【兵庫】 世界が注目するテキスタイル・播州織の“今”を探しに、 日本のへそ・西脇市にある「tamaki niime Shop & Lab」へ
兵庫県のほぼ中央に位置する西脇市は、江戸時代から続く伝統産業・播州織の産地として世界的に知られています。また、東経135度・北緯35度が交差することから「日本のへそ」ともいわれ、パワースポットとしても人気。そんな西脇市に拠点を置くのが、一貫した“モノづくり”の姿勢で唯一無二の作品を世に送り出す、気鋭のデザイナー・玉木新雌さん。今回は、玉木さんのショップ&ラボ(工房)をご紹介します。
Summary
「tamaki niime」ブランドの最旬アイテムがずらり!
「tamaki niime Shop & Lab」は、初夏にはホタルが飛び交うほど清らかな畑谷川のほとりにあります。もと染工場だった大型の建物を活かし、手前にショップスペース、奥にラボ(工房)を構えています。ショップスペースには極上の肌触りと奥行きのある色彩が魅力のさまざまなアイテムがずらり!染色から製織、ニット、洗い加工、縫製までラボで一貫して行っており、どれも世界に一つしかない1点モノです。
床のカラフルな渦巻きアートは、玉木さんが素手で思いのままに描いたものだとか。言葉にならない不思議なエネルギーを感じます。
播州織の新たな可能性に挑戦し続けるデザイナー・玉木新雌さん
ショップの奥にあるラボで、玉木新雌さんにお会いしました。「tamaki niime」ブランドの代名詞であるショールが本当にお似合いです。手前の力織機は1960年代のもの。今も現役で日々稼働しています。ラボはガラス張りのオープンスペースとなっていて、誰でも見学自由。“モノづくり”の現場を肌で感じることができます。
ウールを知るために羊を飼い、綿花を知るためにコットン畑を耕す
ラボを出ると、自然に包まれた青空広場のようなスペースが広がり、ふと見ると羊が草を食んでいます。羊からウールが採れるという当たり前のことを、改めて知るために飼い始めたとのこと。写真はリーダー格の“ぽち”。茶色の“チャイ”や白色の“まきちゃん”もいます。今後はヤク、カシミヤ山羊、馬なども仲間に入れたいんだとか。
畑谷川の向こうに広がるのは、自社のコットン畑。糸の原料となる綿花のルーツを知るため、2014年から完全無農薬のオーガニック・コットン栽培に取り組んでいます。毎年秋の収穫を、地域の子どもたちもお手伝いしてくれるそう。コットン栽培からスタートした農業は、野菜や米作りへと食の方向への広がりもみせ、さらなる展開に期待大です!
「播州織の魅力は、糸を染めてから織る“先染め”にあります」。ラボ内の染色セクションでスタッフの藤本隆太さんが手にしているのは、紡いだ糸を束ねた綛(かせ)の1巻。この真っ白な綛を一つずつ丁寧に、染色釜でさまざまな色に染めていきます。
染め上がった糸が並ぶラボ内の糸棚では、玉木さんが楽しそうに糸を選んでいます。「糸棚に話しかけると、糸が呼ぶんですよ。私を使って~!って」。人間も動物も植物も同じ立場なんだという玉木さんのスタンスは、糸や機械などモノとの“対話”にも表れているのです。
身に着けると気持ちよ過ぎて一瞬で幸せになれるショール
さて、いよいよショップでのお買い物タイム。まずは、「tamaki niime」ブランドの代名詞・ショールから。空気のように軽くて柔らかいショールは、ふわりと羽織ったり、無造作に首に巻いたり、どんな使い方をしてもしっくり肌に馴染みます。奥行きのある色彩はどれ一つとっても同じものはなく、文字通り世界にたった一つだけのオンリーワン・アイテムです。
コットン100%のロングTシャツは軽やかさとシルエットが素敵
続いてご紹介するのは、ふわっと軽やかな肌触りだから、その名もfuwa-T。コットン100%で着心地抜群! ワンピースとして1枚でサラっと着ても、レギンスやパンツと合わせてもサマになる優れものです。裾に向かって広がるAラインのシルエットも素敵。オールシーズン、オンにもオフにも活躍しそうです。
肌にすぐ馴染むTシャツと、日常履きしやすいルームシューズ
次にご紹介するのは、リピーター続出のTシャツとルームシューズ。どちらも柔らかく、肌にすぐ馴染むので、一度心地よさを知ってしまうとエンドレスなユーザーになること必至です。Tシャツは一見すると1色ですが、よ~く見ると濃淡のある複雑な色目をしています。それこそが“先染め”の魅力。平面なのに奥行きを感じられるのです。
雨の日も晴れの日も、おでかけが楽しくなるパラソル
最後にご紹介するのは、雨や日差しを避けるから「よけよけ」と名付けられたパラソル。1本たりとも同じ色柄のものはありません。絶対に置き忘れない“マイ傘”として末永いお付き合いになりそうです。撥水・UVケア加工を施した晴雨兼用パラソルは、持ち手と中棒が木(メイプル)なのもこだわりポイントです。
2022年2月23日、新店舗「tamaki niime shima」がオープン!
ここで、ビッグニュース!「tamaki niime Shop & Lab」から車で約5分の国道175号線沿いに、2022年2月23日、新店舗がオープンしました! tamaki niimeアイテムに限らず、播州織の生地や暮らしの雑貨、食品などを取り揃え、播州織の産地・西脇市の魅力をアピールする“村の案内所”のような場になれば、との想いでスタート。新たな展開にますます目が離せない“モノづくり”の現場を、実際に訪ねてみてはいかがでしょうか?
■tamaki niime Shop & Lab
住所:兵庫県西脇市比延町550-1
TEL:0795-38-8113
営業時間:11~17時
定休日:月・火曜
アクセス:JR日本へそ公園駅から徒歩10分
■tamaki niime shima
住所:兵庫県西脇市嶋447-1
TEL:0795-27-8227
営業時間:10〜16時
定休日:月・火曜
アクセス:JR西脇市駅から車で10分
『大人の日帰り旅 関西2023』2022年3月9日発売!
「近場で気軽に行ける、何度行っても楽める、京阪神発のいいところ」を紹介する大人の日帰り旅ガイドです。 話題のスポットや最旬情報を盛り込んだ、大人世代に向けた1冊です。
Text:長谷川ゆかり(パーソナル企画)
Photo:小檜山貴裕
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