横浜・石川町の「純喫茶モデル」へ!昭和の香り漂うアットホームな喫茶店でほっこり
JR石川町駅から徒歩1分の場所に、50年以上の歴史を誇る老舗喫茶店があるのをご存じでしょうか。その名も「純喫茶モデル」。石造りのトンネルのような入口を抜けると広がっていたのは、香ばしい昭和の雰囲気漂う、居心地抜群のレトロ空間でした。思わずまた“帰りたくなる”喫茶店「純喫茶モデル」をご紹介します。
街中でひときわ異彩を放つレトロビルが目印
JR石川町駅の北口を出て、線路沿いを北へ歩いていくこと約1分。石造りでアーチ型の入口が印象的な建物が見えてきました。こちらが「純喫茶モデル」。かなり異彩を放っています。
昭和39年(1964)に創業した「純喫茶モデル」。現在の建物が完成した昭和49年(1974)に、西区伊勢町から移転してきました。当時から変わらない手書きの看板が、その歴史を物語っています。
「純喫茶モデル」という店名は、創業者の白井雪江さんが憧れていた「モデル」に由来。当時洋裁学校に通っていた白井雪江さんは、綺麗な洋服を着て舞台に立つモデルさん達を見て「こんな女性になりたい」と思ったのだといいます。現在はご家族が経営を引き継ぎ、地元の老若男女から愛される喫茶店として営業を続けています。
時間がゆっくり流れる店内は居心地抜群
階段を上がり店内に入ると広がっていたのは、レンガを基調とした温かみのあるノスタルジックな空間。「お好きな席へどうぞ」と案内され、席に着きます。おすすめの席は窓際。「純喫茶モデル」は厳密にいうと中2階に位置しているため、窓際に座ると少し高い目線で外を眺めることができるのです。
レンガに囲まれたボックス席のイエローのソファやレースのカーテン、タイルのテーブルなど昭和レトロなインテリアは、オープン当初からほぼ変わっていないそう。ゆったり流れるBGMとふかふかのソファに身を預ければ、都会の喧騒を忘れ、まるで時間が止まっているかのような感覚さえ覚えます。数多くの映画やドラマ、ミュージックビデオのロケ地となっているのも納得。
店内を見渡してみると、スタイリッシュな照明やステンレスの天井など、レトロ好きの心をくすぐるアイテムが点在。照明はデザイナーに特注で作ってもらったものだそうです。
こちらのかわいすぎるレジスターはいまだに現役。ポップなデザインがお客さんに人気で、写真を撮っていく人も多いといいます。
良心的な価格の喫茶店メニューはあれもこれもオーダーしたくなる
気になるメニューはというと、トースト系の軽食から「オムライス」750円や「ピラフ」650円、「ナポリタン」650円といった王道の料理がずらり。飲み物も「コーヒー」400円、「ウインナーコーヒー」500円、「メロンフロート」550円など、これぞ!喫茶店といったラインナップでテンションが上がります。
まずはレトロの代名詞でもある「メロンフロート」をオーダー。これは喫茶店メニューで外せないひと品。やさしいメロンの甘さが口いっぱいに広がると同時に、子ども時代の懐かしい思い出がフラッシュバックするのは、ノスタルジックな店内にいるからでしょうか……。溶け始めたアイスを混ぜながら、いろいろな余韻に浸れるのがメロンフロートの不思議な魅力ですね。
ドリンクと一緒に提供されるコースターもキュート。当時の電話番号が書かれたコースターを、番号を塗りつぶしてそのまま提供しています。レトロなデザインが人気で、希望すれば無料でプレゼントしてくれますよ。
「メロンフロート」のお供にオーダーしたのはふんわり卵が絶品の「タマゴサンド」。
このボリュームでなんと450円という驚きの高コスパ!食べやすいサイズにカットされているのもうれしいポイントです。小腹が空いたときにぴったりのメニュー。
がっつり気分!という人にはこちらの「ナポリタンスパゲッティー」をどうぞ。昔ながらの太めソフト麺がたまりません。
喫茶店に来ると無性に食べたくなる「ナポリタンスパゲッティー」は、比較的やさしい味付けでさっぱりいただけます。初めて口にするのに、思わず「これこれ!この味!」と唸ってしまう「ナポリタンのなかのナポリタン」という感じ。それにしても、「ナポリタンスパゲッティー」と「メロンフロート」はどうしてこんなにも合うのでしょう……。
忘れてはいけないのが卓上の“3種の神器”ならぬ“4種の調味料”・塩、粗びきこしょう、タバスコ、粉チーズ。特別なものではないかもしれませんが、この実家のような安心感がたまりません。「タマゴサンド」には塩を少々かけると味にメリハリがつくし、「ナポリタンスパゲッティー」には粗びきこしょう、タバスコ、粉チーズをお好みで。だからナポリタンは始めからやさしい味付けだったのか…と納得しながら、ペロリと完食しました。
創業当時の変わらぬたたずまいで訪れる人を癒やしてくれる「純喫茶モデル」。全国で見てもその数が減少傾向にある喫茶店は、新型コロナウイルス感染症の影響によりさらに打撃を受けています。「純喫茶モデル」もその一つですが、「SNSやいろいろなメディアを見て東京など県外から来てくれる人のために、頑張って営業しています。先日は福岡県から来てくれたお客さまもいらっしゃいました」と話してくれたマスターの白井卓さん。
駅近という好立地にありながら、白井さん一家が作り出すアットホームで落ち着いた雰囲気は「また帰ってきたい」と思わせてくれます。すぐ近くの横浜中華街散策の帰りに、頭や心をリフレッシュしたいときに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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