【台湾現地レポ】邸宅をリノベした、迪化街の隠れ家的カフェ&バー「AKA Café」へ

【台湾現地レポ】邸宅をリノベした、迪化街の隠れ家的カフェ&バー「AKA Café」へ

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今なお古き良き時代の面影を残す大稻埕(迪化街エリア)の一画に、ひっそりと佇むのが「AKA Café(アカ カフェ)」です。かつての邸宅をリノベーションしたという店内に足を踏み入れれば、そこには驚きの世界が待ち受けています。丁寧に淹れられたコーヒーと共に、タイムトラベルへでかけませんか?

Summary 

ありふれた日常から遥か昔へタイムスリップ

ノスタルジックな大稻埕エリアの街角で見つけた小さな看板。ブザーを押すと、路地の奥からスタッフが出迎えてくれました。

思わず通り過ぎてしまうほど街に溶け込んだ門を抜け、長い通路をスタッフの後に続きます。そして突き当たりで店内へ入ると、そこには息をのむような異空間が……! 一瞬にして、ありふれた日常からいにしえの時へといざなわれます。

ここは「AKA Café」。かつてこの地で商店「郭怡美商行」を経営していた富豪・郭烏隆氏の邸宅をリノベーションしたカフェです。

オーナーのNeoさんは台湾内外で美術館やギャラリーを手掛ける建築デザイナー。安藤忠雄氏と上海でタッグを組んだ過去もあり、昔から古い建造物や文化に興味を持っていたんだとか。とりわけ京都は大好きな街のひとつなんだそう。

そんなNeoさんはある日、トタンで覆われ半ば廃墟と化したこの建物と出逢います。それから3年もの月日をかけて改修、2020年4月、ようやくオープンへと漕ぎ着けました。

日本×台湾が交錯する大正ロマンあふれる空間

建物は今からおよそ100年前、日本統治下にあった1920年に建てられました。世は大正ロマンのころ。当時の雰囲気を再現すべく、建物の骨格を活かすのはもちろんのこと、室内に置かれた調度品にも気を配りました。

Neoさん自らがデザインした唯一無二の椅子や窓格子(鐵花窗)と同じ形が刻まれた洗面台、カウンターに照らし出される光の筋……。それに華道・草月流にも造詣が深いことからテーブルに飾られた花までも、空間の細部にまでこだわりがあふれています。

そんな空間はいくつかの部屋から構成されていて、クラシカルな室内席、落ち着いたカウンター席とロフト風の畳席、それから緑あふれるテラス席があり、どの席に座っても、異なる趣が楽しめます。

そして日本人が行き交った当時を思い起こさせるかのように、ここには多くの日本人スタッフが。日本語が飛び交い、日本式のきめ細かいサービスでおもてなしをしてくれます。そう、ここに来れば在りし日に想いを馳せることができるのです。

そんな空間を丸ごと楽しんでもらいたいと、無料Wi-Fiの提供はありません。写真撮影も原則禁止(※)です。現代機器に惑わされることなく、ここで時代の流れをゆっくりと感じてください。招かれたゲストの一人となって空間に溶け込めば、きっと素敵な思い出ができるはず。
※撮影は席に着いたまま、ご自身のテーブル上の飲食物のみ可

一杯の芳しきコーヒーとお菓子と共に――「AKA Café」

(左)「大稻埕」NT$500(クッキー付)と(右)Latte(ホット)NT$260
(左)「大稻埕」NT$500(クッキー付)と(右)Latte(ホット)NT$260

素晴らしき空間でいただけるのは、シングルオリジンのハンドドリップコーヒーを中心としたドリンク類と趣向を凝らしたスイーツボックスなど。特に、ここでしか味わえないショップオリジナルのコーヒー「大稻埕(ダーダオチェン)」はおすすめです。

スイーツボックス「甜點盒」2層NT$800(2~3人分)
スイーツボックス「甜點盒」2層NT$800(2~3人分)

コーヒーのお供にボックスに収められたスイーツ「甜點盒(ティエンディエンハー)」はいかが? ボリュームによって3種類が用意されており、いずれも地元の名産菓子とフランス菓子がセットに。台湾風味に和洋折衷が加わった、当時を偲ばせるコラボレーションとなっています。

「三層樓小糕點」NT$600は3層のスイーツプレート
「三層樓小糕點」NT$600は3層のスイーツプレート

よりアフタヌーンティー気分が味わいたいのなら、3段プレート「三層樓小糕點(サンツェンロウシャオガオディエン)」をどうぞ。こちらはフランスで修行経験のあるパティシエが腕を振るう本格派フランス菓子の盛り合わせ。タルトやマカロンなど、かわいらしいプチフールは目でも楽しめますよ。

また、「AKA Café」では一人1ドリンクのオーダーが必要となり、食事時間は90分制となりますのでご注意ください。

扉の向こうに隠されたSpeakeasy――「AKA Quando Bar」

店内の一画にはスピークイージー(隠れ家バー)「AKA Quando Bar(アカ クアンド バー)」もあり、カフェ閉店後の19時~営業しています。

バーカウンターに腰を下ろせば、ガラス越しにシックな室内と緑のテラスが。もちろんカフェ同様、室内席やテラス席、畳スペースなど、思い思いの場所でグラスを傾けることも可能です。

「Mullet Roe Mrtini」NT$550(画像提供:AKA Quando Bar)
「Mullet Roe Mrtini」NT$550(画像提供:AKA Quando Bar)

メニューには趣向を凝らした各種カクテルがずらり。台湾らしさを感じたいなら、カラスミの風味が味わえるマティーニ「Mullet Roe Martini(マレット ロー マティーニ)」がイチオシです。ほかに梨山茶や台湾のカバランウイスキーを使ったカクテルなど、個性的な一杯が楽しめますよ。

「AKA Quando Bar」では、一人につき2杯オーダーのミニマムチャージ(金・土曜のみ)に加え、10%のサービス料が必要となりますのでご注意ください。

特別な時間&空間へはご予約をお忘れなく!

AKA Salon・タンゴナイト(画像提供:AKA Café)
AKA Salon・タンゴナイト(画像提供:AKA Café)

「行ってみたい!」そう思ったアナタ、「AKA Café」「AKA Quando Bar」はどちらも完全予約制となっています。おでかけ前に公式Webサイト(inline.app/booking/-M4CLqm6mIkMwaavYWXb:inline-live-1?language=zh-tw)からご予約を。人気の席は1ヶ月前からすでに満席に。早めの予約がベターですよ。

また、「AKA Salonコンサート」と題し、月1回イベントも開催しています。これまで「フレンチナイト」「タンゴナイト」といった国際級のアーティストが出演する本格的な催しが行われ、往年のムードに包まれました。今後のイベント詳細は公式Facebookページ(www.facebook.com/aka.cafe.tw)をチェックしてくださいね。

古き良き時代をここ「AKA Café」で感じてみてはいかがですか?どうぞ次の台湾旅行のリストに加えることをお忘れなく!


■AKA Café(アカ カフェ)/AKA Quando Bar(アカ クアンド バー)
住所:民樂街66號後棟
TEL:02‐2550‐1280
営業時間:Café 11~19時/Quando Bar 19~24時
定休日:Café 火曜/Quando Bar 月・火曜
※料金にはサービス料10%が別途上乗せ(AKA Quando Bar)

Text:林綾子(台北ナビ)
Photo:張哲倫

●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。

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