【台湾現地レポ】タピるはもう古い!?台湾女子は綠豆沙に夢中!「茗萃飲品」
タピオカミルクティーやチーズティーなど、台湾発祥のドリンクは日本でも人気になっていますよね。でも、台湾にはまだ日本では知られていないおいしいドリンクがたくさんあるんです!台湾で昔から老若男女問わず愛される栄養満点なドリンク「綠豆沙」を紹介します。
台北の赤峰街に登場した「綠豆沙」の専門店「茗萃飲品」
MRT雙連駅周辺エリアは「雙連朝市」や、「大稻埕」など、台湾の人たちの生活の様子が垣間見られる下町の雰囲気を残しています。駅からほど近い「赤峰街」というストリートは、近年、地元の人からだけでなく、観光客からも“レトロでオシャレなスポット”として注目を集めています。
そんな赤峰街に2018年にオープンした「茗萃飲品」(ミンツェイインピン)は、「綠豆沙」(リュードーサー)というドリンクの専門店です。以前はホテルマンとして働いていたオーナーの鄭さんが、4年前に脱サラして始めたお店です。日本からの旅行客担当だったという鄭さんは流ちょうな日本語でドリンクの紹介をしてくれます。
台湾の人たちの懐かしい記憶「綠豆沙」
綠豆沙というドリンクは、緑豆のあんと氷をミキサーで攪拌した冷たい緑豆スムージーです。中華圏では昔から親しまれるデザートドリンクで、広東料理では温かくしてぜんざいのように楽しむ方法もあるんだとか。
台湾では台中や台南などでよく飲まれていたドリンクですが、台北出身のオーナー鄭さんも小さいころから綠豆沙が好きだったそう。ところが、綠豆沙は作るのに手間暇がかかるわりにドリンクの値段は安く、儲けが少ないため、時代とともに販売するお店も減っていってしまいました。
鄭さんは、小さいころに飲んだおいしい綠豆沙を自分の手で残し、また多くの人に味わってもらいたいと「茗萃飲品」をオープン。
現在台湾では、“古きよきものを見直す” という動きが若者の間で強まってきています。その流れの中で綠豆沙も再び脚光を浴びるようになり、綠豆沙をメインにしたドリンクスタンドチェーンも増えて来ましたが、鄭さんがお店を始めたころはまだあまり見かけず、お店の近所の人たちも久しぶりに味わう綠豆沙を喜んでくれたそうです。
手間暇かかる「綠豆沙」作り
昔ながらの綠豆沙の作り方は、大きな鍋に塩と氷を入れて、その鍋より少し小さな鍋に茹でた緑豆と砂糖、水を入れてかき混ぜるという方法だったそうです。湯せんのやり方を氷に変えて、スムージーを作っていたんですね。豆を粉末にしたものを使う簡単な作り方もありますが、「茗萃飲品」の綠豆沙は、豆から煮込んだ手作りの味です。
綠豆沙の材料となる緑豆には、「油綠豆」と「毛綠豆(粉綠豆)」という2種類があります。油綠豆は粒が大きく食感がよいのが特徴。毛綠豆は粒が小さく、表面が細かな毛に覆われていて、何度も洗わなければならないという手間がかかりますが、香りがよく味も濃いんです。毛綠豆の方が原価も高いのですが、鄭さんはおいしい綠豆沙のために毛綠豆を使用しています。
毛綠豆を丁寧に5回以上繰り返し洗って、熱湯に浸した後に、ゆっくりと豆を煮ていきます。煮ている間もこまめに灰汁を取るなど綠豆沙の準備には手間暇かかります。そしてできあがった緑豆あんと氷をミキサーで混ぜれば、看板メニューの「綠豆沙」(50元) のできあがり!滑らかな口当たりで、優しい甘みの綠豆沙は、ヘルシーで栄養満点、食物繊維もたっぷりです。
ミルク入りの「鮮奶綠豆沙」(65元) は、まろやかな牛乳と緑豆の味がピッタリでこちらも大人気。冷たくのど越しのよい綠豆沙は特に夏場に人気ですが、冬はホットで注文するのもおすすめですよ。
台湾茶×特製焦がしサトウキビシロップ
看板メニューの綠豆沙以外にも50種類ほどのメニューがあり、約20種のメニューを日替わりで出しています。時間が経ったお茶は入れ直し、常に新鮮でおいしいドリンクを提供するのも鄭さんのこだわりです。
綠豆沙以外で鄭さんのおすすめドリンクは「鮮奶烤蔗鐵觀音」(60元)。台湾産の鉄観音茶のミルクティーに合わせた、サトウキビシロップを香ばしく煮詰めた自家製の焦がしシロップが味の決め手です。シロップのコクと鉄観音茶の絶妙な苦みが合わさり、くせになる味わいです。
赤峰街からほど近い大稻埕エリアには有名なお茶の卸問屋がたくさんあり、これも出店場所に赤峰街を選んだポイントでした。鄭さん自らお茶問屋をまわり、気に入ったお茶を選んでいます。
今回紹介した、本場台湾で人気の「綠豆沙」。栄養満点でおいしく、ヘルシーなドリンクなので、これから日本でも注目が集まること間違いなしです!
■茗萃飲品(ミンツェイインピン)
住所:台北市赤峰街81號
TEL: 02-2558-5881
営業時間:10~21時
定休日:日曜
Text:石井三紀子
Photo:張哲倫
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