食・グルメ
2022.03.30
京都人が魅了される「まるき製パン所」。シンプルなのにクセになる！コッペパンサンド＜京都パン巡り③＞
京都に数ある老舗ベーカリー。その象徴的な存在ともいえるのが、松原大宮にある「まるき製パン所」です。創業70年を超える歴史があり、地元の人はもちろん、最近は観光客も訪れる人気パン店。その魅力をご紹介します。
創業75年！地元の人に愛されるコッペパンサンドの名店
昭和22年（1947）創業の「まるき製パン所」は、昔ながらの対面販売が特徴。笑顔が素敵なスタッフの皆さんが、お客さんの注文に応じてパンを用意してくれます。
棚にズラリと並ぶパンの大半を占めるのが、名物・コッペパンサンドです。どこか懐かしい雰囲気を醸し出すコッペパンサンドは、おかず系からスイーツ系まで多種多彩。
元々、近くに女子校があり、お昼時にはあっという間にパンが売り切れてしまったため、具材を挟むだけですぐに提供できるコッペパンを出すようになったとのこと。手軽に食べられることから、近所に住む染物職人さんもよく買いに来ていたそうです。
平日の開店は早朝の6時30分。出勤・通学途中の地元の人がパンを求める光景が、よく見られます。また午前中は、朝食用や昼食用にパンを買う人で行列ができることもしばしば。最近は、ガイドブックやWeb等で、京都を代表するパンの“聖地”として紹介されることも多く、観光客も訪れる人気スポットとなりました。
「毎日食べても飽きない」美味しさの理由
店の奥にある工房では、街がまだ眠りについたままの深夜からパンを焼き始めます。「『1日にコッペパンを何個焼くの？』とよく聞かれるけど、数えたことがないですわ」と笑顔で語るのは、店主の木元廣司さん。
「使う素材を極端にこだわっているわけではないですが、美味しいパンづくりにはこだわり抜いています」と話すように、コッペパンは程良い食感の軽さと歯切れの良さが特徴。
また、多くのパン店ではパンの焼き上がり時間がだいたい決まっていますが、まるき製パン所では、その日のパンの売れ行きに合わせて何度もパンを焼くため、いつでも焼きたてのパンをいただけます。ここも、まるき製パン所が人気を集める理由なのかもしれませんね。
工房の手前は作業台となっていて、スタッフの皆さんが切り込みを入れたコッペパンにキャベツやハム、カツなどの具材を挟んでいます。作業の光景は販売スペース越しに眺めることができ、楽しそうに作業される姿に、なんだか元気までもらえちゃうんです。
まるき製パン所で買いたいおすすめパン4選
おかず系からスイーツ系まで、14種類前後が揃うコッペパンサンド。一番人気を集めているのがハムとたっぷりのキャベツ、マヨネーズで構成されたハムロール170円です。
決して派手さはありませんが、それぞれの旨みが見事に調和したおいしさは、まさに”シンプルイズベスト“。このハムロールにプラスして好みのパンを買うお客さんも多く、まるき製パン所の看板商品といえます。
おかず系、なかでも揚げ物をこよなく愛する人におすすめしたいのが、エビプリカツロール260円。その名の通りプリプリ食感のエビカツがドドーンと挟まれた人気商品。相性抜群のタルタルソースにレモンの程良い酸味がアクセントとなった、食べ応え抜群の一品です。
たっぷりの粒餡を挟んだあんぱん150円をはじめ、クリームパン140円、チョコレート140円などのスイーツ系も充実。おかず系とスイーツ系を合わせて買う人も多く、なんとも幸せな時間を過ごせること間違いなしです！
ついついコッペパンサンドに目が行きがちですが、食パンやおやつパン、惣菜パンなどの種類も豊富。なかでも、京都のご当地パンとも言われるニューバード170円は、カレー風味の生地で厚切りハムを挟み、さらに衣をつけて揚げた人気商品です。
サクサク食感の揚げパンに旨みのある厚切りハム、少し控えめなカレーの風味がそれぞれに程良い主張で、どこか懐かしさも感じられる味わいはクセになるはず！こちらもぜひ試してみてくださいね。
創業から75年を数え、今や京都を代表する老舗パン店として多くの京都人がおすすめするまるき製パン所。人気のコッペパンサンドはもちろんですが、人とのつながりを感じられる対面販売や楽しそうに働くスタッフの皆さんの存在も、ファンの心をつかむ理由ではないでしょうか。京都を訪れた際は、ぜひ立ち寄ってほしいパンの名店です。
まるき製パン所
住所：京都市下京区松原通堀川西入ル北門前町740
TEL：075-821-9683
営業時間：6時30分～20時（日曜、祝日は7～14時）
定休日：不定休
Photo：ハリー中西
Text：津曲克彦
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