされた堂「鐘楼」は、慶長年間(1596~1615年)に建立されたもの。釣り鐘は慶長9年(1604)に鋳造され、平成4年(1992)に嵯峨天皇の1200年御遠忌法要記念を記念して再び作られました。「自分が生かされているしあわせを祈願」「自分のまわりの生きとし生けるものに感謝」「世界人類のしあわせのために」と、鐘を3回撞いて、それぞれに祈願するのがお決まりです。

秋限定の御朱印を手に入れよう

二尊院では、通常の御朱印に加え、紅葉の時期には秋限定の御朱印も登場。美しく紅葉が舞う御朱印はなんとも風流です。訪れた記念にぜひゲットしてくださいね。


「紅葉の馬場」をはじめ、寺の由来となった二尊が祀られる本堂や、しあわせの鐘など、見どころあふれる二尊院。静かにゆっくりと紅葉狩りを楽しめるのも魅力です。特に開門直後や閉門前の時間は落ち着いて見られることが多いそうなので、嵐山とセットでお出かけしてみてはいかがでしょうか。


Text:高島夢子(エディットプラス)


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