【京都】ノスタルジックな銭湯「日の出湯」で昭和時代にタイムトリップ!
昭和のはじめに建てられた築90余年の風情ある建物で営業を続ける「日の出湯」。京都の木造銭湯の姿を残す貴重な存在で、ファンに愛され、映画のロケ地にもなりました。JR京都駅のほど近く、ふらりと入浴に訪れて昭和時代へタイムトリップ気分で癒やされてみませんか?
京都銭湯の典型的な姿を残す貴重な建物は映画のロケ地に
JR京都駅の南西へ歩いて12分ほど、東寺道から細い路地に入ると、忽然と現れる木造の大きな建物、それが日の出湯。今から90余年前の昭和3年(1928)に銭湯として建築。昭和24(1949)に先代の当主が買い取り、日の出湯として営業を始めました。
京都の銭湯の典型的な姿を残す貴重な建物として、京都市文化市民局の「京都を彩る建物や庭園」に認定されています。現存する京都の戦前築の木造銭湯の建物としては最大規模。2010年公開の映画、『マザーウォーター』のロケ地にも使われました。
昭和レトロな木造ロッカーや脱衣籠に胸キュン
左右の男女別の暖簾をくぐって館内へ。天井が高いので広々としてゆったりと心地良い空間。まるで寺院建築のような格天井、そして木製ロッカーが風格を感じさせます。こちらは男湯の脱衣所。
女湯の脱衣所にはレトロな体重計と、御釜型のヘアドライヤー。どちらも現役で、ドライヤーは10円玉を2枚入れると3分間温風が出ます。壁には、ご当主の奥さんが手作りする「昭和新聞」。ひと月毎に貼り替えられ、昭和30~60年代のできごとなどが紹介されます。
館内の調度品や備品はたいせつに使い続けられてきたものばかり。木造りのロッカーが設置されたのは昭和20年代に遡るそう。御用心の文字が時代を感じさせます。ボタンを押して鍵を抜いたらブレスレットのように腕にはめて浴室へ。
脱いだ衣類を入れるかごは味わいのある柳行李を使用、角の痛みやすいところを補修しながらたいせつに使われています。
こちらの木製の台は赤ちゃん用の寝台。かつて昭和のベビーブームの時代には多くの親子連れが訪れて賑わったそうで、その頃は皆さんで赤ちゃんをあやしたり、面倒を見てあげていたそうです。
脱衣所につながる中庭には池があり、金魚が泳いでいます。初夏には蛍籠を置いて鑑賞会が。夏には風鈴が飾られたり、秋には竹灯籠が置かれたりと、季節ごとのイベントが開かれ、四季折々の風情を感じることができます。
清潔感たっぷりのタイル張り浴室で温冷浴を
さて、入浴の準備が整ったら、洗面室を通って浴室へ。愛らしいタイルがあちらこちらに。ここから先は昭和の終わりに改装された近代的な設備。
水飲み台の曲面にも、ていねいにタイルが張られています。手作業の味わいがあって、つい見とれてしまいます。
清潔感のある浴室内には、深めと浅めの浴槽、そして水流の刺激が心地よいジェット風呂のほか、電気風呂、水風呂も。備え付けのアメニティ類はないので持参するか、番台で買い求めましょう。有料の貸しタオルや石鹸、シャンプー・リンスなどが用意されています。
吹き抜けがあり、開放感のある浴室内。現在サウナは修理中で使用できませんが、水風呂があり、温冷交互浴を楽しむことができます。
番台で販売しているオリジナルの手ぬぐい1200円は、奥さんが一枚一枚手作業で染めたもの。色の濃淡があるのもご愛嬌。ぜひ入浴記念に買い求めてみては。日の出湯のモチーフが散りばめられているので、館内で探してみるもの楽しそうです。
Text&Photo:杏編集工房 中島彰子
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