京都の古民家ギャラリーカフェ「好文舎」は、あるお店のケーキも持ち込める路地奥の隠れ家

京都の古民家ギャラリーカフェ「好文舎」は、あるお店のケーキも持ち込める路地奥の隠れ家

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京都を隅々まで知り尽くす散歩の達人から教えてもらった「好文舎(こうぶんしゃ)」は、御所の蛤御門から歩いて8分の場所にある隠れ家的なギャラリーカフェ。古民家に溶け込むように展示された若手作家の作品や、店主の趣味で集められた古道具、山野を切り取ったように飾られる和花たちが静謐な空気を醸し出します。

Summary

細い路地奥の袋地にある、隠れ家的なギャラリーカフェ

建物と建物の隙間を縫うような細い道の奥、袋地と呼ばれる通路からは目立たない場所でひっそりと営まれるギャラリーカフェ「好文舎」。

控えめな看板が、ここで喫茶ができることを教えてくれます。地下鉄の今出川駅と丸太町駅のどちらからも徒歩15分圏内ながら、知る人ぞ知るお店。

格子度をくぐり、細い路地を奥に進むと、昔ながらの趣がそのまま残る古民家の入り口へ。

上り框(あがりがまち)で靴を脱いで、店内へ。玄関には、その日展示されている作品の作家さんの案内が置かれ、開かれた窓からは坪庭の緑がおもてなししてくれます。

この日は陶芸家の浅井慶一郎さんと姉の北原千さんの兄妹展が開催されていました。京都の工房を構えていたり、京都の学校で学んでいたり、京都に縁のある作家さんのギャラリーとなっています。

浅井慶一郎さんの器は、使い勝手の良さそうなものばかり。ギャラリーで展示されている作品は店内で購入できます。

こちらの建物は、もともとは悉皆屋(しっかいや)といって、着物の染めや洗い張りをする商家だったそう。その広い敷地の真ん中にある坪庭に面した手前の和室が喫茶スペース。

奥の和室は、多目的スペースとして貸し出されていて、茶話会や撮影スタジオとして時間貸しで借りることができます。

定期的に山野草を使ったお花の教室も開催されているので、興味のある人は店主に声をかけてみて。

あんことバターと焼き加減が黄金バランスのあんバタートースト

さて、喫茶のメニューは、コーヒー 500円、ほうじ茶 600円、あんトースト 300円、本日のお菓子とシンプル。骨董の器で提供されます。

歩いて5分の場所にあるコーヒーマイスターが自家焙煎する「カフェ デ コラソン」のコーヒー豆を丁寧にハンドドリップ。定番のアントーストとともにいただきます。トーストも近所の、同じように路地奥の町家で営む「ぱんだより のどか」のパンを使っています。

こんがり、表面カリッと焼き上げたトーストに自家製のあんことバターをあわせて。トーストの熱でふわっと温かいあんこと溶けかけたバターが絶妙で、とっても美味。

店主の認めた2店舗のお菓子のみ持ち込みもOK

本日のお菓子は、西へ徒歩6分ほどの場所にある「京菓子 金谷正廣(きょうがし かなやまさひろ)」の練り切り。最近では、京都市京セラ美術館で展示される日本画とコラボレーションした和菓子を作ったことでも注目を集める老舗の和菓子店です。「京菓子 金谷正廣」の菓子であれば、持ち込み可能。

もう1店舗、持ち込み可能なのが、歩いて1分ほどの距離にある「オハヨービスケット」の洋菓子。

ショーウィンドウの上には「喫茶 好文舎でワンドリンクオーダーにてお召し上がりいただくことができます」との案内がありました。

好みの焼き菓子を選んで、「好文舎」へ戻ります。テーブルに備え付けてある取り皿は、持ち込み菓子のためなのです。

骨董のお皿は洋菓子とも相性抜群。店主とも交友があり、ご近所でも評判のお菓子をおいしいコーヒーと一緒にいただける素敵な空間。新進気鋭の作家の作品と思いがけない出合いもお楽しみに。

Photo:l'atelier kicca 菊地佳那
Text:京都ライター事務所 小西尋子

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