And Tei

日本茶ミルクティーを新体験。ニューオープンしたカフェ「And Tei」へ

東京都 カフェ 日本茶 日本茶カフェ ミルクティー るるぶ&more.編集部
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2022年3月、東京・錦糸町に誕生した「And Tei」。カフェやコーヒースタンドなどの立ち上げやメニュー開発をする傍ら、日本茶バリスタとしても活動をしてきた倉橋佳彦さんが、古くから親しまれてきた日本茶をミルクティーという新しい飲み方で提案しています。意外ながら実はとても相性のいい日本茶とミルク。そんな新鮮な組み合わせに出合いに行ってみませんか?

Summary

日本茶生産者の思いと消費者を繋ぎたい

And Tei
ドアには女性が店内をのぞける高さに窓が。閉鎖的でお店に入りづらくならないよう配慮されている

日本茶に魅せられた倉橋さんは、コーヒーにはバリスタ、ワインにはソムリエがいるのに、日本茶のことを伝える淹れ手がいないという思いから“日本茶バリスタ”として活動をしていました。しかし、コーヒー豆やワインはこだわって買っていても、日本茶は産地や生産者のことをよくわからずに買う人が多いのが現状。敷居が低く伝えやすい形として「日本茶ミルクティー」にたどり着き、お店をオープンすることに。倉橋さんは「いい意味で日本茶の概念を壊したい、楽しさを伝えたいんです。お茶好きの人にも、ペットボトルで飲んでいる人にも飲んでほしいですね」と言います。

And Tei
シックなグレーと木目の組み合わせ、また、曲線を取り入れたカウンターやテーブルがシンプルななかにも温かな印象

店名は、「○○と」という意味と「安堵」が掛けられている「And」、そして、「tea(お茶)」とフランス語の「moi(私)」の造語「Tei」の組み合わせ。自分自身とお茶と向き合いながら安堵する時間をもってほしいという願いを込めて付けられました。

カウンターで一杯ずつ淹れられるお茶

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カウンターの様子は店内のどこに座っても見られるようにデザインされている

ロケーションはJR錦糸町駅から徒歩10分ほど。「ちょっと駅から少し離れていますが、ゆったりとした空間を作りたかったんです。一杯一杯淹れるのですぐに提供できません。待つこともお茶の時間と思っていただければ……」と倉橋さん。流れるようなお茶を淹れる所作はついつい見入ってしまうので、でき上がりを待つ時間も楽しいものです。ていねいに淹れられたお茶は、サッと飲むのではなくじっくりと味わいたいですね。

And Tei
右から時計回りに、国産烏龍茶、有機玄米茶、有機ほうじ茶、国産紅茶

「日本茶ミルクティー」は、好きな茶葉、ミルク、甘さを選ぶことができます。全国の生産者を訪れて厳選した茶葉は、有機ほうじ茶、有機玄米茶、国産紅茶、国産烏龍茶の4種類。牛乳を合わせると日本茶の風味や香りが消えてしまうため、オーツ(オーツ麦)、ソイ(大豆)、スプラウド(黄えんどう豆)と3種類のプラントベース(植物性)ミルクを使っています。また、日本にはヴィーガン用の選択肢がないカフェが多く、誰でも飲めるものを提供したいという思いもあったといいます。

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日本茶といえば和菓子を合わせるイメージがありますが、「And Tei」はスイーツでも固定概念を壊してくれます。バターのような動物性の素材は日本茶に合わないと、スコーンやパウンドケーキのスイーツもヴィーガン仕様で、パティスリーでの経験もある倉橋さんの手作り。「全粒粉ほうじ茶&ピーカンナッツスコーン」に使うほうじ茶パウダーも自ら作り、粒の大きさを変えて香りや味わいを表現、カカオマスのほろ苦さを感じる「カカオマスのガトーショコラ」には抹茶を入れて味の奥行きを出すなど、どのスイーツも日本茶に合うようにちょっとした工夫をしているそうです。

初めてなら「有機玄米茶ミルクティー」を

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お客さん一人一人と対話をしながらお茶を淹れる倉橋さん。初めて来店する人にはまずは「有機玄米茶ミルクティー」をおすすめするそう。福岡県うきは市で有機栽培された玄米茶は、香ばしい玄米と新緑の香りがある煎茶のバランスがよく、ミルクにも合います。自然な甘みと濃厚でクリーミーなオーツミルクで作ったミルクティー(写真)は、香り高くすっきりとした飲み心地です。



フワフワで口当たりのよさも「日本茶ミルクティー」の特徴。高温のお湯で淹れたお茶にミルクを注ぎミルクスチーマーでフォームミルクに。茶葉を入れたままスチーマーにかけることでミルクにもお茶の香りが付くそうです。

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「有機玄米茶ミルクティー」650円、「塩こうじプレーンスコーン」350円

合わせるのはサクサク、ホロホロの「塩こうじプレーンスコーン」。甘さ控えめで、噛むほどに小麦の味が広がりますよ。

お茶そのものの味わいを楽しむならストレート

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4種類の日本茶はすべてストレートでも楽しむことができます。静岡県島田市産の紅茶は「紅富貴」という品種のものを使用。発酵工程で出た桃のような香りが特徴で、ミルクと合わせてフルーツオレのようにしたいと探したお茶なのだとか。

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「国産紅茶」700円、「キャロットケイク」450円

紅茶にはしっとり食感の「キャロットケイク」を。「カカオチャイほうじ茶」を少し混ぜているので、味がととのうのだとか。チーズフロスティングの代わりにメープルシロップのアイシングをかけているのもオリジナルです。「キャロットケイク」を食べながら紅茶を飲むと、より桃のフルーティーな香りを感じられますよ。

日本茶は自宅でも楽しめるもの。お店の味の再現は難しいですが、倉橋さんは「コーヒーに入れるのと同じように少しミルクを入れて、日本茶を楽しんでください」と言います。「And Tei」での体験を入口に、自分なりの日本茶の世界をどんどん広げていきましょう。

■And Tei(あんど てい)
住所:東京都墨田区太平4-22-6 1F
営業時間:10〜18時
定休日:不定休

Text:河部紀子(editorial team Flone)
Photo:斉藤純平

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