全国花火競技大会

写真提供:秋田県

【大曲の花火】人生で一度はみたい感動の花火、制作現場のウラ側へ!

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秋田県大仙市の大曲(おおまがり)で行われる花火大会・通称「大曲の花火」。年4回大会が開かれ、とくに8月に行われる夏の全国花火競技大会は日本最高峰の花火大会として知られています。今回は秋田県の小松煙火工業さんの元を訪れ、大会のみどころや花火制作のウラ側を教えていただきました♪

Summary

日本三大花火大会のひとつといわれる秋田県大仙市・大曲(おおまがり)の「全国花火競技大会」。全国から選抜された一流の花火師たちが腕を競い合う、秋田そして東北の夏を代表するイベントです。

「大曲の花火」は8月に行われるこの全国花火競技大会が最も有名ですが、年4回各大会ごとに、異なるテーマで花火大会が催されています。

地元の方に聞いてみると、夏はもちろんだけど、それ以外の季節も穴場なイベントでオススメなんだとか…!

そこで今回は、秋田県大仙市の大曲にある「小松煙火工業」さんの元へ訪れ、大会に向けての意気込みや花火制作のウラ側を特別に見せていただきました。

「花火ってこうやって造られているんだ!」と、驚きの連続。これからの花火大会の見方が変わること間違いなしです。美しい写真とともにお送りします♪

※全国花火競技大会の2022年の開催情報は2022年3月時点で未定です。各内容はやむを得ず、変更・中止となる場合がありますので、ご来場の際は電話等で事前にご確認ください。

【8月開催】全国花火競技大会ってこんなイベント

全国花火競技大会
全国花火競技大会/写真提供:秋田県

選ばれし花火師のみが参加できる日本最高峰の花火大会

「大曲の花火」と総称される花火大会のなかでも、夏の全国花火競技大会は、毎年数十万人もの観光客が押し寄せるビッグなイベント。

明治43(1910)年から続く権威ある花火大会で、全国から“選抜された”一流の花火師が日本一の座を目指して腕を競い合います。

全国の花火師なら誰でも競技大会に参加できるというわけではなく、主催者によって選ばれた花火師しか参加が許されないのだそう。現在は約28の花火業者が選ばれています。

5年に1度出場者の入れ替えが行われ、ほかの花火大会で上位に入賞したり、輝かしい実績を残した者は競技大会への切符を掴み、逆にいい成績を残せなかった者は出場資格を失います。

とても厳しい戦いが本番前からはじまっているわけですが、こうして選ばれたひと握りの花火師たちによる競技大会は、まさに日本最高峰の花火大会であるということがわかりますね。

昼の部と夜の部を合わせて約4時間の大会

第93回大会の昼花火の様子
第93回大会の昼花火の様子/写真提供:大曲商工会議所

全国花火競技大会は毎年8月の最終土曜日に開催。

2020年、2021年は新型コロナウイルスの影響により延期となりましたが、通常は昼の部、夜の部に分かれて競技が行われます。

全国でもめずらしい昼に行われる競技大会は、5号玉(開いたときの直径約170m)を5発打ち上げて競われます。夜に輝く光のかわりに、色のついた煙を駆使して空に模様を描き、その色彩の鮮明さや模様の多様化などが評価のポイントに。

全国花火競技大会
写真提供:秋田県

そして夜の部では10号玉(開いたときの直径約320m)と創造花火で競い合います。

10号玉は割物(同心円状に真円を描く菊型の伝統花火)と自由玉(千輪や冠菊など創造的な花火)の2種類をそれぞれ1発ずつ打ち上げます。

打ち上げの最高到達点で開けば「玉の座りがよい」とされ、きれいな球状の花火が打ちあがります。また楕円やいびつな形ではなく真円であるかどうか、星(空中で光る火薬)がすき間なく放射線状に飛び散っているかどうか、星の消え口(消える瞬間)が一斉にパッと消えて揃っているかどうか、などが評価のポイントに。

また、丸型の花火の概念を破った創造花火は、テーマに合わせた音楽とともに打ち上がり、花火の形状やリズム、立体感など花火師の創造性が追求されます。

花火師ごとに10号玉→創造花火を連続で打ち上げ、ダイナミックかつバラエティー豊かな光景は、夜遅くまで熱気に包まれています。

目指すのはただひとつ。最高の栄誉「内閣総理大臣賞」

内閣総理大臣賞を受賞した第87回大会の小松煙火工業の作品「昇銀引五重芯変化菊」
内閣総理大臣賞を受賞した第87回大会の小松煙火工業の作品「昇銀引五重芯変化菊」/写真提供:大仙市

昼の部と夜の部(10号玉2発、創造花火)はそれぞれに優勝・準優勝・優秀賞・入賞が選ばれます。そしてすべての部門を総合して審査し、いわば総合優勝である最高のタイトルが「内閣総理大臣賞」。

全国から集まった花火師たちはこの頂を目指し、その年最高の出来の花火を送り出すのです。

過去の入賞者を見ても顔ぶれは毎年違っていて、いかにレベルの高い戦いが繰り広げられているかが分かります。ただ花火を鑑賞するだけではなく、自分好みの花火を見つけて、花火師を応援するのもこの大会ならではの楽しみですね。

夏だけじゃない!地元人オススメの四季の花火大会

2019年春の章の様子
以前行われた「春の章」の様子/写真提供:大仙市

2022年の今年は、4月29日(金・祝)〜30日(土)に「SPRING FESTA」と称し、2日連続で花火大会が開催されます。

29日(金・祝)は、次世代を担う全国の若手花火師が競う「新作花火コレクション2022」。30日(土)は、創立60周年を迎えた日本煙火芸術協会とコラボし、日本の花火の技術の粋を結集した「春の章」。

2つのイベントが一度に見られるまたとない機会なので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

また10月に予定されている秋の章も要チェック。「花火劇場」と題してテーマに沿った劇場型花火で構成されるのでオススメです♪

秋の章の様子
秋の章の様子/写真提供:大仙市

SPRING FESTA ~新作花火コレクション~の開催概要

開催日時 4月29日(金・祝)19時~20時30分
開催場所 「大曲の花火」公園(秋田県大仙市大曲雄物川河畔)
打上発数 約5000発
観覧席 パイプ椅子席3300円、テーブル付イス席(4人まで)1セット15400円

SPRING FESTA ~春の章~の開催概要

開催日時 4月30日(土)19時~20時30分
開催場所 「大曲の花火」公園(秋田県大仙市大曲雄物川河畔)
打上発数 約8000発
観覧席 パイプ椅子席5500円、テーブル付イス席(4人まで)1セット24200円

▶▶SPRING FESTA公式ホームページはこちら
https://www.oomagari-hanabi.com/springfesta2022/index.html

小松煙火工業さんへ潜入!花火制作のウラ側へ

夏の全国花火競技大会で第1回から現在まで全回連続出場を果たしている小松煙火工業さん。大曲を拠点とする全国屈指の花火企業で、第87回では内閣総理大臣賞を受賞したほか、毎年数々の賞に輝いていらっしゃいます。

まだ大雪が高く積もっていた2月の大曲。花火師さんの元へ伺い、花火の制作現場を見させていただきました!

今回お話を聞いたのは、花火師の伊藤航也(いとうこうや)さん。2022年3月に群馬県高崎市で開催された「高崎HANABIコンクール」で優勝された期待の若手花火師さんです。

小松煙火工業所属の若手花火師・伊藤航也さん
小松煙火工業所属の若手花火師・伊藤航也さん。新作花火コレクションにも出品予定

伊藤さんは生まれも育ちもここ大曲。幼いころから花火を見て育ち、「いつか花火師になる!」という夢を叶え、日々制作活動に励んでおられます。

花火師の1年は4月から夏に向けて徐々に忙しさがピークに。2月は春先の大会や北東北各地で行われる雪まつりの準備をしているそうです。

それぞれの花火師が試作品を造っては打ち上げ、毎週のように作品をチェックしているのだとか。

制作現場に入ってみると、火薬や丸い球体のカプセルのようなものがズラリ。

3号玉の花火。ひとつひとつ手作業で造られている
3号玉の花火。ひとつひとつ手作業で造られている

こちらの写真は3号玉とよばれる比較的小さめのサイズ。玉の直径は約9cmほどで、これを打ち上げると約1000倍の大きさ、約90mほどの大きさになるそうです。

この花火玉のなかに入っているのは、2つの火薬と紙、導火線。

星とよばれる粒状の火薬。この10mmの大きさになるまでゆっくりと育てられる
星とよばれる粒状の火薬。この10mmの大きさになるまでゆっくりと育てられる

2つの火薬のうち「星」とよばれる粒状のものは、赤や青、緑など鮮やかな花火の光の部分をつくり出します。元々2mmほどの小さい粒に、トロ(火薬を水で溶いたもの)をかけて乾かし、色がでる粉をかけて、またトロをかけて…の作業の繰り返し。最終的に10mmほどの大きさに仕上げるまで約2週間はかかる工程だそうです。

花火玉の内部に星をびっしり敷き詰め、中央には割火薬(わりかやく)とよばれる、星を四方八方に飛ばすための火薬が詰められます。

星を紙で仕切り、割火薬を詰める作業。指先の器用さが求められる
星を紙で仕切り、割火薬を詰める作業。指先の器用さが求められる

星と割火薬は相性が悪いため、接触面をしっかりと紙で仕切らないと、打ち上げ後に低い場所で早々に爆発しかねないのだそう。

導火線もつけて中身が完成すると、花火玉の外側をしっかりと紙で重ね張りし、強度を高めていきます。外側に圧力がかかればかかるほど、その反作用で玉が割れるときにより強い力が加わります。そうすることで星を遠くに飛ばし、花火の大輪を大きく開かせることができるのです。

玉貼の様子。紙を重ね、強度を高めていく
玉貼の様子。紙を重ね、強度を高めていく/写真提供:前田デザイン事務所

会社によって使う材料は違うようですが、小松煙火工業さんではクラフト紙や、糊も米粉由来のものを使用。ひとつひとつの素材によって花火の開きにも影響するので、出来を左右する大事な要素なのです。

点火システム装置。創造花火など音楽に合わせた細かい調整ができ、ボタンを押して点火する。直接導火線に火をつけて点火する昔ながらの方法は少なくなっている
点火システム装置。創造花火など音楽に合わせた細かい調整ができ、ボタンを押して点火する。直接導火線に火をつけて点火する昔ながらの方法は少なくなっている

夏の大会で出品される10号(尺玉)は、4層以上の円を描くことが規定となっています。「層が増えることはつまり難易度があがるということ。フィギュアスケートみたいに三回転、四回転…みたいな感じですかね。難しいので自分でもうまくいったことは少ないんです」と、伊藤さん。

また去年うまく打ち上がったからといって、同じものが今年もうまく打ち上がるとは限らないのだそう。常に修正の繰り返しで、社内コンペではお互いの作品を評価しあうなど、妥協なしに納得のいく作品を作り上げています。

修学旅行期間中に誕生日を迎えた生徒へ贈る、小松煙火工業からのサプライズ花火
修学旅行期間中に誕生日を迎えた生徒へ贈る、小松煙火工業からのサプライズ花火/写真提供:ONOKEN

夏の競技大会は2年ぶりの開催となるか?みどころを聞きました

最後に伊藤さんに今後の大会のみどころを伺いました。

「今年の4月は2つのイベントが合体します。新作花火コレクションはいままで見たことがないような新しい花火が見られますし、時間も1時間半程度で混雑も少ないので、ゆっくりと花火鑑賞するにはオススメですね。

そして夏の競技大会は、ここ2年は新型コロナウイルスの影響で延期となってしまいました。だからこそ今年開催されることが決まれば、2年分の花火師たちの熱い想いがこもった花火が見られると思います。みんな夏にかけていますから、その魂のぶつかり合いにぜひ注目してほしいですね。」

左から10号、5号、4号サイズ。4号の時間差発光球は春の新作コレクションで優勝したも
左から10号、5号、4号サイズ。4号の時間差発光球は春の新作コレクションで優勝したことも

2022年の第94回全国花火競技大会は現在開催の準備が進められています。開催となれば混雑も予想されます。会場近くには宿泊施設が少ないため、個人で予約する場合は早めの計画が吉。また旅行会社のツアーを利用するのもオススメです。

今年は開催されることを願い、ぜひ会場に足を運んで花火師たちを応援しましょう♪

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現時点(2022年3月)の全国花火競技大会概要はこちら

通年は数十万人が集まる一大イベントのため混雑必至
数十万人が集まる一大イベントのため混雑必至/写真提供:秋田県

第94回 全国花火競技大会

開催日時 8月27日(土)昼花火:17時15分~、夜花火18時50分~
開催場所 「大曲の花火」公園(秋田県大仙市大曲雄物川河畔)
打上発数 約18000発
観覧席 未定

▶▶公式ホームページはこちら
https://www.oomagari-hanabi.com/


Text & Photo:ジェンティーレ 恵

●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。

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