【せとうち】アートな島旅①「直島」2022新作から定番のアートをめぐる1dayプラン
3年に一度開催の「瀬戸内国際芸術祭2022」が開催される今年は、瀬戸内の島旅に再び注目が集まっています。その中心的な存在である直島をご紹介。2022年春に登場した新作2点とともに、通年見られるアート作品や島グルメ、おみやげまで直島、オススメの日帰りプランをご案内します♪
Summary
高松港でもアートを鑑賞。いよいよ直島へフェリーで出発!
※鑑賞自由
いよいよ高松港を出発!高速旅客船なら約30分、フェリーなら約50分の小さな船旅です。
宮浦港で「赤かぼちゃ」「直島パヴィリオン」がお出迎え
いよいよ直島に近づいてきました。甲板に出ると、有名なアート作品「赤かぼちゃ」が!島ののどかな風景とも意外とマッチしている不思議な光景に一気に魅了されます。
宮浦港からすぐの「赤かぼちゃ」をさっそく鑑賞。草間彌生氏の作品の特徴である水玉で彩られた作品は、ビビットな色とぽってりした形とが何ともキュート!草間氏は、「太陽の『赤い光』を宇宙の果てまで探してきて、それは直島の海の中で赤カボチャに変身してしまった」と詩の一部で語っているそう。
※鑑賞自由
水玉の一部がくり抜かれていて、中に自由に入ることができます。なかは暗い空間を床の模様や窓、窓からの光が水玉となって、ポップに彩られています。夜は一部の電飾が光るので、それも楽しみですね。
外からみたら黒い水玉でも、じつはところどころ窓になっていて、そこから見える島の風景も素敵です。
次はそのすぐ近くにあるアート作品「直島パヴィリオン」へ。27の島をもつ直島町の「28番目の島」として誕生した作品で、ステンレス製のメッシュ約250枚で構成されています。外観は島が浮き上がって見える「浮島現象」を表しているそう。
※鑑賞自由
なかに入ることができ、こんなフォトジェニックな写真を撮ることも!夜も直島に滞在する方は、ライトアップをぜひ楽しんでください。
古い家屋を生かしたアート作品「家プロジェクト」を鑑賞
宮浦港付近で自転車を借り、島の西側から東側の本村地区へ。こちらでは「直島アート」を代表するアート作品の一つである「家プロジェクト」を歩いて巡ります。まずは「本村ラウンジ&アーカイブ」へ行き、家プロジェクトのチケットを購入。アートグッズや書籍も豊富で、好奇心が刺激されるものがたくさん置いてあります。
「家プロジェクト」とは本村地区の古い家屋や寺社などをいかした7つの作品群。点在する空き家などを改修し、主に内部の空間を各アーティストが作品化しています。例えば「角屋」は一見昔ながらの風情あるお宅ですが、中に入ってみると…。
和室の床に水が張られ、デジタルカウンターが光っています。しばらくたたずんで、不思議な感覚を存分に味わいました。
こちらの「家プロジェクト」の「碁会所」は、元々碁を打っていた場所を作品化。速水御舟の《名樹散椿》から着想を得た本物そっくりの木彫り作品を展示しています。庭には本物のツバキが植えられ、その対比も楽しめます。
※「家プロジェクト」の共通チケット1050円(「きんざ」は別途520円、予約制)、ワンサイトチケット420円、15歳以下は無料。10時~16時30分。月曜休(祝日の場合は翌日)、メンテナンス休館あり
本村地区には、民家などの壁に描かれたユニークな作品も!即興でとらえた線を糸で表す画家・いしかわかずはる氏の作品で、本村地区に8つあります。「いしかわかずはる 直島」で検索した地図を見ながら作品を訪ねるのもをおすすめです。
※鑑賞自由
「玄米心食あいすなお」で玄米と大豆スープのランチ
築90年の古民家を改装し、テーブル席や座敷など部屋は5つも。古い建物が醸し出す独特の落ち着き感があり、時間がゆったりと流れているよう。
店へは、こんもり盛られたご飯が描かれた青い暖簾(のれん)を目印。本村地区には、ほかにもすてきな暖簾を掛けている家が多いので、ぜひチェックしてみてください。
※11~15時。月曜休(祝日の場合は翌日休)、ほか不定休みあり
新登場で話題の「杉本博司ギャラリー 時の回廊」を鑑賞
本村地区からレンタサイクルで10分。つつじ荘近くの自転車置き場にレンタサイクルを停め、徒歩でベネッセハウス パークに向かいます(ベネッセアートサイト直島のシャトルバスもあり)。
お目当ては、2022年3月に登場した杉本博司氏の新作。恒久展示作品となる硝子の茶室「聞鳥庵(もんどりあん)」や写真シリーズ、既存の作品も改めて鑑賞し、杉本博司氏の静かで雄大な世界観にたっぷり浸ります。
※鑑賞1500円(呈茶〈お茶とお菓子〉付)、15歳以下は無料(呈茶は別途有料)。11~15時(最終受付14時)。無休(メンテナンス休館あり)
※オンライン予約制
安藤忠雄氏設計の新作「ヴァレーギャラリー」を鑑賞
そこから徒歩、もしくはシャトルバスで、二つ目の新作「ヴァレーギャラリー」へ。祠(ほこら)を想起させる半屋外建築と、周辺の山間部が一つの作品。屋外には草間彌生氏と小沢剛氏の大規模な作品も展示され、自然・建築・アートの共鳴を感じることができます。
※鑑賞料はベネッセハウス ミュージアムの入館料1300円に含まれる(15歳以下は無料)。9時30分~16時(最終受付15時30分)。無休(メンテナンス休館あり)
すぐ近くにある「李禹煥(りうふぁん)美術館」も合わせて巡りましょう。韓国出身のアーティスト・李禹煥氏の作品を公開する美術館です。平面や彫刻などの作品は、安藤忠雄氏によるシンプルな建築と相まって、余白の広がりを感じさせます。
※鑑賞1050円(15歳以下無料)。10~18時(10~2月は~17時、入館は閉館の30分前まで)。月曜休(祝日の場合は翌日休)、メンテナンス休館あり
直島アートの中心「地中美術館」へ
次は徒歩、またはシャトルバスで「地中美術館」へ。「直島アート」を代表する美術館で、安藤忠雄氏設計の建物に印象派のクロード・モネと、2人の現代アーティストであるジェームズ・タレルとウォルター・デ・マリア の作品を恒久展示。建物の大半が地下に埋もれながらも自然光が差し込む空間そのものも作品のようで、特にやわらかな光の中で鑑賞するモネの「睡蓮シリーズ」5点は、感動ものの美しさです。
※鑑賞料2100円(15歳以下は無料)、10~18時(10~2月は~17時、入館は閉館の30分前まで) 。月曜休(祝日の場合は翌日)、メンテナンス休館あり
※オンライン予約制
海の駅「なおしま」で瀬戸内国際芸術祭の公式グッズを購入
アート鑑賞を終えたら、シャトルバスとレンタサイクルで宮浦港へと戻ります。港では併設の海の駅「なおしま」に立ち寄って、おみやげを買ったり、おやつを食べたり。船が出発する間際まで楽しめます。
今年ならではのおみやげなら、「瀬戸内国際芸術祭2022」の公式グッズをぜひ。バッチやボールペン、マスキングテープなど、洗練されたデザインが魅力で、自分用にも欲しくなります。
海の駅「なおしま」内の「カフェおうぎや」でナイスビジュアルの海苔を発見。プレーンのほか、わさびや一味、梅、塩など5つの味が勢揃い。軽いのでおみやげにもぴったり。
カフェ休憩でおすすめなのが、海の駅「なおしま」内の「カフェおうぎや」で食べられるカラフルなマカロン。直径約8㎝とビッグサイズで、イチゴや抹茶、カボチャなど5つの味が揃います。おみやげならプチサイズの「マカロンラスク」520円(常温)がおすすめ。
※ショップ9~18時、カフェ10~19時(時期により変動あり)。無休
帰路もフェリーに乗って高松へ。上質なアート作品の数々に刺激され、また穏やかな島風景やヘルシーな郷土料理にも癒やされ、元気をたくさんもらった直島1dayトリップ。撮影OKの作品や、島のあちこちで見られる美しい景色を“たっぷり撮る旅”もおすすめですよ。
「瀬戸内国際芸術祭2022」の掲載作品や公開状況は時期により異なるので、「瀬戸内国際芸術祭2022」の公式Webサイト(https://setouchi-artfest.jp/)をチェックしておでかけしてみてください。また島へ渡る船の時間も時期により異なるので、事前に確認をお忘れなく。
『るるぶ 四国23』は好評発売中!
本書の特別付録2「せとうちアートな島旅BOOK」では、瀬戸内海のアートな島を徹底紹介!
Text:こばやしみもざ
Photo:小川 康貴、沖本明
●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。