【札幌】すすきのエリアから徒歩圏内 「中島公園」の緑豊かな風景と水辺でウォーキングはいかが
札幌一の繁華街ススキノの南側にありながら、緑や四季折々の花に囲まれ、池のほとりや日本庭園をめぐる散策が楽しめる中島公園。およそ24ヘクタールの敷地内には、札幌開拓の歴史を伝える名建築「豊平館」、日本を代表するコンサートホール「Kitara」、天文台があり、さまざまなイベント会場としても利用されます。
Summary
菖蒲池を取り囲む緑に心癒される、開拓の歴史を伝える都市公園
地下鉄南北線中島公園駅、幌平橋駅にまたがる中島公園。周辺にはホテルやマンションなどが立ち並ぶ都心ですが、園内には木々や花にあふれ自然がいっぱい。「日本の都市公園100選」にも選ばれる、市民の憩いの場です。
園の中心にあるのは「菖蒲池」。公園ができる以前の明治7年(1874)ごろ、園内を流れる鴨々川(かもかもがわ)の一部をせき止め、木材の貯木場として造成したのが始まりです。
夏の名物として知られる池でのボート遊びも、明治21年(1888)ごろには行われていたという記録があります(※2020年夏以降、貸しボートは休止中)。 菖蒲池越しに南西方向に藻岩山がたたずむ風景も、中島公園を代表する景色の一つです。
池の周辺をはじめ園内には散策路、遊歩道が整備されているので、ちょっと早起きして朝の散歩に訪れるのもおすすめです。
ウルトラマリンが鮮やかな歴史的建造物に見とれ、水琴窟の音色にうっとり
園内にはいくつものみどころがありますが、その一つが明治13年(1880)に開拓使がホテルとしてとして建て、明治天皇の行在所ともなった豊平館(ほうへいかん)です。白と「ウルトラマリン・ブルー」と呼ばれる青の外壁が見事で、国の重要文化財に指定され、現在はコンサートや講演会などのレンタルルーム、結婚式場としても利用されています。
昭和38年(1963)に開園した日本庭園にも心が和みます。
北海道ではあまり見ることのない、水琴窟(すいきんくつ)も庭園内に。耳を手水鉢のそばに寄せると、涼しげでどこか神秘的な音色にどこまでも吸い込まれていくような感覚になります。
日本庭園を出て南へ歩くと、こちらは1997年開館の、北海道初の音楽専用ホール「Kitara」。日本屈指の音響設備と荘厳なパイプオルガンを備え、日本を代表するコンサートホールの一つに数えられています。
さらに園内には、札幌と深い関わりを持つ彫刻や碑像、モニュメントが点在。札幌出身の彫刻家・山内壮夫(やまのうちたけお・1907~75年)の作品、開拓の功労者を称える碑、日時計、バーンスタイン像などバラエティ豊かなので、お気に入りを探しながらの散策も楽しめます。
札幌まつりの屋台に川遊び、歩くスキー…。四季の訪れを楽しむ催しも!
歴史を感じたり文化に親しんだりできる中島公園ですが、ただ歩くだけでも豊かな自然が心を癒やしてくれます。園内にはアカエゾマツやイチイ、イチョウなどのほか、エゾヤマザクラやニセアカシア、ハルニレといった北海道らしい木々も。
約5000本が植えられ、ちょっとした森林浴もできます。 ゴールデンウイークの頃にはエゾヤマザクラ、6月に藤や菖蒲、7月には色とりどりのバラも美しく咲き誇ります。紅葉の見ごろは例年10月中旬ごろ。
また中島公園は、5月の園芸市や、6月の「札幌まつり(北海道神宮祭)」に合わせて登場する400店以上もの屋台、7月にKitaraで行われる「PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)、12月下旬に正月飾りを売る「歳の市」など、季節の催し物会場としても市民に親しまれています。
夏は鴨々川での水遊びも楽しめ、1月上旬~3月上旬に公園が雪で埋もれると「歩くスキー」のコースも開設されるなど(用具無料貸し出しあり)、四季折々の楽しみ方ができます。 コロナの影響により2020年以降休止となっていますが、早くまた安心して楽しめる状況が戻るとよいですね!
※駐車場はないため、公共交通機関をご利用ください。
Text:石渡裕美
Photo:石渡裕美
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