船岡温泉

【京都】「船岡温泉」でととのう!豪華絢爛なタイル装飾が魅惑の文化財銭湯

タイルアート 銭湯 レトロ 日帰り入浴 サウナ ノスタルジックな風景
Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket

京都西陣にある「船岡温泉」は、登録有形文化財のレトロな建物で入浴ができる人気の銭湯。大正時代創業の料理旅館付属浴場の姿を今に伝える、マジョリカタイルや欄間装飾に魅了されます。設備の整った多彩な風呂やサウナも完備。気軽に立ち寄って、魅惑的な空間で"ととのう"ひとときを過ごしてみませんか。

Summary

国の登録有形文化財の建物で営む銭湯

船岡温泉

千本鞍馬口の交差点から鞍馬口通を東へ。5分ほど歩くと見えてくる軒唐破風を備えた風格ある木造の建物が「船岡温泉」。大正12年(1923)に初代が創業した料理旅館「船岡楼」の付属浴場がそのはじまり。平成15年(2003)には、文化庁の登録有形文化財に銭湯としては京都では初、全国では3例目に登録されています。

歴史ある建物をたいせつに守りながら銭湯を営んでいるのは四代目と五代目のご当主親子。地元の浴客や全国からもファンが訪れます。受付には貸しタオルや石鹸などアメニティも販売されているので手ぶらで訪れても大丈夫です。

船岡温泉

脱衣所は、まるで芸術作品が並ぶ美術館のよう。ケヤキの格天井は漆塗りが、欄間の透かし彫りの上には大正時代から昭和にかけて流行したマジョリカタイルの優美な装飾が施されています。

船岡温泉

格天井の中央には、鞍馬の地で修行をする天狗と牛若丸をモチーフにした木彫りの躍動感ある彫刻がはめ込まれていて見事。色彩も鮮やかです。

船岡温泉

欄間彫刻には、今宮神社や上賀茂神社など地元神社の祭礼の様子が透かし彫りに。料理旅館を経営していた頃には、西陣の若旦那衆に好まれて、装飾もどんどんと絢爛豪華になったのだそう。

浴室への渡り廊下は絢爛豪華なタイルに彩られた魅惑の空間

船岡温泉

さて、入浴の準備が整ったら洗面台のある渡り廊下をたどって浴室へ。壁面にはびっしりとマジョリカタイルの装飾が施されてエキゾチック。万華鏡のような摩訶不思議な空間に誘われるようです。

船岡温泉

マジョリカタイルは、明治時代末期に西洋建築が入ってきた際に日本でも普及し、大正から昭和にかけて流行しました。表面に凹凸がある装飾タイルで、ひとつひとつ型にはめて焼成され、色つけも手作業のため、微妙に表情が異なるのが魅力。今ではとても貴重なものなので、そっと触れてみましょう。

船岡温泉

渡り廊下の壁面いっぱいの絢爛豪華なタイル装飾。色鮮やかでうっとり。窓の外には石造りの欄干と露天風呂が見え、足元には鯉が泳ぐ池があります。

船岡温泉

露天風呂から見ると、渡り廊下に石造りの欄干があるのがわかります。実は本物の橋だったというから驚きです。昭和7年(1932)に市電開通のために取り壊されることになっていた菊水橋を譲り受け、千本鞍馬口から移築したそうで、なんとも贅を凝らした装飾です。

露天岩風呂や檜風呂、サウナも備えた浴場で"ととのう"ひとときを

船岡温泉

昭和7年(1932)建造の浴室は鉄筋コンクリートの近代的な作りで、登録有形文化財に。二代目当主が日本で初めて導入したという電気風呂のほか、ジェットバスやくすり風呂、高温深風呂やサウナ、水風呂なども多彩に備えています。昭和22年(1947)に銭湯として本格的に営業を始め、現在に至っています。

船岡温泉

男女別の浴室は左右に分かれ、日替わりで交替。それぞれに露天風呂が備えられています。左側の浴室にある露天岩風呂には水に濡れると色合いが七色に変わるという貴船石がふんだんに使われています。手前は水風呂で、サウナ室のドアに隣接。石造りの龍の口から流れ出る水風呂に浸かって"ととのう"贅沢を楽しめます。

船岡温泉

向かって右側の浴室にあるのは露天檜風呂。手入れには手間がかかるので銭湯では希少な存在です。渡り廊下の石造りの欄干や池が見えてビーナスの石像がなんともレトロ。サウナの後にベンチに腰掛けて、外気浴をしながら"ととのう"のも気持ちがいいものです。

船岡温泉

船岡温泉は、露天風呂やサウナもすべて入浴料金のみで楽しめるのがうれしいですね。ぜひ時間に余裕をもってゆったりと過ごしましょう。周囲には刀剣女子にも人気の建勲神社を祀る船岡山が程近いほか、鞍馬口通沿いには初代当主が建てた銭湯の建物をリノベーションしたカフェ、「さらさ西陣」などもあるので、立ち寄ってみるのもいいでしょう。


Text&Photo:杏編集工房 中島彰子


●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。


Twitter Facebook LINE はてなブックマーク Pocket
記事トップに戻る

この記事に関連するタグ

編集部のおすすめ

ページトップへ戻る

検索したいキーワードを入力してください