素朴ながら素材の良さが伝わる「Ca Marche(サ マーシュ)」の絶品パン<神戸パン巡り④>
神戸の「Ca Marche(サ マーシュ)」といえば、パン好きなら一度は行きたい憧れの名店。かつて「ブーランジェリー コムシノワ」で独創的なパンを生み出してきた西川功晃(にしかわたかあき)さんが次に目指したパンは、素朴ながら小麦の美味しさを感じられるパンでした。
JR三ノ宮駅から徒歩10分。閑静な街並みに佇むCa Marcheは、かつて「ブーランジェリー コムシノワ」で、フレンチの料理人・荘司索(しょうじさく)オーナーと共に独創的なパンを次々と生み出してきた西川功晃さんが、平成22年(2010)に独立して開いたお店です。
長いアーチの先にある建物に足を踏み入れると、まるでフランスのブーランジェリーを思わせるパン棚が設けられ、海外旅行をしている気分♪ こちらでは、お客さんは仕切りバーの手前に立ち、希望のパンをスタッフの人に取ってもらう対面販売のスタイルとなっています。
味や食感の違い、どんな食材と合うかなど、気になることはなんでも聞いてOK。自分の好みのパンを探すうちに、自然とパンの知識が深まっていきます。
パン棚には、ハード系を中心に、食パンやおかずパンなどさまざまな種類のパンが並びます。どれも本当においしそう!
お目当てのパンは、テイクアウトはもちろん、店の外に設けられたイートインスペースでも味わえます。爽やかな風を感じながらパンを味わえるのも素敵ですね。
ライターがおすすめするCa Marcheのパン3選
さて、そんなCa Marcheのパンのなかから、ライターがおすすめするパンを3つご紹介します。まずは、豆乳クリームを生地に混ぜて焼き上げた豆乳クリーミーフランス432円。クラスト(皮)がサクサクとしていながら、クラム(中身)は旨みのあるしっとりとした食感が特徴的です。
シチューなどの料理に合わせて食べたいのが、カンパーニュ・ロゼ1/4サイズ432円~。焼き色が強めのクラストは香ばしく、モチモチとした食感に加えちょっぴり酸味も感じられます。
おやつ系を選ぶなら、たっぷりのつぶあんをブリオッシュ生地で包んだつぶあんパン378円がおすすめ。なんとも言えない口溶けの良さがクセになる、売切御免の人気商品です。(※商品の価格はすべて2022年3月末時点のものです。変動の可能性があります)
西川さんが「コムシノワ」荘司さんから教わったこと
芦屋の「ビゴの店」をはじめ数々の名店を経て、本場フランスでもパン修業を果たした西川さん。帰国後、「コムシノワ」の荘司索さんとの運命的な出会いによって、海外からも注目を集める独創的なパンが次々と生み出されました。
「荘司さんは、自分が培ってきた料理に対する考え方や技術を、惜しげもなく私に教えてくれました。それは、私にとって何もかもが新しい世界でした」(西川さん)
ふたりが手がけたパンは次々にヒットし、「ブーランジェリーコムシノワ」は瞬く間に人気店へと成長。西川さんも、寝る間も惜しまずパンを焼く毎日が続きました。そんな日々が続くなか、西川さんは「自分のペースで納得できるパンを作りたい」という思いを募らせていったそうです。
そして、平成22年(2010)にCa Marcheを開店させると、コムシノワ時代とは異なる、小麦の美味しさをダイレクトに感じられるパンを作るようになりました。西川さんは、原価も手間もかけて中身を充実させたパンの魅力を知ってもらうために、スタッフがパンの特徴を説明しながら販売するスタイルを採用。パンが持つ奥深さを言葉でも理解してもらうようにしたのです。「Ca Marcheのパンのことをよく知るスタッフは、うちの宝です」(西川さん)
シンプルながら素材の良さを実感できるパン作りに勤しむ西川さん。取材では、我が子のようにパンを愛おしく見つめる姿が印象的でした。そんなCa Marcheのパンを買えるのは、木曜から日曜までの週4日。平日であっても行列ができることも多いので、時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。
Photo:ハリー中西
Text:津曲克彦
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