“フランスパンの神様”のDNAが息づく兵庫・芦屋の「ビゴの店 本店」<神戸パン巡り③>
今回は、兵庫県・芦屋にある「ビゴの店 本店」をピックアップ。初代店主のビゴ・フィリップさんは、フランスパンを日本に普及させた功績から「フランスパンの神様」と称され、そのDNAは今も多くの職人に受け継がれています。そんな同店の魅力と人気のパンをご紹介します。
創業半世紀!芦屋を代表するブーランジェリー
JR芦屋駅から徒歩5分、国道2号線沿いに店を構える「ビゴの店 本店」。創業者のビゴ・フィリップさんは、昭和40年(1965)に東京で開かれた国際見本市で本場仕込みのフランスパンを披露したことがきっかけで、神戸の老舗ベーカリー・ドンクの指導員として日本のフランスパンブームに大きく貢献。その後、ドンク芦屋店を引き継ぐカタチで昭和47年(1972)に「ビゴの店」を開業しました。
看板には、フランスパンを抱えた男の子が描かれています。ボーダーシャツがかわいいですね。
店頭に立つスタッフの方の衣装もボーダーシャツ。なんともおしゃれです。こういったスタッフ衣装のセンスの良さも、芦屋らしさを感じますね。
店内には、店奥の工房で作ったパンがところ狭しと並びます。焼きたての良い香りに、トングを持つ手がつい伸びてしまいます。
ビゴの店 本店で買いたいパン4選
ビゴの店を訪れたなら、まず選びたいのがフランスパンのバゲット270円です。パンづくりにおいて、発酵を何よりも大切にしたビゴさん。発酵を促す環境づくりにこだわっていたそうで、そのエスプリは「人の子育て」によく例えたといわれています。
そんなビゴさんのレシピで作るバゲットは、パリッとした食感のクラスト(皮)としっとりとしたクラム(皮の内側)が絶妙。小麦の香りが口の中で優雅に踊るようです。
自家製のルヴァン種を使用したクロワッサン・ルヴァン259円も、ビゴの店で人気の一品。バターと小麦が織り成すハーモニーを心行くまで味わうことができます。
デニッシュ生地にシロップ漬けにした大きな洋ナシとカスタードクリームを合わせた洋ナシのタルト仕立て302円も、ライターおすすめの一品。サクサク食感のデニッシュ生地と肉厚な洋ナシ、上品なカスタードの組み合わせは、申し分なしです!
焼きたてのパンがほぼ揃う午前11時頃が狙い目
今回紹介したパン以外にも、ハード系をはじめ、おやつ系や惣菜系など、多彩なパンを展開するビゴの店。看板商品のバゲットをはじめ、店内には約40種類のパンが並びます。ほぼすべての種類が焼き上がる午前11時頃に訪れるのがおすすめだそうです。
厳選した素材を用いて作られるパンは添加物不使用。安心・安全にもこだわったパンは、味に厳しい芦屋マダムからも高い評価を得ています。
パンはもちろんケーキの種類も豊富に揃うビゴの店。生菓子や焼菓子などバリエーションも多彩で、手頃な価格もうれしいですね。
日本におけるフランスパン文化の発展に大きな影響を与えたビゴさんには、もう1つの大きな功績があります。それは、彼の下でパン作りを学んだ150人以上もの弟子の存在です。ビゴさんは、惜しくも平成30年(2018)にこの世を去りましたが、彼がまいた種は今や日本全国で花開いています。
今回ご紹介した本店以外にも、兵庫県内にはこんなに店舗があります。
【神戸市】神戸国際会館店、イオン神戸北店
【芦屋市】芦屋大丸店、オー・ボン・サンドウィッチビゴ
【西宮市】甲陽園店、オー・ボン・ガトー・ビゴ、オー・ボン・グー(レストラン)
【宝塚市】仁川店
ぜひこちらもチェックしてみてください。
Photo:ハリー中西
Text:津曲克彦
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