「カルネ」を生んだベーカリー「志津屋」の魅力とは?<京都パン巡り②>|るるぶ&more.

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京都府 るるぶ&more.編集部 パン ベーカリー サンドイッチ
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京都を代表するパンの名店をご紹介するシリーズ。2回目は、昭和23年(1948)創業の「志津屋」です。京都人偏愛の名物パン「カルネ」や創業当時からの味を提供する「元祖ビーフカツサンド」など多彩なパンを提供する志津屋。その魅力に迫ってみました。

Summary

老舗ベーカリーの店名の由来は創業者の奥さん

京都で知らない人はいない、というほど、多くの人に愛されるベーカリー「志津屋」。志津屋は、昭和23年(1948)に京都・河原町に開業しました。店の名前は、愛妻家だった初代社長・堀信(ほり まこと)さんの妻・志津子(しづこ)さんに由来しています。

当初は、パンや洋菓子の加工などを行っていたそうですが、昭和26年(1951)には2号店となる四条店を開設し、店頭でのパン販売を開始。以来、事業を拡大して現在は京都市内を中心に21店を数えるまでになりました。

昭和57年(1982)に移転し、現在本店は京都市右京区にあります。店に入ると、隣の工場で焼き上がったばかりのパンが並び、豊かな香りに包まれています。菓子パンやおかずパンをはじめ、フランスパン、食パン、サンドイッチ…と、多彩なパンが揃うのが志津屋の魅力。期間限定商品のほか、毎月新商品もお目見えするので、いつ訪れても新しい発見があります。

また、志津屋のパンは、おいしいことはもちろん、合成のイーストフード不使用の「身体にやさしいパン」であることが特徴。子どもたちも安心して食べられるパンづくりを目指しているのも素敵ですね。

看板商品「カルネ」誕生秘話

そんな志津屋の代表商品といえば、丸いフランスパンにボンレスハムとタマネギを挟んだだけという、これ以上ないシンプルさが特徴のカルネです。2代目社長がヨーロッパ視察時に出合った「カイザーロール」(ハード系のパンにハムやチーズを挟んだサンド)をヒントに誕生したパンで、日本人の舌に合う味わいを目指して試作を繰り返したそうです。

カルネの開発当時は、サンドイッチに生のタマネギを使うことが一般的ではなかったため、担当者のなかから「クセがあるので挟めない」という反対意見も起こったとか。しかし、タマネギが持つシャキシャキとした食感が心地良いアクセントになると、カルネの味の決め手となりました。

カルネは発売後、志津屋の看板商品として京都人の間で定着。テレビ番組などで紹介されると更に人気に火がつき、今でも1日に約6000個が売れているそうです。また、JR京都駅内に店舗を設置してからは、カルネは京都のお土産としても話題を集め、全国的にもより一層知名度を高める結果となりました。

冷蔵ケースの大部分を占めるカルネ。スタンダードな京かるね210円以外にも、黒コショウマヨネーズで挟んだペッパーカルネ220円、チェダーチーズをプラスしたチーズカルネ250円の3種類があり、それぞれ違った風味を楽しめます。

また昨年には、カルネの味のポイントとなる特製カルネマーガリン830円を発売。おうちでカルネを再現できるとあってネットを中心に話題となりました。マーガリンは、志津屋の店舗のほか、amazonや楽天などでも購入可能です。

「元祖ビーフカツサンド」などおすすめパンいろいろ

カルネと並ぶ志津屋の代表商品が、こちらの元祖ビーフカツサンド600円。独自に開発した甘辛いソースをくぐらせたビーフカツを軽くトーストした食パンでサンド。2枚重ねのお肉がボリューム満点、衣のさっくりとした歯応えも楽しめる、創業当時から人気の商品です。

ゆで卵サラダではなく、玉子焼きを挟んだものが多い京都のタマゴサンド。志津屋で人気のふんわりオムレツサンド580円も、ボリューム満点の玉子焼きをサンドした逸品です。綺麗な黄色い玉子焼きは、素朴でまろやかな味わい。後を引くおいしさです。

ハードなフランスパンにボンレスハムとプロセスチーズを挟んだカスクート430円(写真)も、志津屋を訪れたならぜひ買っておきたいイチオシのパン。シンプルながら飽きの来ない味わいは、志津屋のパンに共通する特徴かもしれませんね。
「ロングサイズは食べきれない…」という人や「小腹が空いた時に食べたい」という人には、ハーフサイズのミニカスクート230円もおすすめです。

大納言あんドーナツ190円やたっぷりクリームパン210円など、菓子パンも実力派揃い。なかでも、写真のホワイトキャラメルロール200円は、ふんわりソフトな歯ざわりのパンにキャラメルクリームがマッチした絶妙なおいしさが人気の秘密。こちらもぜひ味わってほしいパンです。

創業から75年近くにわたって京都人の身近な存在であり続ける志津屋のパン。名物のカルネがヒットした裏には、より良い商品を提供したいと試行錯誤を繰り返した、当時の担当者の熱意がありました。京都を代表する観光地の近くにも店舗があるので、お土産にカルネや元祖ビーフカツサンドなどを買ってみてはいかがでしょうか。

志津屋 本店
住所:京都市右京区山ノ内五反田町10
TEL:075-803-2550
営業時間:7~20時
定休日:無休

Photo:ハリー中西
Text:津曲克彦

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