賞味期限10分の幻の味!奈良・吉野で味わうプルプル絶品の本葛
「葛屋 中井春風堂」の葛もち、葛切りの賞味期限はなんと10分!葛の透明感やなめらかさ、弾力を味わうには、できたての状態から10分以内がベストなんだそうです。その時、その場所でしか味わえない究極の味わい。わざわざ食べに行く価値アリ!の吉野本葛の魅力をご紹介します。
吉野葛と吉野本葛の違い、わかりますか?
奈良・吉野にある「葛屋 中井春風堂」。ここで提供されるのは「吉野本葛もち」「吉野本葛切り」の2品のみ。吉野本葛のおいしさを味わってもらうため、コーヒーなど香りの強いメニューは提供しないのだそう。
ところで、そもそも「葛」って何か知っていますか?「吉野葛」と「吉野本葛」の違い、わかります?
「葛をもっとたくさんの人に知ってもらいたい」、「最高級の本葛を味わってほしい」、という思いから、「葛屋 中井春風堂」店主・中井孝嘉さんは、上質な素材を厳選し、毎日店頭で葛もち・葛切りの作り方を実演しています(冬期は店舗地下のスペースで実演を行う場合もあります)。
実は葛は私たちの身近にあるツル植物。その根に含まれるデンプンを「吉野晒(よしのさらし)」という、吉野地方に伝わる水晒し製法で作り上げたものを「吉野葛」とよびます。
なかでもサツマイモなど、ほかの植物のデンプンを混ぜず、葛のみで作られたものが「吉野本葛」。だから、「吉野葛」より「吉野本葛」の方が価格も高くなるんですね。もちろん、味わいも異なります。
葛もち、葛切りの材料は水と葛粉のみ。違いは水の量だけです。さっそく葛もちを作るところを見せてもらいましょう。
ひと晩水になじませて、水を吸いやすくした葛粉を水で溶き、鍋で加熱。熱を加えることで、白かった葛がみるみるうちに透明になっていきます。
いざ実食!これが吉野本葛の葛もち、葛切り
葛もち 800円
弾力が出てきたら鍋からおろし、食べやすいサイズに切ってできあがり。ほんのり温かい葛もちに、黒蜜ときなこを添えていただきます。
葛本来の素朴な風味と少しの苦み。ぷるんとした食感と、もっちりとした弾力。何より透き通るような透明感は、できたてならではだそう。10分といわず、すぐに味わうのが正解です!
葛切りも葛もちと同様に、水で溶いた葛粉を湯煎で固めていきます。最後にバットごとお湯に漬けると、一気に白から透明に!思わず歓声が上がります。
冷えると白濁してしまうので、お湯の中でバットから外し、手早く切って盛り付けます。
葛切り 800円
こちらもお好みで黒蜜ときなこをつけて。なめらかな喉ごしと、しっかりとした歯ごたえが味わえます。
絶対に買って帰りたくなる葛粉&葛スイーツ!
吉野葛 200g 670円、吉野本葛 200g 1340円
葛のおいしさを自宅でも味わいたい方のために、店頭では「吉野葛」「吉野本葛」を販売しています。作り方もしっかり実演してもらったので、家でもチャレンジできそうです!
より手軽に味わいたい人には、お湯を注ぐだけでOKの「吉野葛湯」(1個150円)や、「葛入り求肥餅」(1個100円)、「吉野葛まんじゅう」(1個125円)などもラインナップ。予算や用途に合わせて選んでみてください。
text:堀家千晶(TRYOUT)
photo:佐伯亜由美
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