京都の師走の恒例行事! 一年を締めくくる東寺の「終い弘法」に行こう <京の歳時記 12月>

京都の師走の恒例行事! 一年を締めくくる東寺の「終い弘法」に行こう <京の歳時記 12月>

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季節ごとにさまざまな行事が行われる京都。今回ご紹介するのは、世界遺産の東寺で行われる弘法市です。毎月21日に行われる弘法市ですが、12月の弘法市は「終い弘法」と呼ばれ、京都の師走の恒例行事として親しまれています。一年を締めくくる「終い弘法」の活気と賑わいをご紹介します!

Summary

毎月21日に開催される京都最大の縁日「弘法市」

「弘法市(こうぼういち)」というのは、世界遺産の東寺で毎月21日におこなわれる縁日のこと。地元では「弘法さん」と呼ばれ、親しまれています。弘法市の日には、境内に雑貨や骨董、古着などあらゆる露店が約1000店並び、多くの人で賑わいます。まさに京都を代表する縁日と言えるでしょう。ちなみに縁日とは、神様や仏様がこの世と「縁」を持つ日を意味しているそうで、この日にお参りすると、大きな功徳があるとされています。

弘法市の始まりは、弘法大師・空海の命日である3月21日に行われていた供養の法会。最初は年1回行われていた法会でしたが、1239年以降は毎月(21日)行われるようになったそう。多くの人がお参りに訪れるようになると、屋台の茶店などを出す商人が出てくるようになり、江戸時代には植木屋や薬屋など、さまざまな商人が出てくるようになったのだとか。これが現在の弘法市の始まりとされています。

弘法市は、毎月21日の朝7時ごろから16時ごろまで行われますが、出かけるなら品揃えが充実している朝がおすすめ。ぎっしり並ぶ商品の中から掘り出し物を探したり、店の人とやりとりしたり、あちこちのお店を見て回るだけでも楽しいものです。

一年中、活気あふれる弘法市ですが、なかでもひときわ賑わいを見せるのが、12月21日。一年最後の弘法市は「終い(しまい)弘法」とよばれ、お正月準備の品を求めて訪れる人も多く、一段と盛り上がりを見せるのです。

一年の締めくくり! 2021年の「終い弘法」にお出かけ

新型コロナウイルスの影響が心配でしたが、2021年12月の終い弘法は無事開催されると知り、一年の締めくくりに出かけてきました。底冷えの京都なので、寒さ対策万端!で東寺に向かいました。

最寄りの近鉄東寺駅から歩いていると、たくさんの人が東寺に向かっていました。境内にはあちこちに露店が並び、露店巡りを楽しむ人もたくさん! どこから見ようか迷いますが、気になるお店から気ままに楽しむことにしましょう。

やはり京都といえば清水焼ですよね。さまざまな色や形、柄の器が揃うので、どれにするか迷ってしまいそう。器を扱うお店が多いので、じっくりと見てお気に入りを見つけてください。

清水焼以外には、ケヤキの皮でできたスプーンやコースターを扱う店もありました。

弘法市では着物を扱う店もあちこちに。おしゃれなアンティーク着物など、思いがけないお宝が見つかりそうですね。なんと、一着100円から販売する店舗もあるので、着物にチャレンジしてみたいと思っている人にもぴったりですよ。

12月ということで、注連縄などのお正月用品を扱うお店もありました。年末ならではの光景ですね。今回は、色や飾りもかわいいものを発見! 日常生活に馴染むデザインがすてきです。

京都だけでなく、近畿各地からの出店もありました。京都にいながらプチ旅行に来た気分になれそうです。

こちらではお正月に飾る干し柿や、冬に食べたいみかんを販売。産地の和歌山県から参加しているとのこと。リーズナブルな価格も魅力です。

ほかにも、京つけものなど、京都の特産物がずらりと並んでいました。お土産にしても喜ばれそうです。 弘法市に並ぶ店舗は必ず毎月弘法市に参加しているとは限らないので、出店情報は直接店舗のスタッフに聞いてみてください。

日常生活で使えるものから、季節のもの、地域の特産物まで揃う弘法市。何度でも足を運びたくなりますね。

弘法市
TEL:075-691-3325(東寺)
時間:毎月21日の7~16時(雨天決行)
※毎月第一日曜には骨董市も開催(時間:6~14時)

世界遺産・東寺の見どころをチェック

最後に、弘法市が行われる東寺についてご紹介します。世界遺産の東寺は、多くの観光客が訪れる京都屈指の人気寺院。境内には国宝や重要文化財の伽藍が多数あり、見ごたえ十分です。

まずチェックしたいのは、こちらの五重塔(国宝)。日本一の高さを誇る木造建築で、その高さはなんと約55m。新幹線からもその姿を見ることができ、京都のシンボル的な存在でもあります。間近で見ると、その迫力に驚かされますよ。ちなみに、春・秋の特別拝観では初層が公開されます。

こちらは、五重塔と同じく国宝に指定される金堂。東寺の本堂にあたる建物で、慶長8年(1603)に再建されたものだとか。重厚感と貫禄がありますね。お堂の中には、高さ約3m(!)の薬師三尊像が安置されています。

そして、東寺を訪れたら絶対に外せないのが、広い境内の中心に位置する講堂。建物自体は、重要文化財に指定されており、こちらの中には有名な立体曼荼羅が安置されています。立体曼荼羅とは、密教の教えを21体の仏像群で立体的に表現したもので、なんと21体のうち16体が国宝、5体が重要文化財に指定されています。仏像群の迫力をぜひ間近で感じてみてください。

世界遺産だけあって、見どころがたくさん。お寺のみでも充分見応えがありますが、さらに毎月21日にはにぎやかな弘法市も楽しめるので、予定が合えばぜひ21日にお出かけしてみてください。ちなみに一年の最初に催される1月21日の弘法市は、「初弘法」と呼ばれ、こちらも「終い弘法」同様にたくさんの人で賑わいますよ。


Text:米田友海(エディットプラス)


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