【京都】昭和の名作庭家・重森三玲の傑作! 「虹の苔寺」と呼ばれる光明院の紅葉の庭
京都駅からJRで3分とアクセスのよい東福寺エリアには、大寺院・東福寺を中心に塔頭や別院などが点在。その一つである光明院では、小規模ならではの味わい深い秋の絶景に出会うことができます。
東福寺塔頭の名刹・光明院へ
今回ご紹介するのは、東福寺の塔頭で「光明院」です。東福寺から徒歩2分の距離にあり、明徳2年(1391)に金山明昶(きんざんみんちょう)禅師によって開かれました。
紅葉の渓谷に橋が浮かんでいるような絶景を楽しめる東福寺は、京都屈指の大伽藍。昭和の作庭家・重森三玲(しげもりみれい)が手がけた方丈庭園も見どころのひとつで、白砂で海を表した南庭や、市松模様がモダンな北庭など、4つの庭園が方丈を囲みます。
名作庭家・重森三玲が手がけた傑作
光明院といえば、東福寺の方丈庭園と同時期に同じく重森三玲によって作られた波心の庭が有名。
重森三玲が手がけた「波心の庭」は、釈迦三尊・阿弥陀三尊・薬師三尊を表す三尊石から慈悲の心が放たれる世界を立石で表した枯山水庭園で、大海を表す白砂に浮かぶ三尊石組を基点に、立石が斜線状に並びます。寺の名前のごとく、光明が発するようにと、大小の石が直線的に配されているんだとか。ちなみに写真奥にあるサツキとツツジの植え込みは雲を表現しているそう。
秋だけに出会える虹色に染まった波心の庭
「煩悩がなければ、仏心という月は波に映る」という禅の教えから名づけられた美しい波心の庭ですが、秋にはまた違った顔を見せてくれます。
光明院は、別名「虹の苔寺」とも呼ばれており、そう呼ばれる由来となったのが秋の波心の庭です。普段は青々とした苔が印象的なこの庭園ですが、秋になると紅葉により美しく彩られます。苔の緑と紅葉の赤やオレンジで庭がカラフルに染まる様子はまさに虹のよう!
額縁庭園として楽しむ波心の庭も素敵
縁側に出て開放感たっぷりな庭園を楽しむのもよいですが、本堂の座敷からゆっくりと庭を眺めるのもおすすめ。
本堂の縁側や鴨居を額縁に見立てれば、波心庭を絵画のように愛でることができます。まるで時間が止まったような静かなひとときを過ごすことができますよ。室内からだと、紅葉がより鮮やかさを増して見えますよね!
いろんな角度から思う存分美しい庭園を堪能してくださいね。
今回は、「虹の苔寺」の名で親しまれる光明院をご紹介しました。苔と紅葉のコントラストが美しい庭園で、秋を感じてみてはいかがでしょうか。
例年10月下旬に色付き始め、11月下旬が見頃のよう。密を避けてゆっくり紅葉を楽しみたい人はもちろん、東福寺と合わせて寺社めぐりをしたい人にもおすすめの紅葉スポットですよ。
HP:https://komyoin.jp/
Text:高島夢子(エディットプラス)
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