【台湾現地レポ】台湾で昭和ノスタルジー!見学無料のリノベスポット「靜心苑」
台湾を訪れると「何だか懐かしい!」そんな気持ちになりませんか?それは日本統治時代の建物が、今も台湾の人たちの手により大切に保存されているせいかもしれません。2020年5月に開放された「靜心苑(ジンシンユェン)」もその1つ。古き良き時代を感じるフォトジェニックなスポットをご案内します。
Summary
日本統治時代の宿舎をリノベ、現代人の心を癒すレトロな空間へ
最寄りのMRT昆陽駅を出て、看板を目印に歩くことおよそ3分。ローカルな雰囲気漂う道の先に見えたのが「靜心苑」です。まるで昭和の日本にタイムスリップしたかのようなレトロな木造建築。ノスタルジックな世界が広がります。
「靜心苑」は2棟の建物から成り立ちます。
広いお庭があるのが1館。結核療養のための施設「松山療養所」の所長宿舎として1935年ごろ建てられました。伝統的な日本家屋構造に、当時流行りの和洋折衷を取り入れたヒノキ造りで、室内は芳香が漂います。雨水を防ぐ”下見板張り”や玄関先の”傘型の柱”など、かつての建築美も見ものです。
通りを隔てた向かいにあるのが2館。こちらは療養所の医療スタッフの宿舎として利用されてきました。のちに民間の手に渡ってからも、近年まで住まいとして使われてきたそうです。同じく和洋折衷の木造建築で、門柱や通気口などにはアールデコの影響が見て取れます。
長い間荒廃していた建物ですが、近隣住民の強い想いから取り壊しを免れました。リノベーション工事を終え、2020年5月~1館が、2021年9月~は2館も公開されることに。かつて療養所であった経緯を踏まえ、現代人の心を癒す空間を目指しています。
無料で見学OKの館内&展示と、有料で参加できる各種レッスン
まずは2館へ向かいましょう。
玄関を上がってすぐ左は、応接間か書斎として使われていたであろうお部屋。現在は展示スペースとなっています。常設展では、この建物に関する資料や文献などを展示。解説は中国語ですが、写真やイラスト、実際の品などもあるので、より詳細に理解を深めることができるはずです。
このほか半年ごとに内容が変わる特別展も。取材時には2つの異なる展示(Made in Taiwanの不織布マスク展&古い手提げカゴ展)が行なわれていました。今後もさまざまな特別展が企画されているとか。行くたびに楽しめそうですね。
奥のお庭に面した広間は天井が抜かれ、見事な梁がむき出しに。ここでは、各種文芸講座やレクチャーが行なわれています。フラワーアレンジメント・絵画・ヨガなど、さまざまなレッスンがあり、希望者は誰でも参加できます(要レッスン料)。詳細はフェイスブック(www.facebook.com/JingHsinYuan)をご覧ください。
往時の面影残る空間で、過去に想いを馳せながらお食事はいかが?
続いて向かい側にある1館へ。
玄関から続く広間、その向こうには縁側、外には池のある立派な日本庭園が広がります。このように縁側と廊下でL字型に区切られた間取りは、直射日光を遮り、冷気を断つ先人の知恵なのだとか。
そんなとっておきのスペースは、現在カフェとして利用されています。メニューには、ヘルシーな台湾定食やハーブティーが。もちろん建物の見学のみもOKですが、時間が許すなら、おいしいごはんと共にのんびりしたいですね。店内には台湾で活動するカナダ人音楽家Matthew Carl Lienの安らかなBGMも流れ、心地よい空間を形成しています。
カフェ利用の場合、予約をするのがベター(特に週末&ランチタイム)です。ミニマムチャージは1人NT$150、食事時間は120分となっていますのでご注意ください。
五感で楽しみたい、昭和レトロな和みスポット
数は多くはありませんが記念品の販売も行なっています。癒しをテーマにした施設にちなんで、ホッとできるアロマオイルやマッサージオイル、さらにカフェでいただけるお米やお茶もギフト用に取り揃えています。お土産にいかがですか?
かつての宿舎は昔の面影を残したまま、現代人の五感に訴えかけるリラックス空間へと生まれ変わりました。ステキな写真が撮れるフォトスポットだってたくさんあります。懐かしさを感じる「靜心苑」でほっこり癒されましょう。
■靜心苑(ジンシンユェン)
住所:昆陽街164號/185號
TEL:02‐2653‐0033
営業時間:11~21時(2号館は13~17時)
定休日:火曜
料金:見学無料(レッスン時は一部スペース見学不可)
※古跡保護のため、見学には靴下の着用(販売もあり)が必要です。
Text:林綾子(台北ナビ)
Photo:森下実希(台北ナビ)
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