南方熊楠記念館

【和歌山】南紀白浜の「南方熊楠記念館」で熊楠が愛した大自然の絶景に癒やされる!

絶景 白浜 和歌山県 登録有形文化財 自然公園 るるぶ&more.編集部
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南方熊楠(みなかたくまぐす)は、和歌山が生んだ「知の巨星」。世界的な博物学・民俗学者として知られ、自然保護にも尽力した「エコロジーの先駆者」です。その偉業を紹介する記念館の建物は、円月島(えんげつとう)を望む番所山の高台にあり、海辺の絶景に癒やされます。ぜひ訪れて多彩な魅力にふれてみてはいかがでしょう。

Summary

大自然に包まれた高台に立つ不思議な建物

白浜は大自然に包まれた海辺の温泉リゾート。その観光シンボル、円月島を見下ろす番所山の高台に立つ「南方熊楠記念館(みなかたくまぐすきねんかん)」は、南方熊楠の生涯と偉大な業績を伝える施設。

熊楠が研究した変形菌・粘菌をイメージさせる曲線を活かしたユニークな形の建物が自然の中に溶け込んでいて、屋上からは360度の大パノラマの絶景を望むことができます。

南方熊楠記念館

平成29年(2017)に新館がオープン。1階のエントランスロビーは、フィールドミュージアム番所山の散策拠点、ビジターセンターとして訪れる人たちを迎えてくれます。入り口に立つ石碑には、昭和天皇が南方熊楠を偲んで詠まれた和歌が刻まれています。

熊楠の偉業を紹介する約800点の展示資料がユニーク

南方熊楠記念館

新館の2階には展示室があり、熊楠の業績を伝える資料約800点が公開されています。慶応3年(1867)に和歌山城下で生まれた熊楠は、幼い頃から自然界に対して好奇心旺盛で、抜群の記憶力の持ち主だったそう。

小学生の頃から筆写して学んだという当時の百科事典『和漢三才図会』の膨大な資料や、昭和天皇に田辺湾の生物について御進講した際に、標本入れに使ったというキャラメルの箱などの展示に、偉大でありながら、ユニークで飾らない人柄が伝わってきて興味津々です。

新館2階展示室から本館(旧館)へ向かう渡り廊下沿いには、熊楠が書いた全長約8m、文字数5万8000字の「世界一長い履歴書」といわれる展示があり来訪者を驚かせます。豊かな自然の風景を望む窓辺には椅子が並べられて、集められた熊楠関連の書籍を眺めながらゆったりと時を過ごすこともできます。

屋上の展望台から360度の絶景を楽しめる!

南方熊楠記念館
屋上の展望デッキにある不思議な施設は採光用の窓
南方熊楠記念館
展望デッキには展望台があり360度の大パノラマの眺めを楽しめる
南方熊楠記念館
展望デッキからの田辺湾の眺めが絶景

新館の屋上展望デッキは、1階ロビーから吹き抜けになった採光用の窓があるほか、ベンチや展望台も設置。田辺湾や神島(かしま)、円月島や白浜の温泉街のほか、晴れた日には、四国まで見渡せる開放的な空間です。

採光用の窓の内部には、テキスタイル作家の安東陽子氏の作品が飾られています。下部の緑色の部分には、熊楠が複写した資料の文字やスケッチを転写して編み上げられていて、植物の生命力が表現されています。

デッキからは田辺湾を望むことができ、南方熊楠が自然保護に尽力し、生物調査のために訪れた昭和天皇をお迎えした神島を展望することもできます。

昭和モダニズムな旧館の建物も魅力的

南方熊楠記念館
南方熊楠記念館

本館(旧館)の建物は1960年代のモダニズムなデザイン。3階まで吹き抜けになった優美な螺旋階段がとても個性的です。開館当初の昭和40年(1965)の建造で、新館とは2階の渡り廊下でつながっています。2019年には国の有形文化財(建造物)にも登録されており、現在は2階のみが特別展の展示会場として使用されています。

周辺を散策して白浜の豊かな自然を満喫

南方熊楠記念館

南方熊楠記念館が頂上に立つ番所山は標高32.5mの小高い山で、田辺湾の南端に突き出ています。江戸時代の寛永20年(1643)にはこの地に遠見番所が置かれて、異国船の監視に当たったことから、番所山とよばれるようになりました。

その後、植物園や動物園として賑わった時代もありましたが、すばらしい景観と豊かな自然環境が残されていることから国立自然公園に指定、現在は展望台や芝生広場が整備されています。訪れた際には、亜熱帯の植物が茂る1周約20分ほどの遊歩道を歩いて散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。

南方熊楠記念館

記念館に最寄りの臨海バス停から3分ほど歩けば、円月島を正面から眺められる展望スポットがあるので立ち寄ってみるのもいいでしょう。

円月島は海上に浮かぶ高さ25m、南北130m、東西35mの小さな島で、中央にはぽっかりと丸い海食洞が空いていることで知られます。春と秋の晴れた夕暮れには、夕日がすっぽりとはまる絶景を眺めることができる人気スポットです。

■南方熊楠記念館(みなかたくまぐすきねんかん)
TEL:0739-42-2872
住所:和歌山県白浜町3601-1
アクセス:バス停臨海から徒歩10分
営業時間:9~17時(入館は~16時30分)
定休日:木曜、6月28日~30日、12月29日~1月1日(7月20日~8月31日は無休)
料金:大人600円
駐車場:30台

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Text&Photo:杏編集工房 中島彰子

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