【静岡・修善寺】修善寺温泉の隠れ家カフェ「茶庵 芙蓉」。築100年越えの古民家で、やさしい味わいの甘味に出会う
伊豆最古の温泉として知られる伊豆市修善寺。街の中心にある「修禅寺」の脇にある坂道を登っていくと「茶庵 芙蓉」にたどり着きます。古民家の持つぬくもりと、手づくりのやさしい味わいの甘味に、時間が経つのを忘れてゆったりと過ごすことができますよ。
唯一無二。築100年以上、明治時代の古民家カフェ
修善寺の中心地から、坂道を歩くこと徒歩10分弱。「茶庵 芙蓉(ちゃあん ふよう)」は、小高い丘の上に建つ「源範頼の墓」の隣にあります。
のれんをくぐると現れる、築100年以上の古民家。明治時代に軍人の別荘用に建てられたという建物は、情緒あふれる佇まいです。
呼び鈴の代わりに銅鑼がぶら下がる土間の玄関から、靴を脱いで中にお邪魔します。建物の中を通り抜ける、昼下がりの風が心地いい。
玄関から入ってすぐ左手に中伊豆の盆栽園「雅祥園」のミニ盆栽が並び、廊下には修善寺にゆかりのある画家・竹久夢二の作品が飾られていました。
廊下を抜け、縁側からたっぷりの光が差し込む座敷へ。キラキラと光るガラスは、大正時代のもの。今や手に入らない、歴史あるパーツが古民家を構成しています。
縁側からは、手入れの行き届いた庭や、季節ごとに色を変える木々たちを望みます。夏にはガラス戸を開けて、気持ちのよい風を浴びながらお茶の時間を楽しむことも。
自家製梅シロップに、モチモチの白玉。手づくりのやさしい甘味たち
最初にいただいたのは、修善寺で採れた梅を使った「自家製梅ジュース」。模様が繊細なボヘミアングラスでいただきます。街の散策で歩き疲れた身体に、じわっと染み渡る…!
底に沈んでいる大粒の梅も、ピックで刺していただくことができます。氷砂糖と梅のみで仕上げられたシロップは、シンプルでやさしい味わい。ちょびっとずつ飲んでも、大胆にごくごく飲んでもおいしい。
「抹茶白玉あずき」は、若い方から年配の方まで人気のメニュー。忙しい時以外は、注文を受けてからこねているという白玉は、もちもちの食感。たっぷりと入ったあずきは歯ごたえがしっかり!甘さは控えめのため、ペロリと食べてしまいました。
同じく盆に載った煎茶は口の中に余韻が残り、おかわりがほしくなるほど。
単品メニューは、ほかにもアイスクリームやおしるこ、クリーム白玉あずき、くずきりなど、定番の和スイーツが盛りだくさん!
どのメニューでも素敵な器が使われていて、店内では焼き物の販売も行っています。日本六古窯の一つ「丹波焼」を持ち帰って、自宅でも和の感性に触れる時間を持ってみてはいかがでしょうか。
本格的なお抹茶セットも。雰囲気と一緒に楽しもう
縁側が印象的な座敷だけでなく、お茶室でもお茶をいただくことができます。本格的な造りの茶室には、「にじり口」と呼ばれる外部との出入口も残っていました。
お茶室の雰囲気にピッタリな抹茶をいただきましょう。
抹茶は、単品もしくは季節の上生菓子付きをセレクトできます。上生菓子は、沼津市の老舗和菓子店のものが月替わりで提供されます。
この日いただいたのは、淡いピンクが愛らしい「香梅」。梅園が有名な、修善寺らしい一品です。
少し切ってみると、その断面の美しさにうっとり。上品な甘さと、抹茶の程よい苦味が口の中でバランスよく溶け合います。
春頃からはテラス席も設けられ、修善寺の街を見下ろしながらお茶をいただくことができます。
縁側のある座敷席やにじり口が残るお茶室、どこをとっても居心地が良く、つい時間が経つのを忘れてしまうほど。街中の喧騒を離れ「茶庵 芙蓉」で、くつろぎのひとときを過ごしてみませんか?
Text:横畠花歩
Photo:森島吉直(しずおかオンライン)
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