【台湾現地レポ】老舗中華菓子の「李亭香」がリノベ。カフェ併設でお土産もイートインも
乾物や漢方の店がひしめく迪化街。台湾らしさ満載で歩いているだけでテンション上がるエリアです。今回はエリア北端の老舗中華菓子「李亭香(リティンシィァン)」がリノベーションしたということでやってきました。レトロモダンなカフェが併設されてアップデートしたお店をご紹介します。
Summary
見た目もお味もグッドなあの「平安亀」のお店
「李亭香」といえば、亀のお菓子「平安亀」が大人気。甲羅に「寿」の文字が刻まれたそれはなんともめでたく、レトロな赤い箱も相まって誰かにプレゼントしたくなる出立ち。そして、一口食べるとピーナッツ×黒ごまの滋味深い味わいが口いっぱいに広がります。
こだわりは外側のピーナッツ餡。台湾の東部と西部で生産されたピーナッツ2種類を独自にブレンドし、そこにピーナッツオイルを配合しているので、味と香りに深みあり!ねっとりとした食感も癖になっちゃうおいしさで、幅広い年齢層から愛されています。
1895年創業の老舗は伝統を守りつつ進化中
かわいい「平安亀」がSNSやメディアで取り上げられ、ここ数年で注目度がアップしている「李亭香」ですが、実は1895年創業の歴史あるお店。時代の流れから機械を使った中華菓子作りに切り替える同業者が多いなか、128年間ずっと手作りによる伝統製法を堅持しています。
白あんをパイ生地のような皮で包んだ「平西餅」(原味NT$60)は創業時からの名物で、特筆すべきは皮が27層もあること。「手作りでないとできない層数。手間がかかりますがサクサクした食感が生まれ、層と層の間に風味が留まっておいしさがアップします」と5代目の李佳陽さん。
伝統を守りながら、時代の変化にあわせた商品開発にも積極的に取り組んできました。2代目は当時流行りはじめたカレー粉を使った餡の平西餅を考案、3代目はベジタリアンと健康志向に合わせてショートニングからフランス産バターにシフト、4代目はナッツやチーズの欧米系素材を取り入れたりと、ここのお菓子は常にアップデート中です。
5代目になってからはお店のデザインや商品のパッケージをレトロモダンに変えて、古くも新しい「李亭香」を視覚的に表現。これがオシャレさんのハートを射止め、隠れた名品だった「平安亀」も大ブレークしたというわけ。「平西餅」の5代目新フレーバーにも期待が高まります。
新設カフェでサクッと台湾式アフタヌーンティー
進化中の「李亭香」、2020年には改装してカフェ併設した店舗にリニューアル。アンティーク家具が並ぶフォトジェニックなデザインで、テーブルとカウンターの全14席です。
カフェを新設したのは、新型コロナウィルスによるピンチをチャンスに変えようとした李さんの策。感染対策で試食を取りやめ、「若い人たちにも伝統菓子を気軽に楽しんでもらえる方法」を模索した結果、「一杯茶,一塊糕餅(ドリンク1杯と中華菓子1つ)」の台湾式アフタヌーンティセットを150元のお手頃価格で提供するカフェが誕生したというわけなのです。
オシャレな空間でひと休みしつつお菓子を試し、気に入ったらお買い上げ。イートイン後に商品を購入した場合は、NT$30のディスカウントがあります。
中華菓子セットのほか軽食もあり
セットのお菓子は平安亀や平西餅の定番商品のほか、後ほどご紹介する話題の新作からチョイス。ドリンクはコーヒーと紅茶から選べます。追加料金(NT$40)で台湾坪林産のお茶に変更できます。
「甘いものが苦手」という友達やパートナーは「手沖泡餅」がおすすめ。麦芽糖を仕込んだ中華パイに熱々のアーモンド茶を注いでいただきます。さっぱりとした無糖のアーモンド茶がパイにほろほろと染み込み、昔懐かしいほっこりとした味わいです。
番外編として、小腹が空いた時に使える「雞絲麵」のセットも。台湾版チキンラーメンをスルスルした後、デザートの緑豆糕をパクリ。
帰りにお気に入りをゲット。新作の金色亀と猫パイが見逃せない!
お茶の後はショッピング。定番商品のほかに、新作の金色亀と猫パイが登場していて新たなブームになりそうな予感…‼︎
キラキラ度ナンバーワンなのが、平安亀の新バーション「金亀小財庫」。金色の包み紙で輝きに満ちた亀は特別感が半端ない!外は平安亀と同じピーナッツ餡、中がヌガーとなっていて、キャンディーのような感覚でいただけます。
台湾では亀は長寿と縁起物の象徴。さらに金色の亀は「金亀」と「金歸」の中国語読みをかけて「お金が戻ってくる=金運アップ」とされているそう。ギフトセット(3個入りNT$210に)は銭亀も入っていて、もらった人もにっこり。
パイ生地でお餅をくるんだ「猫派」(1個NT$50)は、中華菓子と洋菓子がミックスしたお味。しっとり柔らかいお餅とサクサクのパイがベストマッチで、見た目は地味だけど味は保証付き!より台湾らしさを求める人は肉そぼろ入りをどうぞ。
オシャレな箱に定番商品を詰め合わせたギフトボックスは台湾らしさに溢れ、お土産に喜ばれること間違いなし!お菓子のバラ売りもあるので、自分用に購入したり、バラをアレンジしてオリジナルギフトボックスを作ったりすることもできます。
金色亀や猫パイの新作が登場し、台湾式アフタヌーンティーも楽しめるようになった「李亭香」。皆さんもぜひお試しを。「今すぐ日本で食べたい!」という方は「iCarry」のサイトで購入できるのでご覧ください。
■李亭香(リティンシィァン)
住所:迪化街一段309號
TEL:02-7746-2200(内線200)
営業時間:10~19時(LO18時)
定休日:無休
Text:大田原結梨(台北ナビ)
Photo:張哲倫
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