おいしいもの三昧! 金沢市民の台所「近江町市場」でグルメ探検
金沢でグルメを満喫するならここは外せません。そう! 近江町市場。新鮮な近海の魚介や加賀野菜をはじめとする地物野菜、寿司や海鮮丼、コロッケなど、美味な品々が集結しています。お腹の準備はいいですか? いざグルメ探検に出掛けましょう!
地元での愛称は「おみちょ」。約170店が軒を連ねる
近江町の歴史は、約300年前にさかのぼります。元禄3年(1690)に袋町の魚市場、享保6年(1721)に犀川口の市場が共に近江町に移り、合併して原型ができたと言われています。地元では親しみを込めて「おみちょ」とも呼ばれ、金沢市民の台所としてこの土地の食文化を守り継いでいます。
鮮魚や青果を中心に、加工品や衣類などさまざまなお店が約170店、小路の両側に軒を連ねています。地元はもちろん、観光客も多く訪れる金沢屈指の人気のスポット。JR金沢駅兼六園口(東口)からバスで約10分、徒歩でも15分ほどの距離なので、旅の幕開けは近江町市場で! というのもいいですね。
冬はカニ! エビ! お店の前で食べられるグルメも
取材を敢行した11月中旬の近江町市場は、カニ漁が解禁して間もないこともあり、場内はいつも以上に活気に満ちていました。石川県内の漁港で水揚げされたズワイガニの雄は「加能ガニ」、メスは「香箱ガニ」と言われ、市民待望の冬の味覚です。
売り場には、大きな加能ガニがずらり。香箱ガニも大漁です。「カニいかがー!」「水揚げされたばかりだよー!」と、売り場に立つ店員さんの声が飛び交います。交渉すれば値引きしてくれるかもしれませんよ。お土産用に購入したものは、宅配にも快く応じてくれます。
カニと並んで注目したいのが甘えび。金沢の甘エビは、身がしまってプリップリッ。甘味も十分、旨味もたっぷり、濃厚です。通年出回りますが、青い卵を腹に持つ晩秋から冬が旬です。刺身はもちろん、寿司や海鮮丼のネタとしても人気が高いです。
旬の地物野菜も盛り上がっています。冬の加賀野菜といえば、加賀れんこんや源助だいこん、五郎島金時が有名です。源助だいこんはおでんの具でもお馴染み。山積みされたカブは、金沢の冬の伝統食「かぶら寿司」にも使われます。
そして、思わず足をとめてしまうのが、宝石のようにキラキラしたフルーツのお店です。その場で食べられるように一粒ずつカットされ、カップに入ったイチゴやブドウが売られています。オレンジの実を丸ごと器にした果汁100%のオレンジジュースは、味はもちろん見た目もかわいくて要チェックです。
近江町市場は、お店の軒先で食べられるちょっとしたグルメもたくさんあります。金沢名物のドジョウの蒲焼き、ウニの刺身や生ガキなど、土産用に購入するだけでなく、その場で味わうこともできるのです。ただ、食べ歩きはNGです。必ず、購入したお店の前や各店のイートイン席でいただきましょう。
生鮮食品だけでなく、加工品も美味揃いなのが近江町市場の楽しいところ。中でも「近江町コロッケ」は、おやつや夕飯のおかずに重宝することから、地元民も大好きな味です。エビやカニといった海鮮系や旬の野菜など、さまざまなテイストの揚げたてコロッケが並びます。
■近江町コロッケ
TEL:076-224-1028
営業時間:9時~売り切れ次第終了
定休日:不定休
昼飲みもできる! いっぷく横丁でちょっと休憩
グルメ探検も終盤になり、ちょっと休憩しようと足を運んだのは「近江町市場飲食街 いっぷく横丁」。午前10時から開いている立ち食い・ちょい飲みができる場内のフードコートで、一品料理と地酒を楽しむことができます。憧れの昼飲みにぴったりの場所です。
入ってすぐに目に留るのがおでんです。金沢のおでんは「金沢おでん」と言われ、市民のソウルフードとなっています。練り物や玉子といった一般的な具材はもちろん、香箱ガニの甲羅に脚の身や内子、外子、ミソを詰めた「カニ面」や、車麩など金沢独自のものもたくさんあります。
また、バイガイやカキ、ホタテの浜焼きも良い香りを漂わせています。ノドグロの握りやフクラギの刺身といった海鮮メニューも豊富で、いっぷく横丁はまさに美味しいものパラダイス。基本的には立ち飲みスタイルです。石川の名酒を手に、それぞれの料理を堪能してください。
■近江町市場飲食街 いっぷく横丁
TEL:076-223-3789
営業時間:10~19時
定休日: 火・水曜(祝前日、祝日の場合は営業)
近江町市場では、季節のイベントも開催しています。10月恒例の大行灯祭りでは、色鮮やかな行灯が場内のあちこちに飾られ、市場はますます活気付きます。コロナ禍以前には、例年、カニ漁解禁に合わせて11月7日にカニ汁の振る舞い鍋なども行われていました。
近江町市場のグルメ探検、いかがでしたか。季節によって店頭を彩る食材も変わるので、何度訪ねてもおいしい発見は尽きません。近江町市場に並ぶ名物を一口食べればその味に、金沢グルメのとりこになりますよ。
Text:増川薫子(能登印刷株式会社)
Photo:宮崎誠、能登印刷株式会社(一部)
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