建物外観(昼)

【函館】2021年リニューアル。函館・元町の「旧函館区公会堂」でハイカラ気分を満喫

北海道 絶景 洋館 るるぶ&more.編集部
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函館港を見下ろす高台の上に立ち、明治時代の面影を残す華やかで気品ある洋館が、函館の重要文化財、旧函館区公会堂。保存修理のため2018年から2年半クローズしていましたが2021年4月、ブルーグレーと黄色の美しい姿でよみがえりました。建物細部のさまざまな意匠を鑑賞しながら、当時の風景に思いを馳せてみませんか。バルコニーから函館港を望む絶景も必見です。

Summary

ハイカラさんも闊歩した?元町の高台で存在感を放つ洋館

旧函館区公会堂外観
明治43年(1910)に建てられた旧函館区公会堂。「旧イギリス領事館(開港記念館)」「北方民族資料館」「函館市文学館」が利用できるお得な共通入館券もあります。館内は撮影OK

「旧函館区公会堂」が立つのは、函館を代表する坂道「基坂(もといざか)」を上った高台。
市電「末広町」電停から徒歩6分ほどの函館西部地区・元町エリアの中心で、周囲には趣のある洋館が数多く残りお洒落なカフェや雑貨店が点在します。

旧函館区公会堂の歴史映像
公会堂の建築費用は約5万8000円(現在の価値で12億円)。街を焼き尽くした大火の直後にどうしてそんな大金が調達できたかは、シアタールームの映像で確認を

東西を海に囲まれ潮風が吹き抜ける函館は、かつてたびたびの大火に見舞われています。
この公会堂が建てられたのも、明治40(1907)年8月の大火の後。火災で町会所や商業会議所が焼失してしまったため、住民が寄り集まるための場として明治43(1910)年に工事が始まりました
そんな歴史を紹介する映像が1階のシアタールームで上映されているので、まずはこちらで建物の概要を知っておくのがおすすめです。

街をわたる潮風を頬に受けて! 函館港を見渡すバルコニーからの絶景に感激

バルコニーからの風景
バルコニーの柱の装飾
バルコニーの柱の美しい装飾もチェック!

明治洋風木造建築の代表的建物と呼ばれるこの公会堂。左右対称で円柱に支えられたバルコニーを持つ「コロニアルスタイル」で知られますが、何と言っても素晴らしいのが2階バルコニーからの絶景です。
眼下一面に函館港と街並みが広がるこの景色、100年以上の歴史を通じどんな人がどんな思いで見下ろしてきたのかと思うと…。なんとも言えない気持ちになります。

旧函館区公会堂の大広間

バルコニーへと連なる大広間も圧巻です。大広間の床は今回のリニューアル工事で明治時代に使われていた柄に修復されています。
130坪、高さ約6メートルの大広間は、函館区民の集会所として音楽会や講演会等の行事に使用されてきました。現在も貸室として利用できるほかコンサートなども開催されるので、公式ホームページをチェックしてみてくださいね。

旧函館区公会堂の御座所
貴賓室の一つ、休憩室として使われた「御座所(ござしょ)」
旧函館区公会堂の御寝室
こちらは「御寝室」。ベッドに使われた真鍮(しんちゅう)のパイプは当時は貴重品だったそう
旧函館区公会堂の貴賓室前廊下
貴賓室には「御召替室」「御寝室」「御座所」「御食堂」があり、実際に皇族の方々に利用されてきました

建設当初「集会所や商工会議所、ホテルとしても使える建物」として構想された公会堂でしたが、ホテルとしての計画は途中で中止になっています。
ホテルとして使われたことはありませんでしたが、貴賓館として皇族を迎えたことは何度もあり、皇太子殿下時代の大正天皇や昭和天皇、天皇・皇后陛下時代の上皇・上皇后陛下はこちらでご宿泊や休憩をされています。
各部屋には皇族方が実際に使われた家具がそのまま残っていて、上品な設えは見れば見るほどうっとりしてしまいます。

歴史を語る家具や装飾…、そこにもここにもある「見どころ」を見逃さないで

旧函館区公会堂の家具

ちなみに各部屋や廊下にさりげなく置かれた家具も、実は明治時代から使われてきた歴史あるものがほとんど。長い歴史を見守ってきた生き証人です。

旧函館区公会堂の廊下
旧函館区公会堂の階段

廊下や階段など館内のあちこちに趣ある空間があるので、見落とすことのないよう心の耳を澄ませながらの見学がおすすめ!

旧函館区公会堂のAR見本

見どころの魅力をより深く知りたい人は、事前に無料スマホアプリ「COCOAR(ココアル)」をダウンロードしておくとよいですよ。ARシステムで各部屋案内板のQRコードを読み込むと動画や画像による解説が見られます。

来館の記念に、限定品やSNS映えばっちりなハイカラ写真を

旧函館区公会堂の休憩室
十字屋のコーヒー

見学の後は、かつて「大食堂」だった1階の休憩スペースへ。
ここでは、函館の自家焙煎コーヒー店「函館十字屋珈琲」が道南・乙部町のおいしい天然水で淹れるコーヒーを飲みながらほっと一息つくことができます。

オリジナル商品
リニューアル前まで実際に使われていたカーテン生地を利用したペンダント4200円やタッセルを利用したブックマーク700円。オリジナルのパスケース2400円
ボタニカル・キャンドル
函館の作家が函館近郊の草花を使って作るボタニカル・キャンドル3100円~は自分用のおみやげとしても人気です

売店では北海道らしさや函館らしさを感じられるおみやげを販売。公会堂で実際に長年使われてきたカーテンやタッセルを利用したアクセサリー、雑貨など、ここでしか手に入らない限定品もあります。外側が溶けないので、使用後にロウを流し込んで何度も使えて、プランターや小物入れとしてリユースもできる「ボタニカル・キャンドル」も大人気の品です。

旧函館区公会堂の衣装コーナー
「お衣装体験メニュー」の「洋装コース(ドレス・タキシード・キッズ衣装)」は大人2500円・子ども1500円、「和装コース(矢がすり/はかま・書生スタイル)」は4000円

お洒落なドレスやハイカラなはかま、タキシードを着て、館内の好きな場所で自由に記念撮影ができる「お衣装体験メニュー」もあります。お友達と一緒に「なりきり撮影会」をするのも楽しそう…。

旧函館区公会堂の夜の外観

朝夕の散歩コースとして元町公園から公会堂前を歩く市民の姿が見られたり、大広間でのコンサートには毎回多数の応募があったりなど、単に歴史を感じられるだけではなく、今も函館の人たちの暮らしに溶け込み活用されているのが公会堂の魅力。
イベントや発表会で大広間を貸室として利用することやウェディングフォトなどの記念撮影を行うこともできるので、興味のある方はホームページで確認を。普通の観光と一味違う、函館観光のさまざまな可能性にも出合えそうですね。

■旧函館区公会堂(きゅうはこだてくこうかいどう)
住所:函館市元町11-13
TEL:0138-22-1001
開館時間:4~10月の火~金曜は9~18時、土~月曜は9~19時。11~3月は9~17時
閉館日:無休 ※施設保守点検のための臨時休館日あり
入館料:一般300円、学生・生徒・児童150円、未就学児無料
※函館ハイカラ衣装館(お衣装体験メニュー)は9~16時(受付終了)、予約不要
※売店「函館みやげ はこぱこ」の営業時間は9~17時
※カフェの営業は10時30分~15時(LO)、水曜定休、冬季休業
※大広間の貸室利用は4~10月の火~金曜、18~22時。詳細は公会堂ホームページの「貸室のご案内」でご確認ください
https://hakodate-kokaido.jp/2021/04/20/room/

Text:石渡裕美
Photo:石渡裕美

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