【静岡・藤枝】高級茶「玉露」をとことん味わう。茶室で玉露の茶道体験もできる「道の駅 玉露の里」

【静岡・藤枝】高級茶「玉露」をとことん味わう。茶室で玉露の茶道体験もできる「道の駅 玉露の里」

日本茶 お茶席 茶道 体験 静岡県 るるぶ&more.編集部
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静岡県藤枝市岡部の朝比奈地区は、玉露(ぎょくろ)の三大産地として名を馳せる茶処。玉露は特殊な方法で栽培される煎茶の一種で、普通の煎茶とは味わいがまったく異なる高級茶なんです。そんな玉露の茶道体験ができ、さらに料理やスイーツで満喫できる道の駅をご紹介します。

Summary

玉露(ぎょくろ)ってどんなお茶?

玉露は栽培方法に特徴があるプレミアムな高級茶。収穫前の20日前後、茶葉に黒い覆いをかけ、日光を遮って育てます。そうすることでアミノ酸が増加し、渋みの原因となるカテキン類が減少、独特の風味が得られるのだそう。普通の緑茶とはちょっと異なる、驚きの味わいなんです。

藤枝市の朝比奈川上流は、そんな玉露の名産地。「道の駅 玉露の里」は、玉露に親しんでもらうために造られた道の駅です。
朝比奈川を左右に挟んで東西に2つの建物があり、1つは立派な日本庭園を携えた茶室、もう1つはレストラン&物産館。秋は日本庭園の紅葉、春は朝比奈川沿いの桜など、季節ごとに鮮やかな景色が楽しめるのも魅力です。

細部まで意匠を凝らした茶室「瓢月亭」で茶道体験

まずは川の西側へ。日本庭園を眺めながら歩いていくと現れる風情ある建物が、茶室「瓢月亭(ひょうげつてい)」。
茶室にてお茶をいただく場合は入館料が必要ですが、庭園の見学のみであれば無料。紅葉シーズンは、赤や黄色のもみじが彩りを添えます。

造られてから30周年を迎えた瓢月亭。年月を経ることで、ますます魅力は増すばかり。池のそばに佇む様は風情があります。

瓢月亭という名前は、無病息災を願う縁起物のひょうたんと、茶室の目の前に見える山が「お月見山」と呼ばれていることに由来するのだそう。茶室内外のあちこちに、ひょうたんと月をモチーフにしたデザインがあしらわれています。

広間の障子の木枠は、昇っていく月をダイナミックに表現。こちらの障子は、下半分を持ち上げて外の景色を楽しむことができる、雪見障子になっていました。

襖の引き手にもさまざまな形のひょうたんや月がかたどられていて、とても素敵。ひょうたんと月のモチーフはほかにもたくさんあるので、ぜひ探してみてくださいね。

茶室の中からも日本庭園を眺められます。美しい景色を眺めながら玉露をいただくのは、心安らぐ贅沢なひととき。

茶道体験は、玉露とお抹茶のどちらかを選べます。今回は玉露をお願いしました。
先生の流派は、静岡に家元がいる煎茶道 静風流。作法に心得がない方も、先生が教えてくれるのでお気軽に。

混雑していなければ、先生が目の前で玉露のお点前をしてくれます。先生の所作や、使われるお茶の道具の美しさに、思わず見とれてしまいました。

低い温度のお湯で淹れるのも、玉露の特徴の1つ。高い温度では甘みが出ず、渋みばかりが出てしまうのだそう。だいたい40~45度、茶器を触って少しあたたかいくらいが目安とのこと。
玉露は最後の1滴が一番おいしいと言われているので、雫が落ち切るまでゆっくり待ちましょう。

お菓子は季節によって変わります。この日のお菓子は上用饅頭(じょうようまんじゅう)。すりおろした山芋をたっぷり使っているので、ねっとりとしていて上品な味わいです。
最初にお菓子が運ばれてきますが、煎茶道ではお茶を1杯いただいてからお菓子をいただくのがマナーなので、ご注意を。

まずは1杯目をいただきます。すぐに口の中に旨味が溢れ、これがお茶!?と驚いてしまうほど。お茶の香りも豊かです。
茶葉をたっぷりと入れているのに、苦みはほとんどなく、感じるのは茶葉の甘さ。昆布などの出汁が入っていると感じる方もいるのだとか。そのくらい旨味を感じるんです。

その後、お菓子をいただき2杯目へ。今度はどちらかというと通常の煎茶に近い香りと味わい。味の変化も楽しめます。

建物内には趣のある4畳の小間も。当日の状況次第では、こちらで茶道体験することもできるのだそう。

茶室に入れば誰もが平等、というのが千利休の教え。身分の高い人も頭を下げるようあえて狭く造られる「にじり口」から入室する、本格的な茶室です。
このほか、車椅子や足の悪い方でも入れるバリアフリーの椅子席もあります。

■茶室 瓢月亭
営業時間:9時30分~17時(最終入館16時30分)、12~2月は~16時(最終入館15時30分)
入館料:510円(玉露または抹茶、茶菓子付き)、抹茶のお点前は要予約

天ぷらそばにアフォガード!玉露をとことん楽しむ

茶道体験のあとは、朝比奈川沿いを散策しながら、川の反対側にあるお食事処「茶の華亭」へ。おみやげや地元産の野菜を販売する物産館も併設しています。

天ざるそば1380円
天ざるそば1380円

看板メニューは「天ざるそば」。ですが、ただの天ぷらとあなどるなかれ!贅沢にも玉露の葉を混ぜた衣で揚げているんです。
サクサクで、ほんのりお茶の香り。玉露のかき揚げという珍しい一品もあり、こちらも香ばしくておいしい!茶そばによく合います。
新茶シーズンになると、かき揚げが玉露のリーフを揚げた天ぷらに変わるのだそう。

玉露のアフォガード600円
玉露のアフォガード600円

アフォガードといえば、バニラアイスに熱々のエスプレッソをかけていただくデザート。しかし茶の華亭では、玉露ソフトクリームに温めた自家製玉露ソースをかける、「玉露のアフォガード」なるものがあるんです!
冷たい玉露ソフトクリームに、さらに濃厚なソースをかければ、玉露の香りがより一層豊かに広がります。

■食事処 茶の華亭
営業時間:11時~14時30分

併設の物産館では、茶葉やみやげものを販売。
特におすすめなのが、朝比奈地区で玉露を栽培し「玉露名人」と呼ばれている、8人の茶師が手掛けた玉露の茶葉。茶師それぞれの名前を冠した自信作です。玉露の味わいを自宅でも楽しんでくださいね。

■物産館 茶の華亭
営業時間:9時~17時


春は桜、夏は新緑、秋は紅葉など、季節によって表情が移ろう「道の駅 玉露の里」。日本庭園を眺めながら玉露をいただき、日本の情緒を楽しむひと時を過ごしてみませんか。

■道の駅 玉露の里
住所:静岡県藤枝市岡部町新舟1214-3
TEL:054-668-0019
営業時間:施設により異なる
定休日:12月29日~1月2日

Text:小長井真由子(FIKA)
Photo:森島吉直(しずおかオンライン)

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