食・グルメ
2022.02.09
ならまち「大和茶カフェ 茶樂茶」で日常を忘れるくつろぎティータイム
世界遺産・元興寺（がんごうじ）の旧境内を中心とした「ならまち」は、雰囲気のある町並みや素敵なお店がずらりと並ぶお散歩エリア。そんなならまちにオープンした「大和茶カフェ 茶楽茶（やまとちゃかふぇ さらさ）」は、奈良で栽培される“大和茶”にこだわったカフェです。目の前で丁寧にいれられるお茶と、おいしい甘味に舌鼓。日常をひと時忘れ、くつろぎの時間が過ごせます。
お茶時間を演出する空間と素材のこだわり
「大和茶カフェ 茶楽茶」があるのは、「近鉄奈良駅」から徒歩15分ほどのところ。格子戸の町家がずらりと並ぶ通りに、同店もまた同じ趣で建っています。
オープンしたのは2020年11月。海外旅行が好きで各地を訪れていたオーナーの石川さんが、「日本でも、海外のようなお茶を楽しむ時間の豊かさをお伝えしたい」と立ち上げました。
ゆったりとした気持ちで過ごせるようにと、幅の広い大きなカウンターと座り心地にこだわった椅子を配置。カウンター奥に見える緑が、自然との融合を表現しています。
メインとなるお茶は、「かぶせ茶」と呼ばれる種類の大和茶。収穫前の1週間、茶葉に覆いをかぶせて日光から遮ることで渋みを抑えてうまみを引き出したものです。同店では奈良市田原地区のお茶農家さんから直接仕入れた茶葉を使用します。
通常のお茶作りよりひと手間もふた手間もかかるため高価格になってしまいますが「その分とってもおいしいので、ぜひ召し上がっていただきたかったんです」と石川さん。
温度で変わるお茶の味。最後の一滴までいただきます
オーダーしたのは大和茶の「煎茶」748円。茶釜の中で温めたお湯を、適温に湯冷まししてから急須に注ぎます。ひとつひとつの所作がとても美しいので、じっと眺めていても飽きません。
1分待ったらお茶碗へ。最後の一滴にうまみが凝縮しているので、漏れなく取り入れるべく時間をかけて絞り切ります。
緑茶＝苦いもの、というイメージの人にこそ飲んでいただきたい一杯。苦味はまるでなく、うまみだけがふくよかに広がります。
奥に見える特徴的な急須は常滑（とこなめ）焼のもの。表面に施された小さな気孔の効果でお茶がまろやかになるのだそう。平たい形状にすることで茶葉も開きやすいのだといいます。
お湯の温度を低くしてうまみを際立たせた一煎目、温度が高いままでうまみと苦味のバランスを楽しむ二煎目、すっきりいただける三煎目と続き、最後に登場するのが茶葉のおひたし。出涸らしの茶葉を器に少し取り分け、だしとかつおぶしをかけて提供されます。
ほんのり青味の残った茶葉とだしがやさしく調和。三煎のお茶とおひたしで、まるでお茶のフルコースをいただいたかのような充実感がありました。
和と洋の融合「紫いもモンブラン」もおすすめ！
お茶とともにスイーツを楽しむなら、人気No.1の「紫いもモンブラン」1320円をぜひ。一般的なさつまいものモンブランと思うことなかれ、想像を軽く上回るおいしさです。
紫いものスポンジを土台に、紫いもの甘露煮を加えたほうじ茶わらび餅をのせ、生クリームで覆って紫いもペーストをたっぷりとオン。周りのトッピングはチョコクランブルとさつまいもチップ、エディブルフラワーです。
和と洋の融合をテーマに考案したもので、何度も試作を経て現在の形になったのだそう。周りのトッピングを一緒に含めば、食感や塩味の妙でおいしさがさらに広がります。
お茶にもスイーツにもこだわりが詰まった「大和茶カフェ 茶楽茶」。奈良発の大和茶のおいしさをぜひゆっくりと味わってみてくださいね。
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Text：木村桂子（ウエストプラン）
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