北野天満宮の「初天神」にお出かけ!毎月25日開催「天神市」の新年初回<京の歳時記1月>
京都の神社仏閣では、一年を通してさまざまな行事が行われています。今回は、毎月25日に北野天満宮で行われる天神市をご紹介します。一年の最初に行われる1月の天神市は「初天神」と呼ばれ、多くの人で賑わう一大行事。その活気や、北野天満宮の見どころなどをご紹介します。
毎月25日に開催される縁日「天神市」
毎月25日は、北野天満宮のご縁日です。「縁日」というと、露店が並ぶお祭りのようなイメージを持つ人が多いと思いますが、ご縁日は文字通り、神様との「縁」がある日のこと。北野天満宮に祀られる菅原道真公が生まれた6月25日と、薨去(こうきょ)された2月25日に由来し、25日がご縁日に決まっているそうです。
ご縁日の25日には参道に多くの露店が立ち並びます。神社の愛称「天神(てんじん)さん」にちなみ、縁日は「天神市(てんじんいち)」と呼ばれ、多くの参拝者でにぎわいます。なかでも盛り上がりをみせるのが、一年の最初に行われる天神市。1月の天神市は「初天神(はつてんじん)」とよばれ、地元の人はもちろん、観光客の方もたくさん訪れます。
初天神を含む毎月25日の天神市は、朝6時ごろから始まります。露店は21時頃まで出ていますが、人気のお店はどんどん商品がなくなっていきますので、遅くとも午前中には出かけるのがおすすめです。一見ガラクタに見えるものでも、実は掘り出し物の骨董だった……なんてこともあるかもしれません。また、日没のあとに境内のライトアップが行われます。本殿などの社殿が美しく照らし出され、昼とはまた違った、幻想的な雰囲気を楽しめるので、こちらもぜひ注目してみてくださいね。
一年最初の恒例行事! 2022年の「初天神」へ
2022年の始まりということで、1月25日の初天神に出かけてきました。底冷えの京都なので、初天神は寒さがつきもの。雪がちらつくこともめずらしくありません。長時間、外にいることになるので、コートはもちろん、マフラーや手袋も必須。しっかり防寒対策をしてお出かけするようにしましょう。
京都駅や京都市内中心部から北野天満宮へのアクセスは、市バスの利用が一般的。毎月25日は、北野天満宮方面へ向かうバスは混雑していることが多いかもしれません。最寄りのバス停は北野天満宮の目の前なので、バスを降りると天神市の賑わいが目に飛び込んできます。
露店は北門へと続く参道のほか、東門横の上七軒へと続く道まで広がっています。扱っているものは定番の器や着物のほか、日常生活に馴染むインテリアなどさまざま。たくさんの露店の中から、ライターが気になったものをいくつか紹介します。
こちらでは、ネコのグッズを扱っていました。置物の大きさやネコの表情はさまざまなので、好きなものを選んでください。招き猫を飾って今年の福を呼び込むのもいいですね。
京都の風景や四季の様子を切り絵で表現した、メッセージカードを発見! 繊細な作品に思わず見とれてしまいました。大切な人への想いをかわいいカードに綴ってみましょう。カード以外にも、切り絵で作られたしおりも販売していました。
物販だけでなく、グルメも揃っています。こちらは京都の定番漬物・すぐきなどが並ぶ店。たくさんの種類があるので、食べ比べてお気に入りを見つけるのもおすすめです。
梅の名所としても有名な北野天満宮。毎年2月初旬~3月下旬には見ごろを迎え、梅苑が公開されます。初天神の際も梅の花が少し咲き始めていました。境内がピンクに染まる時期にも訪れてみたいですね。
天神市
TEL:075-461-0005(北野天満宮)
時間:毎月25日の6時頃~21時頃(ライトアップは日没から)
学問の神様・北野天満宮の見どころをチェック
学問の神様である菅原道真公を祀る北野天満宮は、全国天満宮の総本社です。少しですが、境内の見どころについてもご紹介したいと思います。
最初にご紹介するのは、重厚感あふれる三光門(さんこうもん/重要文化財)。本殿前に立つ中門で、梁の間に日・月・星の彫刻が施されていることが、名前の由来だと伝えられています。しかし、ちょうどこの門の上に北極星が輝くことから、実際には星の彫刻だけがないという説もあるのだとか。この伝説は、「星欠けの三光門」として北野天満宮の七不思議に数えられています。
北野天満宮といえば、神様のお使いであるお牛さまです。境内を歩いていると、たくさんの牛の姿を見つけることができます。これらは「撫牛(なでうし)」とよばれ、この牛を撫でるとご利益を授かることができるとされています。どうりでピカピカに輝いているはずですね。ちなみに、境内の十数頭の撫牛には、抗ウイルス・抗菌加工が施されているそうですよ。
撫牛のなかで一番有名なのが、境内の北西に位置する「一願成就のお牛さま」です。撫でると一つだけ願いを叶えてくれると伝わり、北野天満宮の撫牛のなかで最も古いものだと伝わるそう。なんと、江戸時代から信仰されてきた場所なのだとか。清らかな気持ちで、願いを込めて撫でたいですね。
また、近年は手水に色とりどりの花を浮かべた「花手水(はなちょうず)」でも注目を集めています。2020年夏から登場した花手水は、SNSでも話題になっているとか。季節に合わせて、1週間ごとに意匠が変わるそうなので、どんな意匠に出合えるか楽しみですね。
学問の神様として知られる北野天満宮には、たくさんの見どころがあります。神社だけでも満足できること間違いなしですが、予定が合えばぜひ天神市も楽しめる25日にお出かけしてみてくださいね。
Text:米田友海(エディットプラス)
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